3月5日、シュタイアーの平均律、第1巻、聴き進めれば聴き進めるほど、初めて聴くような感覚を覚える不思議...
鍵盤楽器の鬼才、アンドレアス・シュタイアーが、1734年製、ヒエロニムス・アルブレヒト・ハスのチェンバロ(レプリカ)で弾く、バッハ、平均律クラヴィーア曲集、第1巻。
harmonia mundi/HMM902680
バッハの定番中の定番である第1巻に隠れて、普段、あまり目を向けることのなかった平均律クラヴィーア曲集、第2巻... その第2巻から聴かせてくれたシュタイアー!で、もうね、目から鱗でした。こんなにも多彩だった?!自由だった?!と... 今さらながらにその魅力(第1巻を越えてゆくのかも... )に気付かされての、第1巻です。期待せずにはいられない!
と思ったら、いきなりのバフ・ストップを使って、一癖あるトーンで、平均律の顔、1番の前奏曲を飄々と弾いてしまう... あの清流のような前奏曲が、聴き慣れない姿で現れて... いや、期待する通りには持って行ってくれないのが、鬼才、シュタイアーだったなと、のっけからムムムとなる。が、そうして始まってこそ、その後の壮大さ、際立つのかも...
いや、番号が進むにつれ、チェンバロのスケールを越えてしまうような壮大さが生まれてゆく展開、さすが!何より、聴き馴染んでいるはずの第1巻が、聴き進めれば聴き進めるほど、初めて聴くような感覚を覚える不思議... 鍵盤楽器の聖書とまで言われる曲集を、ひょいと瑞々しい物語に刷新する鬼才の突破力、凄い。
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