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スーパーデザイナーなんていない

※インターネット界隈でアプリやウェブサービスを作っているデザイナーにフォーカスした話です。

デザイナーの採用難しい問題

デザイナーとしてけっこう長く働いてるので、アルのデザインをメインとしつつも、いろんな会社や人とデザインについての相談を受けていたりします。

そこで頻繁に話題になるのが、採用周りの話です。

優秀なデザイナーを採用したいのだけれど、面接でどうすればスキルを見極められるか、というような点の話から、どう探せばいいかわからない、というそもそも論的な話だったりします。

そんなデザイナーそうそういない問題

採用に関わるくらいなので、偉い人だったり、組織デザインについて決定権を持っていて、デザインを大事にしてくれている人に起きがちな悩みなのですが、よく聞くとそもそも市場に存在しない人を求めてるのでは?と思うことがあります。

デザインが経営やビジネスに有用であるというのは、いろんなところで言及されていることなので、「組織に対してデザインの力を活かせてないのでないか?」という問題意識があることは素晴らしいと思います。

ですが、よく話を聞いてみると、求める要件が

- プロダクトの上流工程できて
- UX設計できて
- UIできて
- ビジュアルデザインできて
- コーディングも知見があり
- マネジメント経験もあって
- 経営と事業の話もできる

というけっこうハイスペックなデザイナーを求めてたりします。

誰かいませんか?って言われても「いないですね!」となります。

むしろそんな人いたら紹介して欲しいとすら思います。

正確に言うと実際は存在はしているのですが、そういうデザイナーは求人の市場には出回らないし、できるデザイナーがそろそろ次のステップに進みそうだなー、声かけようって思った時にはもう次の仕事が決まってるし、「今すぐデザイナーが欲しい!」と思ったタイミングでは時がすでに遅かったりします。

採用できたとしても起こりうる問題

仮に、銀の弾丸としての期待とともに、こういうデザイナーが採用できたとしても、一人でこれを全部やるのはそもそも結構な無茶振りでもあります。

物理的に時間が足りなくなります。

また、組織に組みいれた時、現場と経営の間でハレーションを起こしてしまう例もいくつか見てきたことがあります。

よくあるのが、求める期待値がそのデザイナーと経営と現場で食い違っているパターンです。

経営はデザインの知見をビジネスに活かしたいと考えている一方、現場では単純に手が足りてないから、上流は工程はいいからアウトプットの手伝いしてくれよ、と思ってるとかです。

関わっている全員が不幸になるので、デザイナーの採用は慎重になるべきなのですが、そうすると一向にデザイナーの採用ができないという悪循環に陥ります。

じゃあどうすれば...問題

じゃあどうするかというと、明確な解は僕にもないのですが、2点ほど思うところはあって

- 新たなデザイナーに求めることを明確に言語化しておく
- 既存のデザイナーを育成するという視点を持つ

ということです。

前者に関してはアル代表古川のこの記事が参考になります。

後者、育成に関しては、現時点で組織にいるデザイナー、もしくは新規に採用するにしてもジュニアレベルのデザイナーを、組織のコンテキストを共有しながら育成していく、というのも必要なのでは、と思います。

外部から新しい血を入れる、内部から血をより良くしていく、両軸が必要なのではないのかな、と最近は思っていたりします。

終わりに

常々課題だと思っていることをただ書き連ねただけなのですが、今更書いたのは、

アルの業務委託でデザインをしてくれている @t_mifuru さんと久しぶりにお仕事で話す機会があり、ものの十数分程度のオンラインミーティングだったのですが、

雑いオーダーだったにも関わらず、おそらく本質的に課題になりそうな点を考慮し指摘してくれて、こういうスーパーなデザイナーってほんとに希少だな...と改めて思ったからです。

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また、この記事は「デザイナー」を「エンジニア」、「デザイン」を「テクノロジー」と読み替えることができます。

それではまた!


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