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8月21日、スティルス・ファンタスティクスの魔法!改めて、ビーバーの稀有な音楽に魅了された。

スペインのピリオド系ヴァイオリニスト、リナ・トゥール・ボネと、彼女が率いるピリオド・アンサンブル、ムジカ・アルケミカの演奏で、ビーバーのヴァイオリン・ソナタ集。

ビーバー(1644-1704)が、気鋭のヴァイオリニストとして活躍(ひっぱりだこでした... )していた頃、8つのヴァイオリン・ソナタ集(1681)から4曲、3番、5番、1番、6番。ザルツブルク大司教の楽長に就任(1684)し、皇帝から貴族の地位までいただいてしまった頃、『技巧的で楽しい合奏音楽』(1696)、2本のヴィオラ・ダモーレのためのパルティータ、7番を取り上げる。

まず、ヴァイオリン・ソナタ!ビーバーならではのスティルス・ファンタスティクス(イタリアの影響を受け、ドイツ語圏の作曲家たちが用いた自由な形式、幻想様式... )が、もう魔法!ソナタではあるけど、ヴァイオリンの即興的な姿勢が、よりナチュラルに音楽を紡ぎ出していて... このナチュラルさが、何だか現代的なのだよね... 改めて、ビーバー、おもしろい...

一方、2本のヴィオラ・ダモーレのためのパルティータ、7番は、トリオ・ソナタ(通奏低音を従えた2トップでの演奏... )を思わせる編成となり、より構築的。で、そこから生み出される重厚感(ヴィオラ・ダモーレの懐の深い音色もあるか... )!その重厚感に、また独特な味わいを響かせるのがビーバーの稀有なところ... 聴いていると、なぜか懐かしく感じられ、不思議...

という、ビーバーを聴かせてくれたトゥール・ボネ+ムジカ・アルケミカ... まず、トゥール・ボネのヴァイオリンの鮮やかさに圧倒され、ヴィオラ・ダモーレに持ち替えてのパルティータでは、迫力も聴かせ... そのトゥール・ボネを支えるムジカ・アルケミカが堂々たるもので、ソロとの息の合った演奏に魅了される!

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