バラードA|08. 肩レンタル
夕暮れ 駅のベンチで 人生 つぶしていると
スーツ の知らない男 突然 声をかけてくる
すみません 恐縮です 肩借りてもいいですか
肩レンタルのサイトで あなたを見つけまして
そんなものに登録した
覚えなんてないけれど
どうぞ 肩をさしだす 男は 頭のせたりせず
ベンチ のうしろから 突然 両肩に飛びのる
すみません そのまま 立っていただけますか
じつは一身上の都合で 会社をやめてきまして
しかたなく立ちあがる
興味なんてないけれど
こうして駅のホームで
ぼくは