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5月4日、"コンプリート・オリジナル・ヴァージョン"というボレロ?!ラヴェルは、まだまだ新鮮に響く!

ジョン・ウィルソン率いるシンフォニア・オブ・ロンドンによる、オーケストラの名曲としてではなく、バレエ音楽としてのオリジナルに立ち返る、ラヴェルの『マ・メール・ロワ』と『ボレロ』!
CHANDOS/CHSA5280

"コンプリート・オリジナル・ヴァージョン"と銘打ってのバレエ『マ・メール・ロワ』、バレエ『ボレロ』をメインに、ラ・ヴァルス、道化師の朝の歌、亡き王女のためのパヴァーヌ、『高雅にして感傷的なワルツ』が取り上げられる、ラヴェルのオーケストラ名曲集。で、興味を引くのは、バレエとしての『ボレロ』!なかなかに刺激的でした。

あの有名なボレロ、繰り返しの音楽だけに、"コンプリート・オリジナル・ヴァージョン"なんて勿体ぶったところで、変わり様ないんじゃ... と思ったのだけど、何だろう?この感覚... 軽やかで、踊ることを意識した音楽... そうか、コンサート・ピースではなくバレエ音楽だったんだなと... いや、そういう枠組みからも自由になるような真新しさもあるか?

細かいを音を丁寧に拾いつつ、その全てをいい具合にライト(英国流?)に響かせる、ウィルソン+シンフォニア・オブ・ロンドン。彼らの次世代感が、聴き知ったボレロのイメージを解き解し、クラシック云々に捉われない、何物でもない音楽へと昇華する。そんなボレロがシンプルにカッコいい!いや、あのボレロも、まだまだ新鮮に響く驚き。

で、ボレロのみならず、他の作品も、魅力的で... 安易なフランスっぽさに流されない、イギリスを意識させる瑞々しさと、ポップさ!21世紀のラヴェルだなと... てか、ラヴェルって、21世紀においてもなお、古さ、感じないじゃないか!とか、今さらながらにラヴェルの音楽の凄さに気付かされた。そして、惹き込まれた!

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