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[DIY防音に必要な知識]失敗する原因とリスクを回避するためのポイント

DIY防音で失敗する主な原因

DIY防音で失敗する原因は幾つかりますが、大半は商品を購入した時点で決まっています。

それはどういうことかと言うと、防音する場所の状況や自分の目的に適しているものが選べたか選べていないかという点です。
そのため作業をする前から上手くいくかそうでないかは大体決まっています。

なぜ失敗する主な原因が商品選びにあるのかは単純な話で、それはDIYで防音をしようとする人(考える人)がどんな人達なのかというところです。

ほとんどが専門知識のない初心者になりますよね。

そのような人達がどのように商品を選ぶのかといったら、メインは商品説明になります。
しかし商品説明とは製品の特徴や優れた点を紹介するだけなのでリスク的な事は一切書きません。
売るための説明なので当たり前の話ですが、そういう部分が初心者にとっては不親切で失敗者を生む大きな要因になっています。
嘘は書いていませんが初心者にとって本当に必要なことは書いていません。
DIY防音のカテゴリーで本当に必要なこととは知識のない人に対する説明です。
初心者がDIYで防音するというだけでもリスクがあるのにそういう説明が一切なく、逆に勘違いを誘っている内容になっています。

専門知識のない人が商品説明の内容だけで判断するのは非常にリスクが高く、間違った(適していない)商品を選べばそれがそのまま失敗に繋がることになってしまいます。

そのようなことからこの記事では、説明に書かれることのない情報や業者が教えてくれない闇の部分を書いています。
DIYだけではなく防音工事にも共通する部分もありますし、防音商品全てに言えることもあるのでユニット防音室や防音ボックスにも共通する点もあります。

専門業者に頼った場合でもレベルが低ければ適さない商品(対策)を勧められるので、そこも回避できるように詳しく説明していきます。

住宅防音という仕事を長くやってきた経験から初心者が知っておくべきことを詰め込んだ内容になっていますので、無駄な費用をかける前に是非参考にしてもらいたいと思っています。


業者が教えてくれないこと

商品説明(紹介)に書いてあることは売るために都合のいい内容になっているので鵜呑みにしてはいけない

先でも言っていますが、商品説明は初心者にとって不親切な内容であり、リスクの面の説明もなく勘違いを招くような記載をしています。
嘘ではないが売るために都合のよいことしか記載されていないので初心者にとっては余り参考になりません。

ここからは話の流れで業者の教えてくれないことや隠している(言いたくないこと)を書いて行くので、読み進めながらポイントを押さえてリスクを大幅に下げるための参考にしてください。

防音グッズと防音素材(建築資材)の違い

DIYで防音するための商品を探そうとするといろんなものが出てくると思いますが、その中には防音グッズと防音素材が混在しています

防音グッズとはDIYで気軽にできる商品でショッピングサイトやホームセンター(量販店)で誰でも購入できる商品です。
よく目にすると思いますがスポンジ系やフェルト系の吸音メインの商品がそれに当ります。
価格を見て安価に感じる人もいますが、性能の点から見れば当然の話で逆に高いくらいの商品も多数あります。
反響音(反射音)を抑え音は僅かに小さく出来ますが、音は通り抜けてしまうので注意が必要です。
原価が凄く安く販売業者により同じ商品でも価格が違うのでボッタクリ店(サイト)には注意してください。

防音グッズ
これらの商品は騒音で困っている人が使ってもほとんど意味がないものです。
基本的に音を出す立場の人が使うもので、低音域〜中音域の音(振動・衝撃を伴った音)が
大きくなるほど使う意味が薄れる(効果を感じづらい)商品。


防音素材とは防音工事に使う建築資材になります。
吸音材/遮音材/制振材/があり、建材メーカー以外の業者でも作られていて性能(特性)も様々なものがありあります。
基本は建材店で購入するものですが一部の商品はネットショップで購入できます。(建材店でも仕入れできない特別な素材もあります)
素材そのままなので価格は防音グッズよりも安いものからあります。
(防音グッズは見た目をよくするために色をつけたりするので無駄がある)
防音素材も販売業社により価格の差があるのでよく確認したほうがよいです。

防音素材(建築資材)
いろんな素材がありグッズよりも効果を出せますがDIYに向いていない素材もあります。
ロックウール 、グラスウール系は材質的に室内で使うのには不向きで、
子供やアレルギー体質の人がいるなら避けるべきです。
処分するにも産業廃棄物となり一般ゴミとして処分はできずに費用がかかります。
壁や天井内部に入れないと(詰めないと)劣化も早い。

防音効果を出すためには素材を組み合わせるのが基本

防音とは基本的に一つの素材でやるものではなく、複数の素材を組み合わせて効果を出すものです。

一つの素材(特性)だけでは防音効果が満足に出ないのは防音の仕事をしていれば皆当たり前のように知っています。
基本は/吸音/遮音/制振/防振/の性能がひとつにならないと大きな効果は期待できません。
そのようなことからDIYで行なう防音も防音素材を組み合わせて対策するほうが断然良くなります。
注意する点はDIYに向かない商品があるのと使い方になります。

・防音素材は組み合わせ方が上手ければ効果を大きく伸ばすことができます。
しかし素人ではその組み合わせを作ることはできません。
そこは各専門業者の持つ技術(ノウハウ)になるので、防音素材を使う場合は素直に相談して状況や目的に合う素材を選んでもらったほうが無駄がありません。
経験豊富でレベルの高い防音工事をしてきた業者ほど使う材料や組み合わせが上手く効果も大きいです。(レベルの低い業者は材料を使いこなせない)

・防音グッズは一つの素材を設置するだけの商品がほとんどで他の素材との組み合わせは初めから考えられていないため、大きな効果は望めないと考えるほうがよいです。(実際にそのようなものが多い)
商品を見ても吸音することを目的にしているものばかりなので、反響音対策として使うものばかりです。(遮音シートを安易に合体せた商品もあるが性能は低い)
商品の密度も特に高くはなく音は簡単に通しますし、よく目にするウレタンスポンジ などは匂いのきつい商品もあるし劣化が早いものもあります。

音を遮る能力はほとんどないので、音漏れや騒音が問題になっている場所では使わないほうが無駄をしないで済みます。
状況的に使える(効果が見込める)ところであれば積極的に使うという考えの方がよいと思います。

防音素材の役割やDIY対策でどんなものを選べば良いのかはリンクの記事を参考にしてください。


商品説明に記載された防音効果は住宅で出る効果ではない

これが勘違いを誘う闇の部分になります。(防音商品全てに言えること)


誰もが一番気になる効果の説明はグラフ/数値で示されています。
しかしその数値自体がそもそも住宅では出ない数値(効果)になっています。

グラフ/数値を見る時の注意点
比較しているグラフ①は各線が何を示しているか分かりやすいが、
商品単体の効果しかないグラフ②のような場合は注意が必要です。
注意書きが小さく見にくいような記載になっており、
効果を出した条件などを見落とす可能性があります。
例えば窓に使う防音パネルの説明でグラフ②が記載されていたとします。
しかし注意書きには9.5ミリ石膏ボードを併用した効果とあります。
窓の防音パネルには石膏ボードは使われていませんし、
窓のパネルなので併用するならガラスになります。
おかしいですよね?
これは実際にあった話なのですが、その商品を壁に貼った場合の高い効果を記載していたんです。
悪どいですよね。
そんな腐っている業者もあるので気をつけてください。

上のグラフは商品説明に記載されている防音効果(透過損失)でよく目にすると思います。
防音グッズではあまりなりないですが防音素材にはほぼ記載されていて、その商品がどれだけ音を防げるかという結果になっています。
防音グッズでは透過損失ではなく吸音率のグラフになっていることがありますが、それは透過損失で表すと防音効果がないことが分かってしまうからです)※それだけ音を簡単に通してしまうということです。

周波数Hzが音の高低(音域)で、透過損失dBが音圧(音の大きさ)になっており、低音から高音の各音域でどのくらい音を防いでいるかを確認するものです。
しかし商品説明に記載された効果は初心者にとって意味のあるデータとは言えません。
どういうことかと言うと、データは住宅で出した結果ではなく試験場で出した結果だからです。
そのため住宅とは全く異なる環境(基準)で出した結果で、実際に住まいで使った時の効果ではないからです。

試験は下図のような形で行われており、コンクリートの壁の穴に商品(素材または構造)をセットして出した結果です。

試験場の環境(設定)
セットされた商品(素材または構造)がどれくらい音を防いでいるかを試験しているので、
商品以外の他の場所からはほぼ音漏れしません。

上の図を見ればわかるように住宅の環境とは全く違った形で試験をしています。
コンクリートで囲まれた空間で音の通る場所は商品部分の1つしかありません。(窓も換気口もなく扉はあってもコンクリート製などで音漏れはしない)
そのため気密性も住宅にはない高さになるので、実際に商品を設置する際に/窓/ドア/換気口/があるだけで効果は下がってしまいます。

そしてコンクリートの部分が木造の構造になったと仮定すると、そこからも音漏れする上に計測している側に音が廻り込むことになるので効果は更に下がります。(コンクリートの方が元々の遮音性能が全然高い)

左の図は試験でセットされた商品のみで出入り口も何もない部屋を作ったような形。
右の図は住宅の既存壁の上から1面だけに商品を設置。
部分的な防音対策は音漏れ対策でも騒音対策でも天井や床からの音の廻り込みがあるので効果が下がり、建物の構造が音を通しやすければさらに下がる。

住宅には窓やドアなどの気密性の低い場所があり、それに加え対策していない面からの音廻り込みもあり部分対策では効果を削られます。
効果の削がれ方はコンクリート造と木造などのにより変わります。
一見すると既存壁の上から商品を設置しているので効果が上がるのでは?と思う人もいると思いますが、それは対策面積を増やして気密性をあげないと感じることができません。
(対策面積が大きいほど相乗効果で全体効果が上がり、対策面積が小さいほど音の逃げ場が多くなるので効果は出にくくなります)

以上の点からも分かるように、商品に記載された効果(数値/グラフ)は住宅で使うと下がることが決まっていて、その下がり具合は建物の構造や環境によって左右されることになります。

従って商品の基本性能が低ければ実際の使用で効果を全く感じないことも多々あり、それらのほとんどが防音グッズになります。
防音素材でも組み合わせをせず単体で使用すれば、同じように効果は削られ、いくら性能が高いと言っても効果は満足に発揮されません。

例えば吸音効果に優れているロックウール ボードを右図のように既存の壁1面に立てかけても、対策していない面からの音の廻り込みや建物の構造や環境により記載されている効果は出ずに下がります。
さらにただ立てかけるという方法自体も効果を下げる原因なので効果は更にに下がることになります。(騒音対策でこの方法を用いて失敗している人がかなり多いです)

以上のようなことから記載されたデータは素人だろうと誰であっても住宅では出ない効果となっているので勘違いしないようにしてください。

◉動画で効果を検証する際に気密性の高い箱を使う理由はこういうところにあります。

なぜこのようなデータを掲載するのかは基準あるからです。
その基準が遮音等級と言われるもので性能を決める指標となっています。
遮音等級Dr40で40デシベル減る性能がある製品とされても、実際の住宅での効果はそこまでないということになります。
言い換えればDr40とされる材料(構造)で作った防音室はDr40の性能がある防音室ということになり、実際はそこまでの性能はないということです。
※工事をする場合でもこの理屈を使って説明してくる業者があるかもしれないので注意してください。
防音工事をした後に効果がなくて相談にくる人も度々います。

ユニットタイプの防音室や組み立て式防音室(個室)にも同じことが言えます。


ユニットタイプの防音室
グレードにより音漏れもそれなりにある。
木造でもコンクリート造でも追加の防音対策を経験しています。
中にはユニットごと撤去をして部屋を防音した人もいます。

試験場に構造の一部を持ち込んだり独自で出した結果を元に説明しているので、実際の効果は少し下がります。
実際にピアノ/チェロ/サックスなどの音漏れが酷く追加対策をしているところも多いです。
私が現場施工をしていた頃や現在でも依頼が来て対策をしています。

理屈で行ったら上の左図のような形になりますが、試験でセットするのは構造の一部です。
実際にはパーツに分かれているものを組み立てるわけで、つなぎ目の弱い部分があったり完成してもドアや換気扇が付くこともあり効果は少し下がることになります。
組み立てる人の技量もあるので不備があった場合は必要以上に効果が下がることになります。(部屋を防音する防音施工も同じで、防音ドアの設置に不備があったり、その他の工法に不備があれば効果は下がります)

そしてこれも説明しない部分ですが、防音室は小さいほど効果が出にくいものです。(ユニットタイプの個室や組み立て式BOXだけではなく部屋も同じ)
室内が広ければ音源から壁などに当たるまでに若干音は弱まりますが、個室のような狭い空間では音がダイレクトに当たることになるため効果が出にくくなります。

そういう意味で個室防音室は思っているど期待できません。
価格に見合った効果にならないこともあるので、持ち家なら部屋の防音を検討したほうがよいかもしれませんし、賃貸なら追加対策することを頭に入れておく必要があると思います。
賃貸で下の写真のような個室防音室を使っている人もいますが、購入して後悔している人もいます。

一人用の組み立て式防音BOX
効果があまり感じられないと相談に来た人が使っていたもの。
説明にあった効果よりも実際の効果はだいぶ低い。
使用する環境にも注意が必要です。

以上のようにどんな防音商品でも記載された効果の意味は防音商品を扱っている業者なら皆知っています。(販売専門の業者以外)
それを説明に書くことはないし聞かれることもないので言わずに黙っているわけです。

初心者はそのような知識がないので記載された効果(説明)の意味がよく分からないまま購入することになってしまいます。

商品(素材)データは専門家が参考にして防音構造を作る(設計)するものであって、初心者にはほとんど参考にならない内容になっています。

これで防音初心者がデータを見てもあまり意味のないことが理解できたと思います。
グラフ/数値を見て高い低いだけが分かっても、使う場所や使い方で効果が下がることを知らないので意味もかなり薄れてしまいます。

そのようなデータよりも実際の使い方や住宅での実際の効果(目安)が必要ですよね。
そこで当店は以上のようなことを踏まえて商品ページにデータは記載せず、動画(実測)でそのままをお見せしてその時の様子を記事で細かく説明しています。
音の抜けやすい古い木造住宅で試しているのでユーザとの誤差も少なく、部屋によっては上振れすることもあります。


説明文にも注意してください

商品説明文もデータが基本になっているので注意が必要

例えば最高60デシベル減!と書いてあったとしますが、こういうところにも罠があります。

グラフの説明で少し触れましたが、音には音域(Hz)と音圧(dB)があって各音域でどのくらい効果があるのかを確認しないと正確な効果は分かりません。
そのため単に最高60デシベル減と言われてもどの音域なのかは分からないので信用に値しません。(全音域で同じ数値(60デシベル)が減るわけではない)
そんな書き方をしているなら商品の価値を疑ってください。


基本的に低音域〜中音域を減らすのは難しく、特に振動や衝撃を伴った低い音(個体伝播音)に対してはそれなりの技術が必要になります。
防音グッズでは減らせる商品はほとんどないし、減らせたとしてもほんの僅かで体感では差が分からないくらいになります。
防音素材を使っても選ぶ素材や組み合わせ方が上手くないと効果を感じるのは難しくなります。

逆に高音域は高音になるほど減らすのが簡単で60デシベルくらいなら防音グッズでも減らせます。
でも残念ながらそこに大きな意味はありません。
理由は間違った対策をしなければ嫌でも減る音域だからです。
そういうものなので100デシベル減ろうが凄いとは思ってはダメです。
減少した最高値が幾つであろうと低音域は大幅には減らないと覚えておいてください。
そして、そういう書き方をする商品や業者には十分注意してください。


効果を検証した動画にも注意が必要

ここにも闇の部分あり初心者を騙すトリックが隠されているので注意深く見る必要があります

具体的には、実験している場所(環境)と使っている機器や計測方法です。
住宅での実測でも箱を使った実験でも同じことが言えますが、
・どんな構造に商品を設置しているか。
・どこからどんな機器で音を出しているか。
・どこで音を計測してどんな計器で計測しているか。

最低でもこのへんを見る必要があります。

それほど多くはありませんが住宅での実測なら木造/コンクリート造などがありますし、部屋の大きさや階数、部屋内のどんな構造の場所に商品を設置したかを確認できなければ結果に意味がありません。
箱を使った実験も同じで、どんな箱に商品を設置してたかを確認できなければ意味がありません。

箱を使う実験では試験場と同じように気密性が高ければ効果は高く出てしまいます。(効果を大きく見せる時の手口です)
試験場のように音の逃げ場が極端に少ない実験ならば実際の効果は大幅に下がることになります。

そしてどんな機器で音を出してどんな計器で計測したかも重要です。
音を出す機器に関してはスマホや携帯スピーカー、防犯ブザーで実験しているのは信用してはいけません。
理由は、天井/壁/床/などを振動させるようなパワーのある音が出せないからです。
そのような機器を使って出した結果は空気伝播音(空気で伝わる音)メインであり、固体伝播音(振動を伴って伝わる音)に関しては何の確証もありません。
特に防犯ブザーの音は高音域なので全く意味がなく、先でも言ったように容易に減衰させられます。
それを騒音計で計測するのですから見た目ではかなりの差が出てすごい効果があるように見えてしまうだけです。(悪どい業者のやり口です)

そしてほとんどの検証動画が商品に音を当てる一方通行の実験しかしていませんよね。
それが意味するものは騒音に対しての効果を見せていないということです。

商品の設置面が振動するような大きな音を裏側から当てなければ騒音に対する効果は何も見えないので、騒音に悩む人にとっては隠し事ありの検証になっています。

騒音計は数値の変動が早い上に数値から低音域と高音域を見分けられないので簡単に鵜呑みにしてはいけません

当店が実験を行う際は騒音計と周波数計で数値(効果)を確認していてそれをそのままお見せしています。

騒音計と周波数計
騒音計のみで見た効果は単なる目安です。
人間に聞こえる音の範囲(可聴音域)は
20Hz〜20,000Hzの間になるので周波数計で効果を確認します。

検証動画も商品説明と似ていて、売り手に都合がいい結果の見せ方をしているものが多いので注意してください。

要するに、実験の環境設定を明かさないまま効果(結果)を見せているものに関しては信用する価値はそれほどないということです。
販売業者がやっていたり視聴数を稼ぐために大げさなことを言ったりしているものもあるので、そういう動画は真剣に見ても意味はないと思ってください。(他人がやっていることが自分と同じ状況でなければ真似をしても意味がありません)

そのへんのことがよく分かる動画をご覧ください。
ここまで話してきた内容の理解も深まると思います。


商品紹介は2通り存在する

商品紹介は販売業者の他にもうひとつあります。

それは、アフェリエイトで収入を得ているブロガーの記事で、これも初心者を惑わせる厄介なものになっています。
アフェリエイトとは広告をクリックさせたり、その先のショッピンサイトで商品を買ってもらい報酬を得る仕事です。

商品を探していると[効果抜群!][おすすめ10選!]や[コスパ最強!][数千円で防音室!][100均で防音!]などを見かけると思いますが、これらは初心者を呼び込むために撒いているエサです。
誰もが安く効果の高い防音をしたいと思っているのでほとんどの人が見に行くことになります。

基本的に大袈裟な内容で誇大広告と言っていいような誤情報もあり、防音の知識がなければ納得してしまうことも少なくありません。
そんなこともありアフェリエイトで稼ぐ人達の商品紹介も失敗者を生む原因になっています。
記事を書くのが仕事で文章が上手なので惑わされないように注意してください。

アフェリエイト自体は悪いことではないので知識のない初心者は気をつけなくてはなりません。
そのような人たちのサイト(ページ)で紹介されている商品は全てショッピングサイトに誘導されるのですぐに分かると思います。

冷静に考えればおかしいことに気づくのでそのへんを説明します。

まずブロガーに防音の専門知識を持った者がどれだけいるかを考えてみてください。
たくさんいると考えるのは不自然ですよね。(実際にはほとんどいません)

次に[効果抜群!]などのワードですが、何を基準に言っているのかを確認してください。(透過損失や遮音等級を踏まえているか)
そうすれば文章を書く人が勝手に言っているだけのただの客寄せワードだと分かります。
仮に効果抜群だったとしても記事中で紹介している商品の中ではという程度で見たほうがよいです。

あとは記事を書いている本人が紹介している全商品を試して(比較、検証して)いるでしょうか?
そんな手間をかけて紹介をしていたら仕事になりませんよね。
なのでそんなことをしてる人はほぼいません。

このへんを見れば専門知識を持っていない素人が商品を勧めていることがよく分かると思います。
結局は大手ショッピンサイトで買えるものしか紹介できないのでほとんどが防音グッズとなり、本当に優れた商品(防音素材)は買うことはできません。
なのでクリックしてショッピングサイトに誘導されても、効果の高い防音対策を望むなら購入しないほうが無難です。


初心者が商品を選び出すのはかなり困難

初心者が自分に適した商品を選び抜くのは難しい

ここまで読み進めてくれば分かったと思いますが、初心者が自分に適した商品を選ぶのは簡単なことではありません。
ではどうやって選べばよいか。

結論から言うと経験豊富な専門業者に頼るのが一番よい方法になります。

専門業者を頼れば建物や部屋の状況から目的に適した商品や方法がわかるので苦労せず失敗のリスクも減らせます。
防音専門となるので防音グッズを購入するよりは費用はかかりますが安心感も付いてきます。

専門業者に頼らずに適さない商品を購入して失敗した時のことを考えれば、思っているより高いものにはならないです。
現在まで多数の失敗者を見てきていますが、簡易防音工事を業者に依頼できるほどの費用を使っている人もいます。

もし失敗後に新たな対策をして成功したとしても、トータルでかけた費用でその効果を得たことになるので費用対効果を大きく下げることになります。
失敗した時の費用にあと少しだけ足しておけば1回で良い対策になっていた、という人も多いです。
そうなると費用対効果はだいぶ違ってきます。

このへんは考え方ひとつで大きな差がつくことがあるので、初心者は素直に専門業者を頼ったほうがよいと思います。

業者を頼らずにいろいろ情報を集めて学ぶ方法

時間をかけ情報を集めて知識を得ることを考える人もいると思いもいますが、かなり難しい事で初心者には無理があります。

ここまで話してきたように、初心者に対しての説明はほとんど行われていない事と、嘘や誤情報が混ざった中から良い対策方法を導き出すのは至難の業です。
もし情報が集まったとしてもいろんな場所から得たことになるので、それらを繋げても一貫性がなく纏まりのないものなってしまいます。

一貫性がある=専門業者独自の技術(ノウハウ)となるので、学ぶなら一つの場所で全て得なけれれば意味がありません。
そういった意味でネットに溢れているバラバラの情報から一つの方法を作るのはかなり難しいということになります。

[DIYで防音]と聞けば気軽で簡単にと思ってしまいがちですですが、実際には気をつける事が多く効果を出すにはそれなりの技術が必要なのです。

・ショッピングサイトで売っている防音グッズに防音の技術が組み込まれた商品がありますか?

・防音素材の説明に効果を上げるための上手な組み合わせ方(工法)が書いてありますか?

ありませんよね。

そのようなことから専門業者が存在するわけなので初心者にはなるべく頼ってもらいたいと思っています。
抱えている問題が大きい人ほど専門業者でなければ解決はできません。
まともな専門業者に相談をすれば効果の見込みも大きくなるし無駄も最小限に抑えられます。


防音の専門と名乗った低レベルな業者も存在します

専門業者と言ってもレベルの低い業者や悪どい業者も存在します。

なるべく専門業者に頼ってほしいと言いましたが、専門と名乗り酷いことをやっている業者も存在します。
効果が出ない時に後から追加でいろいろ買わせたり、対策内容が素人並のところもあります。

実際にそのような人が何人も相談にきているので、そのような業者を見極める術を紹介します。

初心者は業者選びを間違わなければ予算に見合った防音対策が出来るので、実際に相談をする時に役立ててください。

悪どい(レベルの低い)業者の考え

基本的に悪どい業者の考え方は、
DIYで自分の責任でやることだから失敗しようが知った事ではない。
即ち、商品さえ売れてしまえばあとは関係ないという事です。
このように考えている業者は実際少なくありません。
どんな業者も問い合わせてくるのは初心者だと承知しているので、悪どい業者に依頼するとカモにされることがあります。

確かにDIYなので商品を購入するのも作業するのも自己責任となりますが、それをいいことにいい加減なアドバイスをして適さない商品を勧めているところが存在します。
防音の専門と名乗っているところがそんなことをしているので相当タチが悪いです。
対策内容を見ても素人並で技術(ノウハウ)がないのも明白なので、そういった業者ができないことを説明します。

対応の違いで区別する

経験豊富な専門業者はしっかりとした技術(ノウハウ)を持っているので、対応の幅が広いです。
住宅防音は工事もDIYも同じで、建物の構造/内部構造/間取り/立地/予算などを考慮して目的に合った対策方法を考えます。
そのためレベルの低い業者は工法にレパートリーがなくお決まりのワンパターンな対策方法しかありません。(防音グッズも同じ)
それは販売されている商品を見てもわかります。

ただ貼るだけ/ただ立てかけるだけ/のような方法はその後に変化を加えて性能(効果)を上げることができないので、失敗したらその時点で終わりになってしまいます。
特に素材を立てかけて突っ張り棒で押さえるやり方については、賃貸で方法が限られる(賃貸契約上なにもできない)場合の苦肉の策となり、騒音対策ではかなり効果が削られる方法となります。

あとは素材の性能だけに頼った対策しかできないところも大したことはできません。
先でも言っていますが、いくら性能が高い素材でも使い方を間違えれば効果は下がります。
(素材の特性を活かし相性の良い他の素材と組み合わせる技術を持っていない)
それに伴い素材の数(ラインナップ)が多すぎるのは素材の組み合わせが確立していない怪しさがあります。
(効果を大きく伸ばす素材の組み合わせが確立していれば、防音工事でもそれほど種類は必要になりません)

しっかりとした技術(ノウハウ)を持っていればで、無駄なく効果を出せるのでだいぶ違いが出てきます。

そこで当店の対応のしかたを紹介します。
当店を基準にしろとは言いませんが、実際に業者に問い合わせた時に照らし合わせてレベルを測ってもらえればと思います。

当店の対応

当店は相談者がどんな目的で防音するにも以下のことを質問します

・建物は木造or鉄筋コンクリート(RC造)または鉄骨造などか。

・持ち家(戸建/分譲)or賃貸なのか。

・防音する部屋は何階になるのか。

・隣家は存在するのか。(隣接している家はあるのか)

・防音する場所の構造と素材

・間取りを手書きか図面でもらう。

・間取り(図面)と照らし合わせられるような写真を送ってもらう。

・対策する場所の写真を送ってもらう。

当店が問い合わせを受けた時は、初めに以上のことを質問して返答をもらいます。
これらを聞く理由は現場調査で相談者のお宅に直接伺えないためで、情報をもらわなければ住まいの状況を分析できないからです。
住まいの状況を分析しなければ適した対策案が出せないので上記の情報は必要不可欠になります。

防音工事に限らずどんな工事でも、まともな工事をした事があるなら現場調査は基本中の基本です。
私も防音工事をしていたときには毎回相談者のお宅に伺って調査をしていました。

当店は相談者の住まいを調査をしてから対策を立ててお客さんに内容を説明しています。


ここでいろいろと対策方法を考えた結果、当店の持っている技術で対応できないような時は、持ち家/分譲なら工事を勧める、賃貸なら対策を見合わせるように勧めています。
(効果の見込みがなければ無理に対策をさせるようなことはしていません)

対策方法(レパートリー)の提案と説明

住まいの状況を分析した後に予算などに応じて数パターンの対策方法を考え、その対策にどんな意味があるのか、どうしてそのような形で対策する必要があるのかなどを相談者に詳しく説明しています。
その説明は言葉だけで行うだけでなく、もらった写真や簡単な図面を作成して伝えています。
構造的に問題があったり施工のやりようがない(施工方法が限られる、甘くなる)場合は隠さずに全て伝えています。

初心者に言葉だけで説明をしてもなかなか理解できなし不安もあると思うので、当店では簡単な図面を作成して相談者が理解しやすいように対策案の内容を説明しています。


使う道具の説明

対策することが決まれば道具などの説明もしています。
自身の経験から初心者でも使いやすいものを厳選して、メーカーや数量なども伝えて用意してもらっています。

道具なども初心者には分からないことが多いので全て指定する形で揃えてもらっています。
当店で揃えると無駄な経費がかかりお客さんの負担を増やすことになるので、自身で用意できるものについては販売していません。


専用の説明書を作りとアフターフォロー

お客さんがが違えば住まいも対策方法も違うので、そのお客さんに合わせた専用の説明書を作って商品と一緒に送っています。

分からない点などあればその都度連絡をもらって解決していくのでアフターフォローもしっかりとしています。
お客さんはほとんどが初心者なのでとにかく失敗させないように務めています。

各お客さん専用の説明書を作りアフターフォローもしています。
時にはリモートでレクチャーしています。
お客さんはDIY未経験の女性がほとんどですが施工が完了できなかった人は1人もいません。

いろいろと書きましたがポイントは商品を勧めてくる前の段階で、現場調査をしっかりやってくれるかという点になります。
・現場調査は何をする上でも必要なので、どの程度住まいについて聞かれるか。
・その上で出てきた対策方法についてどれだけ詳しく説明をしてくれるか。
(勧められた商品でどう対応するのかなどをきちんと説明があるか)
このへんに注目してください。

いきなり商品を勧めてくるようなら住まいの分析能力はなく危険
ということです。
その業者お決まりの商品なら大した説明はなく購入後は全員同じ説明書で施工することになると思います。
そうなるとアフターフォローがあるのかないのか先にチェックしておかないとなりませんね。

問い合わせ後に商品を勧められるまでに現場調査の質や対策案で違いが分かのるで、数社へ問い合わせをすれば良い業者は判断できると思います。
対応の差は経験の差なのでサポート力にも違いが出ます。

◉少しでも不安があったらその業者で対策するのを見合わせればよいだけです。

当店以外で道具の細かい説明や各お客さん専用の説明書を作っているところがあるかは知りませんが、初心者に対する対応に必要と思いやっていることなので少し紹介しました。


自分の都合に良い情報ばかりを集めようとしない

他人の成功例や口コミの良い評価ばかりを見ても意味がない

これは商品を探すときにやりがちな行為です。
良さそうな商品を見つけると集中的に調べていくと思いますが、そこで他人の口コミや成功例ばかり見る(探す)のは良いことではありません。

口コミは操作をしようと思えばできてしまうし、成功例も自分の住まいとは状況が違う場合も多いので注意しなくてはなりません。(動画も同じ)
それが悪いとまでは言いませんが、それをするなら逆に失敗に関する情報にも目を向けてください。

そのほうが成功への近道だったりもします。

失敗についての情報を多く持っている方が知っていることも多いです。
当店も他社が失敗した防音工事のやり直しやDIY対策のやり直しを何度もやってきているので、どこが駄目でどんな商品を使って駄目だったなどもよく知っています。

業者を選ぶにも商品選びから入っていくことのほうが多いので、偏った物の見方は禁物です。
業者に問い合わせをする時はフラットなラインから比較するようにしてください。

実際に失敗した人に関する記事のリンクを貼っておきますのでそちらも参考にしてください。


最後に

いろいろと書いてきましたが、業界が初心者に優しくない事とDIY防音対策で高い効果を出すのは簡単ではないことが分かってもらえたと思います。
特にDIYの分野は防音専門と言えどユーザー目線でやっているところがほとんどないのでこの記事が活きてくると思っています。

ここでおさらいという意味でポイントをまとめておきます。

♦︎商品選びで対策が成功するか失敗するかが決まる。
失敗する一番大きな原因。

♦︎DIY対策で使える商品は防音グッズと防音素材(建築資材)がある。
防音グッズはショッピングサイトや量販店で誰でも買える吸音メインの商品で、防音素材は工事に必要な建築資材。
できるだけ高い効果を望むなら防音グッズよりも防音素材を組み合わせて使ったほうが良い。

♦︎商品説明には売り手に都合のいいことしか書かれていない。
効果の数値/グラフは実際に住宅で出るものではなく試験場で出た結果であり住宅で出すことはできない。
説明文もそれに準じて書いてあるだけで防音の知識がない初心者にはあまり参考にならない。

♦︎効果の検証動画を見る際は実験の設定環境がきちんと明かされているかを確認する。
音を出す機器や計測している計器にも注意してどういう条件で出した結果なのかをしっかり見るようにする。

♦︎大袈裟なワードで商品紹介をしている記事に注意
[効果抜群!]などのワードで紹介されている商品はアフェリエイトで収入を得ている防音の専門知識のない人達の記事。
記事を書いている本人が専門知識を持っているわけではないし、実際に商品を使って試していることはほとんどない。

♦︎業者を頼るときには業者のレベルを見極める
現場調査(建物や部屋を調査)をして状況をきちんと分析してくれるのか。
分析によりどんな対策を提案しその対策内容についてきちんと説明してくれるのかを見る必要がある。

♦︎自分に都合の良い情報ばかり集めない
DIY防音対策の失敗についての情報にも目を向ける。
偏った見方はせずに横一線から比較する。

以上のことをを参考にすれば大きな失敗はないと思っています。

●商品説明(数値/グラフ)
●都合の良い検証動画
●素人の商品紹介(ブロガーの記事)
●レベルの低い悪どい業者
これらに惑わされないように十分注意してください。

自分の状況や目的に合った納得のいくDIY防音対策ができるよう心から願っています。

防音工房-shin-真


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