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10月9日、安っぽい癒し系ちゃいます!これは、クラシックが本気出して癒すやつ... "FROM AFAR"。

アイスランドの異才、ピアニスト、ヴィキングル・オラフソンが、バッハから現代まで、幅広い、厳選のナンバーで綴る、ヒーリング・アルバム、"FROM AFAR"。

バッハ、モーツァルト、シューマン、ブラームスの王道に、バルトーク、クルターグというハンガリーの作曲家がアクセントを加え、さらに、オラフソンの故国、アイスランドの作曲家、カルダロン(1881-1946)に、シガー・ロスのヴォーカル、ビルギッソンによるアイスランド民謡など、こだわりの選曲で綴られる、オラフソンの"FROM AFAR(遠くから)"。

で、さらなるこだわりが、まったく同じ曲構成のものを、グランド・ピアノとアップライト・ピアノを用い、2度録音すること(よって、2枚組... )!普通、こんなことしない... けど、やっちゃう、異才... いや、クリアなグランド・ピアノによる結晶のような"癒し"と、温もり感じさせるアップライト・ピアノによる夢見るような"癒し"、この展開が、魔法...

澄んだ響きで癒してくれた後、温もりいっぱいで滲むような響きが夢の世界へと誘ってくれる、"FROM AFAR"、遠くから... そう、遠くから響いてくるようで、遠くへと連れ出してくれるような... 近頃の異様な世の中を思うと、この遠い感じが、沁みるのです。沁みて、一時、この世のドス黒さ、忘れさせてくれるのです。忘れて、無垢へと還るような...

という、本物の癒し、聴かせてくれた、オラフソンに感服。いつもながらのクリアなタッチと、嫌味の無い詩情をさり気なく盛り込み、現代にフィットした響きで、癒しを必要とする現代の聴き手を包んでくる。その考え抜かれたやさしさたるや!何より、賭けとも言えるグランド・ピアノとアップライト・ピアノの弾き分けを見事にやってのけ、その2つがあってこその世界観に惹き込まれた。

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