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香港アート探検 M+

旅先で博物館や美術館に行くのが好きだ。
友人に会いに訪れた香港でも、美術館を見つけて行ってみた。

と、いうか、外にいると溶けそうなほど暑くて、屋内に逃げ込んだ!笑

10月だったのに、35度くらいある上に80%を超える湿度で、人生の中でこんな汗をかいたことあるかなって考えながら歩いてた。
観光客じゃなかったら絶対に夜まで外に出ないと思う。
友達、付き合わせてごめんね。
常設展示を見るチケットを120香港ドルで購入!
開いた当初は無料で開放されてたらしい。
常設展示は地下と3Fの2フロアに分かれてて、最初に地下へ向かった。

吹き抜けを大胆に使った草間弥生の作品。
地中を這う根のようだった。
続いて鏡を使った作品、ずっと見たかったので嬉しかった〜!インスタレーションは列に並び、グループごとに入るスタイルでじっくり見ることができた。


無限に広がる水玉に圧倒された。
以前ドキュメンタリーで草間さんの見える世界についてのインタビューを見たのだけど、こういうことなのかな…って思った。
自分の世界や頭の中をこんなふうに表現できるのはすごい。

地下はこの二つの作品のみで、続いて2Fへ!
とにかく広い!フロアの中央にエスカレーターやベンチがある開けた空間があって、そこから全ての展示室を巡るようになっていた。

2Fのフロアマップとチケット


現代アートが好きなので非常に面白い!
分からないもの、思考に触れるのが好きだ。
展示室は広く、中には部屋そのものを使った作品もいくつかあった。

いくつか印象に残った作品について書きたい。

一つ目は、The Letter Writing Project と題された作品。
アーティスト自身の経験をもとに制作されたそうで、手紙を書く行為が感情を浄化したり良い方向に向かわせることにつながることをシェアする作品!
ブースに入って来場者が手紙を書くことができるスペースがあった。

Lee Mingwei
The Letter Writing Project
1998

書き終わった手紙を切手を貼って棚に置いておくと、美術館が出してくれるらしい!
切手を貼らない場合は展示の一部となるみたい。
参加型の作品って面白い!

Heman Chong
Monument to the people we've conveniently forgotten (I hate you)
2008

二つ目は、黒く塗られたビジネスカードが積み上げられた作品!タイトル、人付き合いの嫌いな人のそれで印象に残った笑
確かに貰うだけの名刺ってあるよな〜

China’s Changing Landscape

続いては、大胆にも窓の外の風景を切り取った作品。休憩スペースの前の窓にキャプションがあって、おや?と思って見てみたら発見した。
近年多く変化する中国の風景そのものを鑑賞してみよう、というコンセプトだった。
面白い。

次の作品は、展示室の外からも不思議な音がして存在感がすごかった。

Paul Chan
Triosophia
2015

黒い人型が踊るように動く作品。後から写真を見返したら、ファンにつながるコードに靴が履かせてある?不思議で、ずっと見てられる作品だった。

こちらも展示室のスペースを贅沢に使った作品。

Sun Yuan and Peng Yu
Old People’s Home
2007
M+のスタッフに移動される人形たち

まるで生きているかのようなリアルな老人の人形が電動車椅子に寝ていて、何故か物悲しさを感じた。全員男性で、スーツや中東の民族衣装を身に付けている。良い身なりで裕福な出立なのに、だらしなく寝ていて権力にしがみつく老人を思い起こされた。
それとも、少子化や高齢化の現代社会の行先を表しているのだろうか…静かで不気味だった。
これらの人形は一定の時間おきに動かされるらしく、ちょうどそのシーンを見ることができた。
電動車椅子がウィーンと音を立てて、自由に動き回るのだけど、たまに壁にぶつかってしまったりすると若いスタッフに方向を修正してもらってて介護そのものだった。ゆっくりと死んでいく感じが重苦しかった。

Liu Jianhua
Obsessive Memories
2002

可愛いのに首がない陶器の人形たち!花瓶なのかな。

お次は随分と政治的な作品!
この展示室では革命とか軍隊とかのテーマの作品が固められていて、映像作品でも兵隊が出てくるいて雰囲気がガラッと違う内容となっていた。

みんな同じ顔で笑ってる😁
Wang Guangyi
Great Criticism: Chanel
2001

この絵はどこかで同じテイストの作品を見たことがあるんだけど、直島のベネッセかな…?

Gu Dexin
2021-11-12
2000/2023

赤い絵に吸い込まれるような作品だなぁって思った。特等席のようであり、ここに座ったら逃れられない感じがした。
作品の説明を読んだら、最初にこの作品が展示された際はソファーのクッションの中身が豚の油で満たされてたらしい!うわぁ…
来場者は実際に座ることができたって書いてあったけど、ゾッとする。そう思うのはなんでだろう。普通に食べてるのに。
今は中身は合成のもので座ることはできないらしいけど、油のひんやりとした感じ、段々と沈む座面について考えて、逃げる様にその場を後にした。

Fang Lijun 方力鈞
98.8.25
1998

水の中に泳いでるのは人のようだけど、体が不自然に曲がっていたりして、すごい不安にさせる作品で印象に残った。頭が出てるけど、後頭部か額側が出てるのか分からない。
水から上がってこないで欲しい。洋服も着てなそうだし。
泳いでるって言ったけど、手も力なく伸びてるし、もしかして、生きてない??

Wang Du
Stratégie en chambre
1999

こちらは作者が経験した歴史的に大きな出来事の思い出を表現した作品。山のように積み上げられているのは新聞で、政治家などの人形が歴史の一面を再現してる。その隙間や、覆い隠そうとする新聞紙の層を突き破るように子供用のおもちゃが配置されていた。
どんな時代にも日常が、そして子どもたちがいたんだな、そして今日ニュースで報じられる酷い出来事においてもそれは同じだ。
会場で見た時は気が付かなかったのだけど、中央の笑顔の子供の頭上を飛ぶのは戦闘機?
平和って本当に大切だ。
そんな未来は来ないだろうと最近諦めさえしそうだけど。
大人である私がそんなんじゃダメだなぁと思った。

そんな感じで初めての香港でアート探検を楽しみました!やっぱり新鮮な発見や斬新な展示が見れたりして、海外旅行で美術を楽しむのはいいなぁ。また行きたい!
ミュージアムショップも充実してたし、九龍に行く際はぜひ行ってみてください。
私もまた香港に行きたいなぁ。

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