見出し画像

素直に、真剣に子供たちと向き合う【わたし、島で働く。】

「大人の島留学」は、島での仕事を中心としたお試し体験移住制度です。
現在、「大人の島留学では具体的にどのような仕事があるの?」というお問い合わせをたくさんいただいております。そこで、大人の島留学編集部が実際に仕事現場に行き、仕事の様子や仕事への思いをインタビューしてきました。多種多様な大人の島留学生の仕事をご紹介する企画『わたし、島で働く。』をお届けします。

▼△▼△▼

こんにちは。大人の島留学編集部です。
今回は、海士小学校で学校支援員として働く野村世菜さんにお話をお伺いしました。野村さんは、過去に学校事務を経験したことから、大人の島留学生として小学校に勤めることを決めました。前職であるブライダルの仕事の経験を生かして、日々学校で子供達と向き合っています。

画像1

お話を聞いた人:野村世菜(のむら せな)さん
21歳(取材当時)。福岡県出身。隠岐島前高校に島留学をしたのち、ブライダルの専門学校に進学。1年間在学したのち、ブライダル企業に就職。その後、島前地域に戻り、2020年10月から大人の島留学生として隠岐郡海士町にてお試し移住を始める。

1.野村さんのお仕事

note区切り

ー今日はよろしくお願いします!早速ですが、まずは野村さんの具体的なお仕事について教えてください。
野村:はい。私は海士小学校に学校支援員として勤務しています。3年生の教室について、一緒に授業を受けて、給食食べて、休憩時間には遊んでいます。最近は、1年生のクラスに入って授業のサポートをしていることもあります。
8時20分始業なので、8時15分には出勤するようにしています。17時ごろに仕事が終わります。放課後は子供たちが下校するので、授業の教材づくりを手伝ったりなどしています。

画像6

2.インタビュー① ブライダルの経験を生かして

note区切り

ーでは、まずお仕事のお話の前に、野村さんが大人の島留学に参画しようと思った理由について教えてください。
野村:大人の島留学に参画する前の自分が嫌で、どうにかして今の状況を切り抜けたい、環境を変えたいという思いがありました。初めて、自分の意思で決めたんです。高校を卒業して働くようになっても今までは自分の意思じゃなくて人の言葉とか人の目とか気にしてやってきたけど、海士町に来ることは何がなんでも絶対行ってやるって気持ちで来ました。
高校の時に島留学で海士町に来ていたので、卒業して福岡に帰ってからも島に住みたいとずっと思っていたのも理由の1つです。

ー環境を変えたいという思いで参画したんですね。今、小学校に勤めている野村さんですが、今の職場で働くことにしたのは何かきっかけがあったのですか?
野村:実は、元々、前職がブライダルだったこともあり、島で結婚式を作りたいという思いで来ていました。当時は、その譲れない部分が剥き出しになっていて、仕事が決まらない時間が長かったんです。1回、その思いをゼロにしないといけないと思い、全部リセットして、自分が今まで何が楽しかったのか、どういうことに興味があるのか、どんな人と一緒に働きたいのかを考えました。その結果、学校で事務の仕事をしていた時期がすごく充実していたこと、学校に携われることが楽しかったことを思い出しました。
ですが、私は大学に通っていないし、教員免許も持っていないので学校に携わることはできないと思っていたのですが、役場職員さんに相談をして、学校支援員だったら子供達と関わることができるということで、小学校に勤務することになりました。

ーそれで小学校に勤務することになったんですね。野村さんは、お仕事を始めて「自分、変わったなあ」と思うことはありますか?
野村:できることを自分から見つけようとすることはここに来てからちょっとできるようになったと思います。誰のために働いているかを考えた時に、子供たちのためだと思っていて、休み時間に一緒に遊んだり、悩んでる子のお話を聞いたり、いつも教室にいる自分だからこそできる子供たち一人ひとりに対するきめ細やかな対応を心がけています。
例えば、担当しているクラスは、「漢字を綺麗に書く」を今学期の目標に掲げています。私は、宿題の丸つけを担当しているんですけど、漢字の宿題は毎日するものなのでみんなの字が綺麗になっているのが日々わかります。先日、その子供たちの変化を先生に伝えると「教えてくれてありがとう。」と仰っていただきました。それがとても嬉しかったのもあり、子供たちの様子をよく見て、その様子や変化を先生にしっかり共有することが自分にできることだと思い、そういう役割を担おうと思うようになりました。

画像7

ー「できることを自分から見つける」ことの大切さに気づくきっかけはあったんですか?
野村:昨年のクリスマスの時に、子供たちにクリスマスカードを書きました。一人ひとりにいいところを1つ書いてカードを渡したんですけど、多分それを渡したことがきっかけになったのか、それから子供たちと距離が結構グッと近づくようになりました。また、担任の先生のご提案で、毎日、クラスのみんなと帰りのジャンケンをしています。野村先生とジャンケンしないと帰れないことになっています(笑)
その時に、自分ができることもあるんだということに気付きました。(免許や経験が)ないからできないではなくて、できることを自分から積極的に探してやっていこうと思うようになりました。
思えば、クリスマスカードを書いたことは「自分が関わっている人たちの笑顔が見たい」という考えからでした。人にメッセージカードを書いたりとか、ちょっとしたこと、これしたら喜んでくれるかなあとか、別にお返しが欲しいわけじゃなくて、こういうクリスマスカードとかが好きなんです。
前職のブライダルの時の感覚と似ているなあと改めて思います、相手のためになにかを作っている時のワクワク感が似ています。

3.インタビュー② 子供たちと一緒に変化・成長する

note区切り

ーここからは今の野村さんのお仕事に対する思いについてお伺いしたいと思います。野村さんは、今のお仕事にどんなモチベーションを持っていますか?
野村:頑張る源になっているのは、子供たちができないことができるようになった瞬間に立ち会っていることです。子供たちは何かできないことがあるとき、「できない」って言って最初はウジウジしているんですけど、それを「先生と一緒に練習しよう」とやる方向に持っていった結果、今までできなかったことができるようになったことが最近ありました。喜んだ顔で、バーって走ってきて「先生できるようになったよ」って言ってくれたことが、すごく自分を奮い立たせてくれます。
なんというか、一緒にするのって大事だなあって思います。「頑張って」とか、「これやって」って言うのはできるけど、言葉だけで伝えるのは子供たちにとって寂しいかなあって思うし、自分がされたら寂しいと思うので、結構「一緒にやろ」って言っています。子供たちが問題を解けない時に、「先生も頑張るけん、一緒にやろう」っていうのは大事にしています。
あと伝え方も工夫するようにしています。結構、人はダメって思うことは言うじゃないですか。「そういう言葉使ったらいかんよ」とか、「そんなことしたらいかんよ」みたいな。でも、悪いことを注意するだけじゃなくて、「あの授業の時に友達助けとったの見とったよ」とか、できていることとか自分がその子に対して良いなって思ったことを子供たちに伝えることを大事にしています。

画像8

ー子供たちとの関わりの中で、野村さん自身も子供たちも変化しているんですね。最後に、恒例の質問をさせてください!野村さんは、「島で」働く時に大事にしていることや意識していることはありますか?
野村:素直でいることです。わからないものをわかるふりをしても、結局わからないし、できないことはできないままです。わからないこともできないこともをさらけ出すことでしょうか。なんだろう、私は自分を隠すっていうかあんまり自分を表に出さないんですけど、自分をオープンにすると、意外と周りの人が話しかけてくださいました。わからないとかできないとか言いづらいことも少しずつ伝えたりとか、褒められた時に「ありがとうございます」って気持ちよく言った方がうまく行ったりするなと思います。本当に、素直なことが大事だなって思います。
私は、一緒に働いている先生や子供たちにも感情をオープンにします。素直を意識しているわけではなく、ありのままでいる感じが自分の素直だと思っています。最近、包み隠さずありのままで居られるようになりました。

ー「島で」働く上で、自分の「あり方」を持っていることが大切になってくるのでしょうか。
野村:はい、そうですね。あと、子供たちは人をすごい見ているなあって思います。だから「あり方」もすごく大切ですが、「伝え方」も同じくらい大事だと思っています。例えば、「自分がされて嫌なことは人にしない」っていうんですけど、人からされて嫌なことって人それぞれじゃないですか。働き始めてすぐの時に、人からされて嫌なことはしたらいけないと伝えたら、「人からされても嫌じゃない」と言われたことがあって…自分がしたことは自分がされて嫌なことじゃなかったみたいでした。なので、「自分がされて嬉しいことを友達にもしよう」という感じで言い方を変えるようにしました。伝え方を工夫しようと思ったのはその出来事がきっかけです。大人の方と話している時よりも子供たちと話している時の方が言い方や伝え方について気づくことが多いです。
子供たちと一緒に私も日々学んでいます。

4.おわりに

note区切り

今回は、海士小学校にて支援員として働く野村世菜さんにお話をお伺いしました。子供たちと真剣に向き合う野村さんの姿や、仕事を通して得た豊かな学びをお伝えできれば幸いです。
野村さん、貴重なお時間と素敵なお話をありがとうございました!
また、取材にご協力いただいた海士小学校の皆様、突然の訪問にも関わらず受け入れてくださりありがとうございました。深く感謝申し上げます。

▼△▼△▼

**
大人の島留学webページがリリースされました!

**大人の島留学は、各種SNSで大人の島留学の募集情報や日常の様子、大人の島留学生の日記などを発信しています!

**2021年に留学するなら隠岐島!
令和3年度大人の島留学へ飛び込む若者を募集しています!
2月25日(木)20時から、オンライン相談会を開催いたしますので、関心をお持ちの方は、ぜひお気軽に訪れてみてください。

画像9



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?