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【どっちでもいいのだ!】 その36「新入社員を誘ってランチ 上座に座りやがった 下座に座った」

一度しかない人生。眉間にシワを寄せているヒマがあったら、笑ジワを作りながら暮らしたい。「どっちでもいいのだ」精神で、毎日をゆるゆると生きてみませんか? ※「東京スポーツ」で2017~2018年に連載(全44回)

 職場に新入社員君が入ってきた。元気がよくて初々しいのはいいが、まだ緊張しまくっている。ねぎらってやるかとランチに誘って、近所の喫茶店に。奥のボックス席が空いていたので、「あそこにしよう。先に座っていてくれ」と言ってトイレに行き、スッキリして出てきた午後12時過ぎ。

 こういう場合、新人としては、奥の「上座」は先輩のためにあけておいて、自分は手前の「下座」に座るのがマナーです。ちゃんと下座に座っていて、しかも、こっちがトイレから戻ったときに、立ち上がって会釈のひとつもしてくれたら完璧。「おお、ちゃんとわかってるね」とホメてあげましょう。

 しかし、そいつがどっかり「上座」でふんぞり返っているケースも、きっとよくあります。カチンと来ますが、いきなり「バカヤロー!」と怒鳴りつけても、相手はなぜ怒られているか理解できないでしょう。無駄に反発するか、無意味に委縮するかどちらかです。

 ここは、すんなり「下座」に座った上で、「今回はいいけど、こういう場合は……」と席次のマナーを教えてあげたいところ。そうすれば、頼りがいのある親切でやさしい先輩という印象を持ってくれます。と考えると、新人が「上座」に座っていても、怒ったり嘆いたりする必要はありません。

「どっちでもいいのだ!」

 まずは、いつもの魔法の言葉で気持ちを落ち着かせましょう。その上で、ちょっと不愉快な事態をどう生かすかを考えるのが、大人のしたたかさであり先輩の貫禄です。

応用編 席次の何たるかをその場で教えてあげるかどうか

 わざわざ硬い話をするのも面倒だし、そもそも喫茶店で席次にこだわるのも無粋な気がします。教えてあげて感謝されるもよし。スルーしたってぜんぜんかまいません。

 席次のマナーなんて、そのうち覚えるだろうし、教えなくても恨まれはしないでしょう。この状況でいちばん大切なのは、ランチを楽しくおいしく食べることです。

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