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ジェンダー平等を唱える論客が皆エリートである件

低賃金・高リスクの仕事に就く底辺女性を気にかけない欺瞞

JBpressへの寄稿です。

ジェンダー連載第3回の今回は、(1)ジェンダー論を唱える勢力が主に、グローバリストで新自由主義的な思想を持つリベラルエリートであることを明らかにし、(2)日米のような新自由主義経済の仕組みを採用する諸国において、女性指導者の比率を引き上げる形で実施されるジェンダー平等は、社会や政治の最大の課題である「経済格差問題」の解決に貢献するどころか、かえって悪化させるとの仮説を示します。

米国の例を見ましょう。米労働省労働統計局のデータによれば、米国女性は労働力の46.8%、最高経営責任者(CEO)の29.3%、管理職全体の40.4%、管理職・専門職の51.7%を占めます(2020年)。民主党バイデン政権のトップダウンによる女性幹部の割合引き上げアクションや企業努力により、上層部のジェンダー平等はさらに加速することが予想されます。

ところが、女性の経営者・管理職・専門職が着実に増えてきた過去半世紀において、米国の貧富の差は拡大中です。世帯所得で上位20%が労働者収入全体に占める割合は、1968年の43%から2018年の52%へ拡大する一方、中間層と低所得層はいずれもシェアを大きく落としているのです。また、社会における所得の不平等さを測る指標であるジニ係数は、米国がG7諸国の中で最も高く、社会騒乱多発の警戒ラインである0.4を超えています。

つまり、女性エリートが躍進して「女性ならではの視点」が取り入れられても、社会の最も重大な課題は解決せず、逆に悪化する可能性があるということです。そうであるならば、メディアや世論におけるジェンダー平等の優先順位が、なぜここまで高くなるのでしょうか。

考察を試みました。ご笑覧くださいませ。

https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/64742

記事についたヤフコメです。

https://news.yahoo.co.jp/articles/e21d6585e1d6d0bea5782b7087785f83293b2fcb/comments


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