記憶上の君を想う。
1年ほど前だろうか。犬のようで猫のような、子供っぽくて大人っぽい、君に出会ったのは。
トラウマ持ちで、持病を抱えながら多忙な日々を送っていた私は、毎日に疲れ果てていた。やる気はあるのに体がついていかない自分を不甲斐なく思っていた。
そんなとき、君に救われた。トラウマとなった出来事を話したときに、私の辛さを認めてくれたのだ。
以来、トラウマについて鮮明に思い出すことは減った。今も人は苦手だが、蘇る記憶が一つ減ったのは、私にとってはかなり大きなことだった。
けれど、君は突然いなくなった。
3ヶ月後に「スマホが壊れていたんだ」と戻ってきた君は、冷たい人になっていた。元々自由なところはあったが、度が過ぎて自分勝手になっていた。かなり多忙な日々を送っているようで、"心を亡くす"とはよく言ったものだと思った。
その後も突然いなくなって、次に帰ってきたのは半年後だった。相変わらず自己中で、出会った頃の優しさはなんだったのだろうと悲しくなった。
だから、こう思うことにした。
「もとよりそうだったのだ」と。
好きな人に優しいのは当然のことだ。おそらく、一度冷めて都合のいい相手となった私には興味が無いのだろう。そして、興味の無い相手にする態度こそが本性なのだと。
君にはかなり悩まされたので、早く忘れようと思う。
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