私の仕事 – 「これまで」と「これから」⑤
⑤すっかり出遅れ
もう二度と立ち上がれないような気がしていたけれど、
ようやく次の年の春になって、
少しずつ社会復帰しようという気持ちが芽生えてきた。
長い長い潜伏期間だったが、
でもまだホストファミリーと再会するという思いは、消えていなかった。
通訳ガイドにならなくても、みんなと話せる私になりたい。
そのためにどうしたらいいか。
働きながら、無理のない範囲で少しずつ勉強していこう。
最初からハードルが高すぎたのかもしれない。
ちょうどその頃、それにあったアルバイトを見つけることが出来た。
フルタイムではなく、他の人より少し時短勤務にしてもらい、
終わった後は自分で勉強を続けた。
ただ、時短勤務だからと言って、アルバイトも手を抜かなかった。
時短勤務でも、フルタイムの人と同じ作業量を達成する。
そういう思いで働いた。
仕事中、作業がはかどれば、音楽などを聴いてもよかったから、
私はひたすらに英語の音源をいろいろと聴いて、
周りの人にはちょっと迷惑だったかもしれないけれど、
シャドーイングもしたりして、
一分たりとも無駄にせず、
とにかく遅れてしまった分を取り戻すのに必死だった。
そうこうしているうちに、少しずつではあるが、
私の英語は上達していった。
しかし、勉強したものをどう活かすのか、
そのビジョンがなかなか見えてこなかった。
その中で、ストイックに勉強を続けた。
いつかそれが活かせる日がやってくると信じて。
(次は2022.6.19)