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砂糖の再結晶を利用したお菓子

◇砂糖の「再結晶」とは?

砂糖を水に溶かして煮詰めた溶液(シロップ)に、

結晶が出来るきっかけを与えると、砂糖が再度

結晶を作ることを、砂糖の「結晶化」といいます。

私たちが普段使用する砂糖自体も

この性質を利用して生まれます。

ちなみに、グラニュー糖や上白糖が白い理由は

本来は無色透明である、

主成分の「ショ糖」の小さい結晶が集まることで

光が乱反射して白く見えるからです。


◇シロップの過飽和状態について

飽和状態のシロップを冷やすと、

温度に伴い、溶解度も下がるため

溶けきれなかったショ糖の結晶が水中に

また現れます。


しかし、煮詰めたシロップを少しずつ冷ます

その結晶が現れず、見た目からは溶けているように

見えることがあります。

これを「過飽和状態」といい、

この時シロップの中はショ糖が不安定な状態で

水分子に混ざり合っているのですが、

ここに結晶が始まるきっかけを与えることで

過剰にショ糖の結晶があらわれます。


◇再結晶を利用したお菓子

上記の過飽和状態は

その性質を利用することで、

お菓子作りに生かすことができます。

また、煮詰める温度帯や攪拌の有無で

結晶化の状態が変わるため、

作りたいお菓子によっても作り方が違います。


○フォンダン、すり蜜

エクレアやパン、バターケーキなどの

焼き菓子のデコレーションに

使われる「フォンダン」

煎餅などの和菓子に用いられる「すり蜜」

砂糖の「再結晶」を利用して作られたものです。

温度
115℃前後

作り方 
過飽和のシロップを40℃に急激に冷ました後
激しく攪拌(混ぜる)する。

結晶の状態
白くて細かい結晶が出来る
(その為、真っ白の見た目である)


○ウイスキーボンボン

ウイスキーボンボンはフォンダンとは逆に

ゆっくりと過飽和状態のシロップを冷ます

ことで、大きな砂糖の結晶化を促し作られます。

その為、少し脆い飴のような

カリッとした食感です。

温度
115℃前後

作り方
30〜40℃にして、そのまま静かに
ゆっくりと冷やす。

結晶の状態
透明で大きな結晶が出来る。


過飽和のシロップは、
さらに煮詰め上げることでさらにその状態を変化
させ、お菓子作りにもまた違った影響を与えます。


※bitesjapansquadの投稿 : Ironman_fe

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