事務員さんといっしょ
10月25日、市内のお寺さんの現場にお邪魔した。
広報は現在、諸事情により車の運転ができないので、事務の方に運転をお願いして現場へと赴いた。
事務員さんは普段事務所での作業が多いので、現場に行くのが初めてだという。かくいう私も、現場にお邪魔する時は大体一人、もしくは一緒に行っても別行動のことが多いので新鮮な気持ちだ。
お寺に着くと、職人さんたちが植木の剪定をしていた。
このお寺には様々な種類の木が植えられている。見慣れたマツやツゲ、サツキなどはもちろん、信じられないほどでっかく育ったキンモクセイや、見たことないふわふわとした葉っぱの木もある。あまりにかわいいのでアプリで名前を調べた。タマリクス・ガリカというらしい。見た目はかわいいのに名前が全然かわいくない。
そんな様々な植物を職人さん様々な手法で剪定している。木の種類に合わせて道具を変え、剪定を行っている。
お寺を見渡してみる。すごく大きなお寺というわけではないけれど、落ち着く雰囲気のお寺だ。夏場は暑くて朦朧としながらの撮影だったから、ここまで冷静にお寺の様子などを伺う余裕がなかった。灯篭にはなぜかハートの模様ややかんの模様が入っていてかわいい。調べてみたらハートの模様だと思っていたものは猪目という魔除けの模様らしい。やかんの意味はわからなかった。色々と興味を引かれるお寺である。
お寺の雰囲気と職人さんの剪定の両方を見ることで、お庭全体の変化を感じることができた。
既に刈ったであろう植木の上に、オーガンジーのようなきらきらした布がかぶせてある。隣接する木を剪定する際に、葉などがつかないようにしているのだろう。職人さんのこういう気遣いを見ると、自分はここまで気づけるだろうか、と身の引き締まる思いがする。
そんなことを思いながら撮影をしていると、事務員さんが剪定後の植木を見て言った。
「あの植木(クレヨン)しんちゃんのおしりみたいじゃない?雪だるまにも見える」
ほ、ほんとだ~ 新たな視点~
普段職人さんの動きなどを注視しているので、植木の形などまで意識が回っていなかった。
言われてみれば、植木は様々な形をしている。
これとかは怪獣の頭に見える。すごく目が合っている気がする。
そういう視点で見てみると、結構面白い。
そんなことを思っていると、今度はゴミがまとめてあるのを見て事務員さんが言った。
「これってカラスの巣かな?」
そうかも。
針金の塊だと思ってスルーしていたが、よく見ると土の塊のようなものも混じっている。
確かに、カラスの巣だと思われる。カラスの巣の実物初めて見た。
しかし、事務員さんの気づきは本当に面白い。
人と現場を見ると、こんなに違う視点で見ることができるのか。
そして違う視点で見る現場のなんと面白いことか。
事務員さんと見る現場、楽し~~~~~~~~~
平静を装いながら心はぴょんぴょんしていた。
そうこうしていると、職人さんがめっちゃ高い梯子を担いできた。
ぱっと見4mくらいありそうな感じだ。三角梯子は普段から目にするが、ここまで高いものは初めて見た。段数を数えていると、横で事務員さんも指で段数を数えていた。そこ気になるのは一緒なんだ、と思いちょっと嬉しかった。
他にも蝶々が植木で一休みしてるとか、松の苗が生えているとか、そういう些細なものも気づいて教えてくれた。
私1人だけだったら、いつも通りの剪定の現場だったかもしれない。
事務員さんと一緒なだけで小さな発見がたくさんできて、とても新鮮で楽しい現場になった。
また一緒に現場が見られたらいいな、なんて思う広報だった。