おとち

日本酒、ウイスキー、ビール、ワイン、つまみ、小説、漫画、絵、映像、田舎、海、犬猫、タヌ…

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日本酒、ウイスキー、ビール、ワイン、つまみ、小説、漫画、絵、映像、田舎、海、犬猫、タヌキ、弓道、着物、落語、褌、散歩

最近の記事

本ト怪談 恐怖と美女の相性①

そろそろ夏がやる気を出して、太陽の周りを駆けながらウォームアップをしている気がする。 夏といえば怪談である。 誰が決めたか知らないが、そういうことになっている。夏の怪談反対運動が起こらないのは、なんだかんだ、皆怖いのがちょっと楽しいからである。 ところで夏の怪談反対運動ってなんだ。おそらく皆白装束で額のハチマキに懐中電灯を巻き、チャカポコ木魚とお鈴を鳴らしながら「カイダーン、ハンターイ!オバケハイマスグ、退散セヨー!」と拡声器でがなりつつ夜に行進するのであろう。そしてい

    • 本ト恥 蕎麦と日本酒①

      会社のおいちゃん達と蕎麦を食べていた時のこと。 「読書記録アプリ」について話していた。読んだ本の表紙とあらすじ•感想を保存し、他者にも公開できる便利ツールである。 途中から、彼らはなんだか尻の座りが悪そうにモゾモゾしはじめた。 なんぞと思っていると、「今はそんなのがあるんだ。僕らの頃は、自分がどんな本を読んでいるか、ましてや感想なんて、恥ずかしくて人に知られたくなかったよ」と言う。 では何故昔から、夏休みの読書感想文なんてものがあるのか。アレは恥ずかしい事だったのか。

      • 本ト酒 曖昧甘味 メロンとブランデー

        メロンこそは果実の王様である 冬の間スクスクと巨大に成長し、初夏にはその豊満な果実を惜しげもなく提供してくれる。瑞々しいオレンジや薄緑の果肉。噛むと口中に甘い果汁が溢れて人民を幸せにしてくれる。 皮が程よく固く柔らかいお陰で、夏の海辺で叩き砕かれ食べられるという野蛮な風習の餌食になる事もない。社会での生き方さえ示してくれる誠にありがたい食べ物である。 先日メロンが売り場に出ていたので、旬には少し早いが謹んでお買い上げした。高貴で気高い緑色のお姿。用途不明の謎めいた網々が

        • 本ト酒 京都タヌキ鍋 結 タヌキの親子

          猫を堪能し、きつねに化かされタヌキを探す宵山冒険。相棒の水風船を叩きながら覗き見る格子の向こうには、不思議な世界が広がっていた。 ◆◆ わいわいとした宵山を味わいながら散歩をしていると、何やらそこここの町家の前に人だかりが。普段は野次馬根性の手綱を握って離さないのだが、その日はあいにく放牧中だった。 古くからの歴史を感じられる、どっしりとした白い壁、濃灰色の瓦、黒木の格子。格子の中を皆覗き込んでいるようだが人が多くてよく見えない。 脳内競走馬が早く見たいとギャロップを

        本ト怪談 恐怖と美女の相性①

          本ト酒 閑話 お猪口シリーズ 一杯め:妖怪

          京都のタヌキに入る前に、うさぎの話 日本酒を置いているお店で、お猪口を選ばせてくれるところがあるが、あれは凄く嬉しい。 気候や気分にあわせてウキウキ服を選ぶような、これから美味しいお酒を頂くための心躍る儀式である。 しかも、小さいながらそれぞれ創意工夫に富んだデザインは見ていて楽しい。 ◆◆ 例えば、可杯(ベクハイ)。あれを考えた人は相当なサディストだと思われる。 ベク杯とは、一旦お酒を入れると飲み干すまで下に置けないお猪口のこと。もとは全国にあったものの消滅傾向

          本ト酒 閑話 お猪口シリーズ 一杯め:妖怪

          本ト酒 京都タヌキ鍋 きつねのはなし

          古書と茶房「ことばのはおと」の猫アイスに満足し、黄昏も近い宵山に繰り出した。そこで判明した事実と、些細な不気味。 ◆◆ 甘味ではずみをつけたところで、いよいよ黄昏時の京都に繰り出した。おそるおそる宵山の場所を人に教えてもらい、たどり着いた路地の向こうからは「コンチキチン、チンチキチン」と形容したくなるお囃子の音が。 その時点で高揚感がMAXになり、そちらの方へ駆け出したい衝動にかられたが、そこは大人として冷静な対応を求められる。 紫の空に輝く山鉾の灯りにフゥンこれが宵

          本ト酒 京都タヌキ鍋 きつねのはなし

          本ト酒 京都タヌキ鍋 猫と書房②

          「有頂天家族」に触発されて「五山の送り火」を見に来たが、夏の京都で干物になりかけていたところ、猫暖簾に誘われ古書茶房にお邪魔した。 ◆◆ ひんやりとはいかないものの、扇風機が送る優しい涼風が心地よい。長話をしているカップルのアイスが早めに溶けるよう念を送りつつ、ぼんやり待っていると順番が来た。 畳、ちゃぶ台、鉄道ジオラマ。オレンジ電灯で昭和感を醸しつつも確実に今風オシャレを狙いにきている。 とりあえず冷たいものを頼みたい。確かコナン君によると関西ではアイスコーヒーのこ

          本ト酒 京都タヌキ鍋 猫と書房②

          本ト酒 京都タヌキ鍋 猫と書房①

          本を読みつつ酒を飲む 風呂に浸って本を読む ボケて何も思い出せなくなるその前に 楽しい時間の備忘録〜 ◆◆ 森見登美彦「有頂天家族」×藤岡酒造「蒼空(そうくう)純米大吟醸」 京都を舞台にすると無敵の森見登美彦さん。 結界の中の様な閉塞感と、 その中で無限に展開する奇妙キテレツな世界が魅力的。 「有頂天家族」は、擬人化タヌキがタヌキ鍋にされつつ、ナワバリ争いをする話。 ふわふわのしっぽを振り振りしながら、赤玉ポートワインを天狗師匠に貢ぎ、 恐ろしいけど美し

          本ト酒 京都タヌキ鍋 猫と書房①