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「君は僕の…」前編 2022/03/30

今回書く話は、初めての大阪公演が終わった後の話だ。
(大阪ビレボア公演の思い出、の後日談)

書こうか、書くまいか、ずいぶん前から迷っていたけど、私の幸せな思い出のエピソードだから書こうと思う。


推しの初めての大阪公演を見るために、私は3日間大阪へ遠征した。

3日目、遠征最終日の特典会で推しがこう質問した。

ハルさん、聴きたい曲ありますか?

推しは時々、私が好きな歌をサインの時にワンフレーズ歌ってくれることがあったから、『今、聴きたい曲を歌ってあげる』という意味だと思った。

私はソン・シギョンさんの曲「너는 나의 봄이다(君は僕の春だ)」が聴きたいと答えた。
韓国ドラマ「シークレットガーデン」のOST。

推しは韓国のバラード歌手ソン・シギョンさんのファンで、ソロステージでも時々カバーしていた。

以前、推しにお薦めの曲を訊いたことがあって、「君は僕の春だ」がお薦めだと教えてくれた。
それからずっと私のプレイリストにはこの曲が入っている。

だから大阪で聴きたい曲があるかと質問された時、真っ先に浮かんだのが「君は僕の春だ」だった。

すごく難しい曲だけど…頑張って練習して、いつか歌います。

と推しは言ってくれた。
いつか、とはどういう意味だろうか。
公演で歌ってくれるという意味のような気がした。
リップサービスかもしれないけど、それでもそう言ってくれたことがとても嬉しかった。

大阪公演から帰ってきた私は、推しが東京に帰ってくる日が待ち遠しかった。

3週間後、推しが東京に戻ってきた。
そしてまた1ヶ月の東京公演が始まった。

初日は平日ど真ん中だったから私は行くことが出来なかった。
ヲタ友が別の友達と一緒に見に行って、大阪から来てるファンもチラホラいたよと言っていた。

大阪へ1か月行っている間に離れてしまった東京のファンも多かったから、大阪でファンが獲得できて良かった。

金曜日、私はようやくSHOWBOXへ。
土曜まで待てず、仕事を早退して金曜日の夜の公演へ行くことにしたのだ。
推しに会える喜びで胸が高鳴った。
きっと今日はファンがたくさん来るだろう。
張り切ってチケットを買い、最前列に座ることが出来た。

だけど、、驚くほど客席はガラガラだった。
1ヶ月前は満席だったのに。。

たった1ヶ月大阪へ行っていただけで、こんなにもファンが離れてしまう現実に胸が痛む。

久しぶりの公演はとても楽しかった。
やっぱり東京の会場は落ち着く。

最前列の席は、実はメンバーと目線が合いにくい位置でもある。
ヲタ友は目線が合うのが苦手で、最前列の席の方が気楽に見れると言っていた。
4列目の1段高くなった席か、8列目のもう1段上の席が見やすくて私は好きだったが、そこは目線が合いやすく居心地の悪い席でもある。

だけどこの日は客が少なかったからか、最前列にもかかわらず推しと目が合うことが多くて、嬉しいような恥ずかしいような気分だった。

公演の中盤、ソロステージのコーナー。
その日のソロは、推しの担当だった。
私はラッキーだ。

薄暗い照明の中、イントロが流れて…

私は、息が止まりそうになった。

つづく

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