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3月28日、チェンバロでスウェーリンク、めくるめく変奏曲!もう夢の国に迷い込むよう!

イタリアのチェンバリスト、ファビオ・アントニオ・ファルコーネが弾く、ルネサンスからバロックへの移行期のオルガンの巨匠、スウェーリンクの、歌と踊りによる変奏曲の数々... "The Art of Variation"。
CHALLENGE CLASSICS/CC72926

ルネサンスの大いなる実りを、17世紀、ドイツ・バロックの大家たち(バッハの登場を準備する... )へとつないだ、オランダの偉大なオルガニスト、スウェーリンク(1562-1621)の、世俗的な歌と踊りによる変奏曲の数々... 大公の舞踏会(SwVW 319)、フィリッピのパヴァーヌ(SwVW 329)、わが青春の日は既に過ぎ(SwVW 324)、緑の菩提樹の下で(SwVW 325)、私はライン川を渡る(SwVW 322)、スペインのパヴァーヌ(SwVW 327)、そうでなくては(SwVW 330)、もしも運命の女神に愛されるなら(SwVW 320)、マルスの神(SwVW 321)、涙のパヴァーヌ(SwVW 328)、愚かなシモン(SwVW 323)、アルマンド・グラティエ(SwVW 318)、という12曲をチェンバロで...

いや、オルガンのイメージの強いスウェーリンク、チェンバロで聴くのが、思いの外、新鮮!何より、オルガンでは味わえないチェンバロの軽やかさ、キラキラとした響きが、キャッチーな歌とリズミカルな踊りを引き立たせ、またそれらが変奏されてゆけば、もう夢の国に迷い込むよう!一方で、スウェーリンクの音楽の充実も際立ち... ルネサンス・ポリフォニーを整理し、しっかりと構築される対位法の明快さに感服。で、その明快さには、スウェーリンクが目敏く学んでいた、当時、最新のイタリアの理論も反映されているのだろう... "南"を思わせる明るさが全体を包み魅惑的!

そんな、"The Art of Variation"を聴かせてくれた、ファルコーネ。まず、1632年製、ルッカ―スのチェンバロ(1745年にフランス仕様に改造されている... )の響きが得も言えずジューシーで、魅了される!で、そのジューシーさを、イタリアのチェンバリストならでは?ファルコーネの朗らかなタッチで捉えれば、スウェーリンクの音符、ひとつひとつが光を放ち、変奏は、まるで万華鏡のよう... いや、エレクトリカル・パレード味あって、何気にポップ!惹き込まれる!


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