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とりとめのないことばかり話してる彼の額に浮かぶ冷や汗 店員にお一人ですかと尋ねられ目を見…
優しめの短歌 病院の帰り道日は穏やかでカマイタチの刃も柔らかだった 笑ってたはずだったけ…
きれいめの短歌 しょーもない救いようのない愚かさで話の最後まで突っ走れ 青空を溶かしたラ…
これでいい皆が思った瞬間に貧乏神が両目を上げた 極寒の地こそ互いに相応しい憎しみ合って共…
望むもの全て飲み込み返さぬと言われし沼に沈む揺りカゴ あの人は鉄条網に飾られたことを知ら…
耳鳴りと共に廊下は暗くなり近づいてくる低い呼び声 清流を濁して浮かぶそれを皆確かに笑って…
喉の奥渇きて窓の向こうには一面の雪息ができない 万葉の涙沁み入る砂漠よりそう結ばれた短い手紙 荒海の津軽三味線から出る波は千鳥になって飛び去る 昨夜見た夢から沁みた湧き水の跡が残った床を拭く 朝 吐き出した煙は願い安らかな夢をあなたは見てるようにと その他の怪しい短歌はこちら
春頃作った歌。寒さが(暑さも)苦手な自分が春の気配にうかれた様子がわかる歌。 トウトウと…
盛大な行進曲が不意にやみ衣ずれの音がおおきく響く 桃よりも痛みやすくて紫に変色してく君の…
青色のセロファンを透かし見た部屋に怯えた顔の人影のあり 崩れ落ちた白壁に苔の柔らかく木漏…
どこまでも足跡は続き途絶えぬと空を仰いで北を指差す 坂半ば息を切らして振り返る私を見送る…
ラジオから流れ続けるすすり泣き違うこれはただの雑音 太古から続く命の一瞬の儚さの間に出る…
五月雨に唐傘お化けと歩き出す閉じたあなたとカッパの私 星々に忘れ去られた灯台で不知火とな…
横顔が寄せては返す波になり心の岸辺をさらっていった 花は白香りはたかく雲は白空はつつまれ立ちつくす白 空の下若草の上無造作に見上げた先の雲に語ろう 海を超え山越え谷越え屋根超えて季節よ巡れどこまでも行け 愛してる愛していない恋してる恋していない好きにさせてよ