焼きいものがたり11 翌日
昨日の絶望も少し和らいだ
時が解決してくれることは多い。
一週間前に自分が何を悩んでいたかすら覚えていないものだ(私だけかもしれないが)
まあ良い、今日はゆっくり出来る。
「🍠に会いに行こう」
そう思った時にはもう玄関を飛び出している。
紅はるかが売っているお店に行くか、紅まさりが売っているお店に行くか
まあ方向は同じだ。ゆっくり考えながら歩こう。
「うーん、今日は甘くてねっとりした🍠が食べたいわけではないな。
しっとりしていながら噛み応え、食べ応えがある紅まさりにしようかな。」
結局、紅まさりが売っているお店に入った。
次の瞬間、奇跡が起きた。
私がお店に入った瞬間、🍠が焼きあがったようだ。
「焼き立てが食べられるなんて、最高!!!!」
私はマスク越しからもわかってしまうくらい口角が上がってしまっている。
このままでは、店員さんや、周囲の人々から不審がられてしまうかもしれない、しかし、抑えることはできない。
私はすぐさま、焼き立ての🍠をレジに持っていき、購入した。
まだ、顔のゆるみが戻らない。だが気にしている余裕はない。
お店の外に出て、すぐさま🍠を頬張った。
「美味しいーーー!!!」
最高であった。本当に涙が出てしまった。もちろん口の中はやけどした。
昨日、🍠を食べることが出来て居れば
今日もそれが当たり前だと思っていたし
今日のこの感動はなかったはずだ。
そして、今日はとてもお腹が空いていた。
昨日のちょっとした絶望と適度な空腹に感謝せざるを得なかった。
サポートしてくださる方々、本当にありがとうございます。