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手を叩く

「隻手音声」という禅の公案がありますが、片手で鳴る音は如何に、というあれですが。

子供がある時期から手を叩くようになります。
これは食べたものが美味しい時が顕著ですが、嬉しい時に手を叩きます。

最初から手を叩けるわけではなく、始めのうちは、両手を身体の横で肘でL字に曲げて、バンザイをしながら、手首を前に振る形で、喜びを表現していました。
胸椎6番の可動性がよくなり、感情が動きます。
やってみるとわかりますが、この形で手を振り動くと、胸郭と肩甲骨が弛みます。
胸椎2番から6番までが弛む感じでしょうか。

この動きから、拍手という動きになるまで随分と時間がかかりました。
何故かというと、拍手という動作は結構難しいからです。
自分で丁寧にやってみるとわかります。

拍手の前に、踊る、という動きが発生していました。
特定の音楽をかけると踊るわけです。
赤ちゃんケージに手を掛けて、ライブハウスの最前列のような感じでタテノリで踊ります。
跳ねる感じであって、スイングはしません。
単純なタテノリの8ビートがお気に入りでよく踊っていました。
これが自分の子の特性なのか、人種的な特性なのかはわかりません。比較したいところなのですが。
現在は息子は立ちたがっているので、焦点が腰椎5番にあり、それが理由かもしれません。
ジャズやファンクなどは聴かせていません。
ノイズを聴かせると大抵息子は無反応です。

拍手という動作の難しさは、両手を胸の前で同じタイミングで止める、というところにある。
右手と左手の二つの動きが胸の前で、形になる。
しかし、これは本当は形にする、のですね。
そして動きが形になった瞬間に音が発生する。
止まった瞬間に、運動に移行して、呼吸が発生する。
さらに、その呼吸が感情を動かす。
その感情の動きが腕を動かす。
この動きの中心にあるのが、胸椎6番への集注ですが、胸椎6番への集注は、いわゆる修行とか我慢というような感じの集注ではなくて、もっとふわふわした楽し氣な集注です。
眉間に皺を寄せていると、胸椎6番には集注できません。

合掌と拍手は違います。
合掌は掌への集注の型であり、拍手は音への集注の型です。
どちらでも動きは潜在しています。

前述の公案「隻手音声」という公案。
私なりの回答。
両手で鳴る音は広義の和音。片手で鳴る音は広義の雑音。

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