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12月13日、現代音楽というフレームを越えてしまう!ロミテッリのヴィデオ・オペラ『金属の索引』。

フィオナ・モンベの指揮、アンサンブル・ミロワール・エタンデュの演奏、リンダ・オラー(ソプラノ)の歌で、ロミテッリのヴィデオ・オペラ『金属の索引』。
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フランス国立音響音楽研究所、IRCAMで研鑽を積んだ、イタリア、現代音楽、夭折の鬼才、ファウスト・ロミテッリ(1963-2004)。その死の前年にあたる、2003年の作品、ソプラノ、アンサンブル、複数のプロジェクションとエレクトロニクスによる、ヴィデオ・オペラ『金属の索引』。

IRCAM仕込み、ロミテッリならではの、ふんだんにエレクトロニクスを用いての、独特な風合い... 始まりの、ブゥーンーーーというテープが再生される音の、ノスタルジックでどこか甘いサウンドに、すでに幻惑!いや、時空が歪むような、異世界へと迷い込むような、オペラというよりサウンド・スケープ?てか、現代音楽というフレームを越えてしまう!

スペクトル楽派としてのスペイシーさ、ノイジーさ、様々な音響を巧みに用い、シーンを織り成して... そこに、思い出したように、フっとソプラノが歌い出す... まるで、アヴァン・ポップのように!かと思えば、エレキ・ギターによるリフが、ロックの様相も呈し... いやもうこの掴み所の無さたるや!けど、揺さぶられるのです。得体のしれないポエジーに... 

そんな、凄い音楽を聴かせてくれた、モンベ+アンサンブル・ミロワール・エタンデュ!一筋縄にはいかない音楽を、見事、捌き切って、鮮烈に、雄弁に、シーンを描き上げる!ヴィデオ・オペラではあるけれど、音で映像を喚起できています!で、オラーのソプラノが、またミステリアスで、魅力的... しかし、凄い音楽です。

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