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プリンターの設定をモノクロにしたら、年間百万円超のコスト削減に繋がった話

みなさんが業務でお使いであろうプリンターについて、カラーからモノクロに設定を変えたことで、年間百万円超のコスト削減につながったというお話について、ご紹介いたします。
本業多忙なスタートアップや個人事業主の方々は、「プリンター?そんな細かいところまで手が回らないよ」とお考えかもしれません。でも、カラープリンターをお使いの方は、設定さえ1度変えてしまえば、放っておいても勝手にコスト削減をしてくれるので、ぜひ参考にしてみてください。

申し遅れました。家電やカメラのレンタルを扱うスタートアップ、レンティオで管理部をしている大塚と申します。
プリンターは、インクがモノクロかカラーかで、単価が全く違うということを再認識しました。モノクロ化の具体的な進め方も含めて解説しましたので、最後までご覧いただければ幸いです。


発端「げっ、高くね?」


そもそも、なぜプリンターに注目したかというと、月末に請求書を見ていたら、プリンターの請求額が約20万円だったんですね。
「げっ、数十人規模の会社で、年間200万円以上も、プリンター料金を支払っているのか?」という驚きでした。

プリンターの料金構造について


当社が使用しているプリンターは、カラー複合機でした。
請求書の明細を確認すると、プリンターの利用料金は、以下の計算式となっていました。

プリンター料金=カラー料金+モノクロ料金
 =[カラー単価(円)×カラー出力数(枚)]+[モノクロ単価(円)×モノクロ出力数(枚)]

カラー単価は10.0円(枚)、モノクロは1.5円(枚)と、6.7:1の単価差がありました。
ということは、「カラーをモノクロに置き換えれば、(出力数が同じであれば)利用料金は、1/6.7になるんじゃないか?」と、(経理業務では年に一度出るか出ないかの)ドーパミンが放出されて、ハイな気持ちになってきました。(この辺のいじらしい経理の気持ちの想像がつきにくい方は、以下のCMをご覧ください)

仮説検証

「しかし、こんなに高いのは当月だけの特殊事情かもしれない」。ぬか喜びでないか確認するために、過去の請求明細を基に、利用実績をまとめました。(ちなみに、過去の請求書は会計システムの「freee」に添付されていたので、簡単に参照することができました)

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この結果、プリンター料金が右肩上がりであり、原因は総出力数が増え続け、フルカラーの使用割合が高い(7~8割)ためであることわかりました。

つまり、このまま放っておけば、事業の成長とともにプリンター料金が増えまくるということです。

社内への発信

ただ、「カラーでの出力が業務上欠かせないものであるのかどうか」については、判断がつきませんでした(社内用なら、モノクロでだよねという感覚はありましたが)。

ということで、社内のSlackに、請求額の推移と、カラーをモノクロに置き換えた場合のシミュレーションを投げてみました。

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原則モノクロ化の意思決定とその実行

すると、印刷量が多いのは「レンタルの際にお客様にお送りする取扱説明書などだろう」ということがわかりました。

投資家向け資料や、営業資料は別として、利用の大部分を占めると想定される顧客サポート部門での印刷はすべてモノクロと決まり、即日社内に周知されました。

なお、このやり取りの中でわかったことは、印刷された資料がモノクロに見えても、PCの印刷設定がカラーになっていれば、それはカラー印刷にカウントされるということでした。
取扱説明書はそもそもカラー設定で印刷しても白黒にしか見えず、利用者が気づきにくかったのです。

大きい声では言えませんが、かくいう私も千枚程度の文字だけの契約書をひたすらカラー設定で印刷しまくっていました(1万円相当)。そうです、私も共犯だったのです。ゴメンナサイ。。。

このような事態を防ぐためには、
PCのプリンターの初期設定を「カラー→白黒」にするのが有効です。
(スタート‐windowsの設定‐デバイス‐プリンターなど)

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初期設定をカラーにすると、印刷時にいちいち、カラー→モノクロに設定変更をしなければなりません。

なお、今回は、幹部から各人のPCのモノクロ設定までゴリゴリに詰めてもらったので、早期に結果を出すことができました。やはり、成果を形にするためには、経営者や幹部の実行面での後押しが重要なポイントです。

モノクロ化の成果

モノクロ化の意思決定をしたのが、11/18で、出力数のカウントは月末締のため、12月使用分から成果が出ることになります。
この結果、請求額は10月分174,546円→12月分40,881円の約13万円減になりました。

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ちなみに、総出力数も減っていたので、削減額の要因を出力数と単価とに分解すると、出力数は▲3,396枚減って▲7,471円減少、カラーとモノクロの加重平均単価は▲5.6円減って▲125,054円減少(▲70%超)となりました。当初のもくろみの1/6.7(85%減)までいかなかったものの、月▲10万円であれば、ゆうに年間100万超のコスト削減の計算になります。

まとめ

プリンターは日常的に使うものですが、意外とモノクロとカラーの単価や、その料金実態まで把握されていないのではないでしょうか。事業が成長すると、その使用量も拡大するので、知らず知らずのうちに請求が増えているかもしれません(当社もそうでした)。そんなときは、カラーからモノクロに設定を変えることで無駄なコストを抑える事ができます。

さて、今日は、

・プリンターはモノクロがカラーよりずっと安い
・管理部門以外のコミットこそ重要
・モノクロ印刷の徹底には、PCの初期設定から

というお話をさせていただきました。

こうして、私がせっかく出始めたコスト削減の成果をまとめている矢先から、社内では「いや、だったらそもそも複合機からモノクロ機に変えた方が早くない?」というちゃぶ台返しが進行しております。

ええ、いいんですよ…経理の手柄なんて。そこに気がついてもらっただけで、私は幸せです。。。

この記事が皆さんのお役に立てば幸いです。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

最後に宣伝



当社は、モノクロとカラーのプリンターのレンタルの取り扱いをはじめました。

ちなみに、ここからご注文頂いても、業績評価上、私の給料は1円も増えませんが、「エプソンインク使い放題プラン」の天文学的なヒットにより、経営陣に抜擢され、当社がユニコーンとして上場を果たし、やがてはGAFAの時価総額を抜き去って、私がビリオネアの仲間入りする可能性までは否定できませんので、私にインセンティブがないとは言い切れません。
そこは慎重にご判断くださいませ。

最後まで、ご覧いただき、ありがとうございました。



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