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デザインの小話 no.7 / デザイナーでは無くても知っておくと良いデザインの話

こんにちは、アル株式会社でCCO&デザイナーをやっている@ottieeです。

最近デザインの記事を書いていないなと思い立ち、たまにはデザイナーっぽいことを書こうかなと思いました。

デザイナーでなくても、日々の業務で資料作ったり、ワイヤーフレームを引いたり、ちょっとしたバナーを作ったり…

そんな時、知っておくと効率を上げたりアウトプットが良くなったりしそうなデザインの知見を紹介します。


グルーピング、チャンキング、余白

人間の知覚は近接したものを一つの塊として捉えるため、それを利用して情報を伝えやすくすることができます。

最近見かけたUIなのですが、余白の取り方によって、複数の情報の塊が誤認されてしまった例です。

情報構造としては、一つのブロックで

  • 写真

  • 会社名

  • 肩書き

  • 名前

を表示していますが、余白の取り方によって

  • 名前

  • 写真

  • 会社名

  • 肩書き

の塊に見えてしまい混乱が起きてしまいます。
適切な余白、補助線などの工夫をすることで情報を伝えやすくすることができます。

要素を配置する時には、「余白をデザイン」するくらいのつもりで、大胆に余白を作って情報をグルーピングしましょう。

ホラー・ヴァキュイ(空間恐怖)

余白が大事、ということはお伝えしました、似たような話で、ホラー・ヴァキュイという概念があります。

余白、何もない空間を埋めたくなる心理のこと。虚無に対する恐怖のことです。

資料を作ったりUIを作ったりバナーを作ったりする時に、何もオブジェクトがない空間を埋めようとするのはあるあるなのですが、伝えたいことを本当に伝える時にノイズになることは往々にしてあります。

大胆に余白を取りイメージを強調している例 出典:https://www.yohjiyamamoto.co.jp/
  余白が無いようにオブジェクトを敷き詰めあえて雑多な感じを強調している例 
出典:https://jp.shein.com/

状況に応じてどちらが良いとか悪い、という話ではありませんが、余白もデザインの一部だと認識して、空白を恐れずデザインすることが大事です。

空間を恐れず、たっぷり余白をとってデザインされた空間は、高級感や希少性を底上げするという効能もあります。

つい空間を埋めたくなりますが、本当に必要かどうかを常に意識しておきましょう。

フレキシビリティの二律背反性

ここからは見た目の話というより、設計や構成を考える時に必要な概念を紹介します。

フレキシビリティの二律背反性とは、なんでもできるように複数の機能を併せ持った製品・サービスは、その分パフォーマンスとユーザビリティが損なわれる、という原則です。


アーミーナイフ(十徳ナイフ)を想像してみるといいと思います。なんでもできるけど、それぞれの機能はそれに特化した製品にのパフォーマンス・ユーザビリティに劣ります。(ナイフとしても使えるし栓抜きとしても使えるけど、それに特化した製品より機能は劣っている)

サービスを設計する時も気をつけなくてはならない事象で、「できることが多い=善」というエラーは起こしがちです。

似たような話で、資料やバナーとかでも「情報量が多い=善」もやりがちです。本当に伝えたいことをマスクしてしまうこともあるので、絞ることが大事です。

KISSの原則

最後に、KISSの原則を紹介します。

「keep it simple, stupid」
「シンプルにやれよ、この間抜け」

複雑性が高くデザインされたシステムより、シンプルなシステムの方が機能性が高く、信頼性が高く、メンテナンス性も高い、という原則。

  • 機能追加の連続で複雑化したサービス

  • 装飾が多く文言変更すら大変になったバナー

  • 個別最適しすぎて汎用性のなくなった資料テンプレート

心当たりがありすぎて書いていて辛いのですが、日々デザイン・開発・設計など、業務に向き合っている人にはあるあるだと思います。

起こりがちな事象ですが、よりシンプルにできないか、という視点は常に持っておくと良いかと思います。

少なくとも、作り手がデザインの説明をするのに数時間かかる複雑な仕組みを作るのは避けた方が良いでしょう。

終わりに


今回はデザイナーでは無い人向けに、ちょっと意識しておくと、日々の業務でのアウトプットが良くなるかも知れない概念をお伝えしました。

また何か思いついたら書きます。
それではまた!


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