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年金が少ないので、シカ肉を食べる

年金が少ないので、シカを捕獲して食べるトモダチ。

きのう、年上のトモダチが遊びにやって来た。

シカが、近くの金網にツノを絡ませて、
立ち往生していたので、
捕まえて食料にしたと話していた。

その捕獲の、様子を話してくれたけれど、
銃も持っていないし、
一回はシカの後ろ足で蹴り上げられて、
山ののり面まで、ポンと飛ばされたらしい。

向こうも命がけである。

ライオンでもない、ヒョウでもない、クマでも無い。
まあ、高齢者の人間様に簡単に捕獲されたんでは、
シカとして情けないと、必死である。

シカに馬乗り(笑)になって、プロレスの技をかけたらしい、
胚を締め付けるらしい。
そうすると、シカは息が出来なくなって、絶命したと話していた。

その様子を話してくれたけど、生なましすぎるので、
そんなこと聞くと食べれなくなる。

その後、二本しか取れない肉の断片を頂戴した。
そうして、そのレアなお肉を調理してみた。

生臭いので、水からお肉を茹でる。
そして、ある程度、血抜きが出来たかなと思ったところで、
スライスして、コショウをふり、
卵と小麦粉をからめてから、パン粉をつけて、
オリーブオイルで、揚げ煮にした。

旦那も、トモダチも柔らかくて美味しいという。
臭みもないという。

友達は、昨年度は買い物にも出れない大雪だったので、
七頭もシカを、捕獲して食したそうだ。

山小屋の近くに畑も作ってみたが、
シカに苗を全部平らげられるので、
あえなく自給自足の夢は破れてしまった。

普段スーパーで、並んでいるお肉は、
命の生々しさは消えてしまっている。
綺麗に並べられたお肉には、
命を奪う後ろめたさは感じない。

けれども、トモダチが運んできたシカ肉には、
命を食べる後ろめたさと、
そうして、トモダチが生きてく為の、
必死の営みが、
籠められている。

友達には、子供さんもいるけれど、
彼女らに迷惑をかけないように、
弱音をはかず、なんでも自分でやってみて必死に生きている。

その話は、とても面白いし、参考になる。
私達は、休みの日に時々、そうやって、
ご飯を共に食べて、
SNSには無い不思議な話をしているのだ。

それは、とても大事な事かもしれない。

彼は、「そんなに、喜んでもらえるんだったら、
又、取るよ。」と言った。
「無理しなくて、いいよ。
自分も大事だよ。再来週ね。」と言って、別れた。

終わり






最後まで、読んで下さってありがとうございます! 心の琴線に触れるような歌詞が描けたらなぁと考える日々。 あなたの心に届いたのなら、本当に嬉しい。 なんの束縛もないので、自由に書いています。 サポートは友達の健康回復の為に使わせていただいてます(お茶会など)