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3月29日、親世代、子世代を並べる興味深さ... テレマンとローレのオラトリオ『解放されたイスラエル』。

ピーテル・ファン・ヘイヘンの指揮、ベルギーのピリオド・オーケストラ、イル・ガルデリーノの演奏、ミリアム・フォイエルジンガー(ソプラノ)らの歌で、バロックの巨匠、テレマンと、ポスト・バロック、ローレ、それぞれのオラトリオ『解放されたイスラエル』。
passacaille/PAS1132

ドイツ中部の街、マクデブルク出身で、やがてハンブルク市の音楽監督として名声を誇った、大バッハ(1685-1750)の友人にして、その次男、カール・フィリップ・エマヌエル(1714-88)の名付け親、テレマン(1681-1767)のオラトリオ『解放されたイスラエル』(1759)と、マクデブルクで育ち、2歳年上、カール・フィリップ・エマヌエルが活躍したフリードリヒ大王の宮廷にて、ヴァイオリン奏者、ヴィオラ奏者として研鑽を積み、やがてマクデブルク市の音楽監督となった、ヨハン・ハインリヒ・ローレ(1716-86)のオラトリオ『解放されたイスラエルの人々』(1764)の2作品... マクデブルクに所縁のある2人の作曲家の、同じ台本による作品を並べる興味深さ...

親世代(テレマン)と子世代(ローレ)による、同じ台本による2作品が並ぶことで、それぞれの音楽性が強調されるのがおもしろい!盛期バロックの大家、テレマンは、いつもながらキャッチーでポップ!一方、ローレのポスト・バロックの明朗な音楽は、古典派を先取りする花々しさに彩られ... が、両作品の作曲年代を丁寧にみつめれば、テレマンが1759年、ローレが1764年と、ほぼ同時期(テレマンの初演に至っては、その死後、1767年で、ローレの3年後... )。ということで、テレマンにも、ポスト・バロック感、漂い始めていて、単なる親世代、子世代の対比に終わらない、親子を繋ぐ流れを浮かび上がらせて、唸ってしまう。で、両作品とも魅力的!

という、2つの『解放されたイスラエル』を聴かせてくれた、ヘイヘンが指揮するイル・ガルデリーノ!手堅くも実に軽やかで、朗らかな演奏、大都会、ハンブルクの花やぎ、ポスト・バロック世代の明朗さ、存分に味合わせてくれる!歌手陣も、そんな演奏に乗って、花弁が舞うような歌声を聴かせてくれて、魅了される!いや、バロック、ポスト・バロックを越えた、18世紀のラヴリーさ、解き放つようで... もうね、春本格化の今日この頃の気分にぴったり過ぎる!

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