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11月7日、それは、ナニモノでもないラフマニノフ... ウィルソン+シンフォニア・オブ・ロンドンの密度とライトさが生むニュートラル、最高!

今、一番、気になるチームかも... ジョン・ウィルソン率いる、シンフォニア・オブ・ロンドンの演奏で、ラフマニノフの「死の島」、ヴォカリーズ、3番の交響曲。

象徴主義の画家、ベックリン(1827-1901)の『死の島』にインスパイアされ作曲された、交響詩「死の島」(1909)で始まり、お馴染み、ヴォカリーズ(1915)の、作曲家自身のアレンジによる声無しオーケストラ版(1919)、そして、3番の交響曲(1935)、という3作品... 作曲家、ラフマニノフの、骨太な面をしっかりと聴かせてくれる作品とアレンジ。

さて、ラフマニノフ(1873-1943)は、ラヴェル(1875-1937)と同世代であり、ストラヴィンスキー(1882-1971)とは9つしか歳が離れていない... つまり、20世紀を生きた作曲家である。が、とにかく、その音楽、ロマンティック... いや、まさにオールド・ファッションだったわけで... 20世紀というフレームから見つめると、軽く見られがち?しかし、改めて聴くラフマニノフのオーケストラは、しっかりと中身が詰まっているなと...

その仄暗さからは象徴主義も垣間見れる、「死の島」の確かな聴き応え、けして安易なロマンティックで終わらない、複雑さも見せる3番の交響曲のおもしろさ、何気にラフマニノフのオーケストレーションの妙を知るオーケストラ版、ヴォカリーズ... いや、オリジナル以上にこの作品のメローさ引き立てるのかも... と、いろいろ再発見を促される。

で、再発見して、見えてくる、これまでとは一味違うラフマニノフ像。何と言うのか、ナニモノでもないラフマニノフを体験させてくれる、ウィルソン+シンフォニア・オブ・ロンドン... 彼らならではの密度が、ラフマニノフのオーケストラの魅力をしっかりと引き出し、一方、彼ららしいライトさも効いていて、映画音楽のような雰囲気のある表情で彩り、聴く者を魅惑してくる。そうして、ナニモノでもなくなるような... 既存のジャンルからは切り離された場所で響き出すニュートラルなラフマニノフ。イメージに囚われず、最高に楽しめた。

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