楽しいBARタイム【入門編】

 どーも、乙楽です。
 先日、久々に都内のBARで楽しいひとときを過ごしました。美味しいお酒を肴に、のんびりと過ごす時間はいいものですね。もちろん、楽しんだ分のお財布は若干薄くなるので、そうそうは行けませんが。
 今回に限らず、そんな内容を私がXでポストするたびに「行ってみたいけど…」「カッコよく飲みたい…」などのリプがちらほら散見されます。そういうことなら、ちょっとまとめてみますか、ということで。
 今回のテーマは「BARタイム」です。
 とはいえ、いきなりディープな話をするのも何ですから、「店に入って飲んで帰る」の基本的なところから話して参りましょう。
 一つだけご注意。この先の話は乙楽の主観が多分に入っています。くれぐれも絶対視はせず、「なーほーね」くらいに受け止めてくれれば幸いです。

1.店を決めよう
 さて、BARといっても様々な種類があります。それもそのはず、現在の日本では「居酒屋」を英訳したかのように捉えている節がありまして、ちょっとお洒落な、お酒の飲めるお店に「BAR」と名付けるようになっています。長くなるので、定義の話は割愛します。
 そんな中、恐らくですが、私のポストで皆さんが思い浮かべるイメージは、こんな感じではないでしょうか。

 『薄暗い照明、一枚板の重厚な、良く磨かれたカウンターに向かい、空いたスツールに腰掛ける。客の入りはバーカウンターと数箇所のボックス席を含めて半分ちょっと、といったところか。
 数々の銘酒が整然と並ぶ棚を背に、黒のベストにネクタイを締めたバーテンダーがシェイカーを振る。小気味良い音と、幾分抑えた、しかし感情が隠しきれない会話の数々が耳に入る。
 目の前にカクテルグラスが音もなく置かれた。淡い照明に照らされたグラスの輝きと、ピンと張り詰めたような透明感の中にカクテルがたゆたう。
 グラスを手に取り、目の高さに掲げる。乾杯。』

 はい、私がよく行くお店を、最大限カッコよく描いてみましたが、イメージは概ねこんな感じだと思います。
 こちらの形態のお店は一般的に「ショットバー」もしくは「オーセンティックバー」と呼ばれるものです。ウィスキーやワインなどの洋酒と、お腹が一杯にならない程度の食事が楽しめます。
 こんなお店に行きたい場合は、「オーセンティックバー ◯◯(地名)」で検索すればだいたいヒットします。見つからなければ検索ワードを「ショットバー」に変えてみてください。そして、今は検索の流れで内装の写真やメニュー、予算なども調べることができますから、見比べてピンときたお店をチェックすれば下調べは終了です。

2.お店に入る前に
 ただお店に行ってお酒飲むだけなのに、項目立てるほど事前準備が必要か、と言われればそれまでですが、あえて経験談と自戒を含めて書いています。
 お店に入るにあたっては、一万円ほどの現金とクレジットカードの両方を用意しておいた方がいいですね。ごくたまにクレジット機材が故障するなどのトラブルがあるので、万一の備えはしておきましょう。
 服装は、初めて入る店なら襟付きシャツにスラックス、女性なら華美になり過ぎず、肌の露出を控えた服装あたりが無難です。
 え?ドレスコードがあるの?とお思いの方、ご安心ください。ごく一部の例外を除き、ドレスコードは存在しません。これはマナーの一つだとお考えください。
 基本的にBARタイムを楽しむときは、主役が自分でバーテンダーやお店のスタッフが脇役、その他は背景です。さっき私が書いたイメージ、そこにサンダルをパカパカ鳴らした短パン姿のおっさんや、目のやり場に困るような服装の女性がいたら、背景になり得ませんよね…。
 お店に来るお客さんは、自分が主役であると同時に、他者の背景でもあります。目立ち過ぎないということも、一つの舞台演出ですよ。
 最後に、極端にお腹が空いている場合は、軽く食べておくことをお勧めします。理由は後ほど説明します。

3.お店で飲もう
 さて、店に入りました。一人で行く場合は、お店側は概ねカウンター席に案内します。メニューとおしぼりが出されて、一息ついたタイミングでカウンターの向こうから声をかけられます。
 「ご注文は?」
 右も左も分からない状態でそんなん言われても…と思いながら慌ててメニューをめくりますが、何を最初に頼めばいいか迷うばかり。
 そんなときの注文方法はこれ。

 「お勧めのものはありますか?」

 この一言で大丈夫です。お店任せかよ!と思う方、もうちょっとお聞きください。
 これを聞いた店員は必ず味の好みを聞いてきます。甘い、酸っぱい、苦手なもの、アルコールの強さ、炭酸の有無…。そうすればしめたものです。
 ぶっちゃけた話、聞く相手はお酒のプロフェッショナルです。毎晩、様々なお客に対して、様々なお酒を出しています。その膨大な経験とデータベースから、あなたに合う最高の一杯を選択していくわけです。
 裏を返せば、お酒を作るバーテンダーはあなたの好みやアレルギーなどの情報を、何も知りません。ですから必ず好みやNGなものを聞いて情報を集めるわけです。
 では最初から好みを伝えておけばいいかというと、それはちょっと焦りすぎ。お勧めをお願いされれば、バーテンダーは得意なもの、自信のある一杯を作ってくれます。お客として、これに乗らない手はありませんよね。
 そういうやりとりを経て、目の前に置かれた一杯を楽しめば良いわけです。

 半分ほど飲んで落ち着いたら、ここでようやくメニューを開きます。様々なカクテルやワイン、ウィスキー、ブランデーなどなど、様々な飲み物や軽食が並んでいることでしょう。また、ここでお店の飲み物の相場を確認しておくと、飲み進めるにあたって計算がしやすくなります。
 この後は、メニューで気になったお酒を店員に聞いたり、他のお勧めを聞いたりしながらのんびり楽しみましょう。間にツマミを頼むのもいいですね。

 もし、想定より高かったり、お勧めされた一杯が合わないな、と思ったら、素直に一杯で帰るのも一つの手です。損切りは見極めが大事ですし、そもそも楽しむために来ているのですから、違和感や居心地の悪さを感じたら、退散しても何の問題もありません。堂々とお会計して帰りましょう。

4.スマートに帰ろう
 よく聞かれるのが、BARの帰りどきはどのあたりが頃合いか、ということです。私はいつも、こう答えます。
 「酔いを意識したら帰りどき」
 BARに限らず、お酒を飲む場は楽しむ場所であって、酔っ払うための場所ではありません。とりわけBARはその傾向が強くなります。主な理由は以下の二つです。
・単価とアルコール度数が高い
・味覚や嗅覚が鈍る
 BARのお酒は総じて一杯あたりの単価が、普通の居酒屋と比べて高い傾向にありますので、決してお財布に優しいとは限りません。
 また、絶対的にアルコール度数が高い飲み物が多く、かつ冷やされた状態で提供されますから、酔いを自覚するタイミングが普段の飲み方より遅くなりやすいです。

 例えば、私が好きなカクテルにマティーニというものがありますが、これは頼み方次第でアルコール度数は40%近くになります。それがキンキンに冷やされて出てくるわけです。そんな飲み物を、下手をすれば3〜4口で飲んでしまいます。一杯でのアルコール度数は缶ビール一本、日本酒一合よりも多い計算になりますから、飲み方次第では本当に危険なお酒なんです。
 ちゃんとしたBARであれば、バーテンダーや店員がそれとなく追加オーダーを思い留まらせようとするでしょう。でも、できればその手前で自覚したいですよね。

 もう一つは、酔うと共に香りと味を感じる力は弱くなります。これでは折角の美味しいお酒が勿体無いことになります。できることなら、ちゃんと味わって飲みたいですよね。

 この二つをふまえますと、総じて酔いを自覚したら帰った方が良い、ということになります。
 そうそう、先ほど、お腹が空いた状態なら何か食べた方がいい、と言った理由もここにあります。空きっ腹で強いお酒を飲むと、それだけ酔いの回りは早くなりますし、悪酔いする可能性も高まります。危険回避のため、空腹は避けましょう。

 お会計を済ませたら、あとは帰るだけ。
 「ごちそうさまでした」
 と店員さんに挨拶して、サクッと帰りましょう。

5.最後に
 …とまぁ、こんな感じでBARタイムを過ごしてみました。如何でしたか?最初は緊張してしまうのでくつろいで楽しむ、とはいかないかもしれません。
 ですが、「居心地が悪くない」「次もまた行ってみたい」と思ったなら、BARタイムを楽しめる素質はあると思います。次の機会まで飲み代を確保しておき、再度楽しんでみてください。

 最後に、これだけは注意。
 先ほど書いた通り、BARではお客みんなが主役で、自分以外のお客は背景です。他のお客にはあまり干渉せずにいた方が身のためです。
 特に、隣に座った女性がいくら好みのタイプであっても、声をかけるのは「一旦」我慢しましょう。何故かは、いずれ書く第二弾でご説明します。

 ひとまず、今回はここまで。
 いつになるかは不明ですが、次回もよろしくお願いします。

 

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