私の仕事 – 「これまで」と「これから」⑩
⑩もういいんじゃない?
翻訳三昧の生活が少し落ち着いてきたころ、
なぜかずっと前にあきらめたはずの通訳ガイドの試験に
再挑戦しようという気持ちになった。
きっと、まだ「もっと話せる自分(=完璧に英語を操る自分)」への欲が
どこかで渦巻いていたからだ。
ここでリベンジを果たしてハッピーエンド、というのが
お決まりのコースかもしれないが、
そういう結末にはならなかった。
何となくそうなることは分かっていた。
どこかでホッとした自分もいた。
この時、初めて自分に対して、
「これ以上は無理に頑張らなくてもいいよ」って
声を掛けてあげられた気がする。
完璧に英語を操る自分って何だろう。
私のやる仕事で喜んでくれる人がいる。
相手の話していることもちゃんと分かるし、自分でも話すこともできる。
発音もいいって言われる。
それに、もう自分の夢は、
ホストファミリーとの再会で果たせていたんじゃないかな。
これ以上、何を望むんだろう。
この挑戦結果をきっかけに、
少しずつ、私の仕事に対する気持ちが変化していく。
完璧なんて一生かけても達成できないし、
達成する必要もないんじゃないかって。
それより、今持っているものに磨きをかけながら、
それを活かしてやっていけばいいんじゃないかって。
(次は2022.7.24)