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バンドプロジェクト「YOAKE」〜彼らは何者なのか〜

バンドプロジェクト「YOAKE」をご存知でしょうか。YOAKEという名前を知っている人は多いのではないかと思います。なぜなら、TikTokで人気が出た楽曲があるから。しかし、彼ら(彼らという代名詞が合っているのかもわからない)がどのようなグループであるのかを把握している人は少ないのでしょうか。YOAKEというグループは、発表されている楽曲を聴いてみることで、彼らという存在の面白さに気づけると思っています。


聴いたことのないという人はこちらから


バンドプロジェクトという新たな試み

さてさて、上にあげた二曲を聴いてくださった人はお気づきかもしれませんが、この二曲では、雰囲気も違えば、ボーカルも違うし、ジャンルも違います。全く別のアーティストの楽曲と言ってしまってもいいような楽曲が同じYOAKEというアーティスト名で配信されています。これは、見出しにも書きましたが、YOAKEというのが、バンドやグループではなく、バンドプロジェクトであることに由来します。バンドプロジェクトってなんだよという感じかもしれません。YOAKEのホームページには、

YOAKEprojectとは?

枠にとらわれることなく自由な発想と感性で楽曲を制作し、 まだ見つけられていない秘めた可能性を持ったボーカリスト達に歌唱してもらい、 楽曲・歌詞の世界観をより伝えるため、独自の世界観のMVと一緒にを楽曲と共に公開。 新しい可能性を求めて挑戦し続け、誰もが参加できる可能性を持ったプロジェクト。

YOAKE  ホームページ

と書いてあります。このプロジェクトの新しいところは、参加するメンバーを主軸というか主体にしないということです。個人的に、バンドプロジェクトと聞くと、参加者がバンドを組んで、プロデュースを受けて活動したり、番組がそのバンドに密着してデビューの枠をあらそわせるというようなものをイメージします(近年のアイドル発掘プロジェクト的な?)。ですが、このプロジェクトはそうではありません。あくまで、ボーカリスト等をあつめて、YOAKEという世界観の一部になってもらうというコンセプトだと私は解釈しています。
従来は、募集したアーティストやクリエイターを中心としてその世界観を一緒にプロデュースしていくという形でした。しかし、YOAKEではそうではなく、募集したアーティストやクリエイターそれぞれとしての活動ではなく、あくまでYOAKEというプロジェクトの世界の構成要素としての活動を行うという形になるのです。そのため、ボーカルやクリエイターの個人の活動名などの情報は公開されていません。YOAKEの世界観を構築する要素を彼らは募集して音楽やMVという構成要素を外部に出力しているのです。

ここからは、個人的な解釈になり、大袈裟な表現を含無かもしれません……

YOAKEには実態がありません。正確には、最低限の秩序を保つために、
運営している人たちは存在しますが、それでも、彼らが完全に音楽をプロデュースしているわけではないでしょう。また、実際に歌っている人も音楽を作っている人、映像を作っている人もいますが、外部には公開されておらず、外部から実態を把握することはできません。そういう意味で実態を持たないと言えます。そのように実態を持たないところから音楽が配信される。それらの音楽の実態の情報は公開されていない。これでもし、YOAKEの音楽に統一性があれば、実態は想像しやすくなってしまい、実態がないとは言えません。しかし、実態がぼやけるくらいに彼らの音楽は多様です。実態が想像できないほどの多様な音楽が、ただ、YOAKEという実態を持たない虚構によって繋がっているのです。その虚構に世界観が形成されているのです。

今後、この虚構が完全に人間の管理から独立して、完全に独立した実態を持たない謎の存在から音楽が出力される。そんなことを想像し私はわくわくしています。そしてこんなことも決して夢物語ではなくなってきているのではないのでしょうか?


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