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第2種電気工事士試験の過去問と解答解説~令和5年下期午前学科試験~

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令和4年下期午前の過去問解説はこちらをクリック



本ページの問題は第2種電気工事士令和5年下期午前学科試験-電気技術者試験センターより引用しています。

問1解説

令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問1
令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問1

ポイント

  1. この回路に流れる電流を計算

  2. aとbの電圧を求める

実際に解いてみる

この回路に流れる電流を求めます。

この回路に流れる電流I、電圧V、抵抗Rとすると

$$
I=\frac{V}{R}
$$

回路全体の電圧V=100V+100V=200V
回路全体の抵抗R=20Ω+30Ω=50Ωなので

$$
I=\frac{200}{50}=4A
$$


a点とb点の電圧を求める

a点の電圧は接地されているので0
抵抗20Ωの上端部電圧は100V

計算途中の回路
計算途中の回路

$$
20Ωの抵抗をR_1、R_1で降下する電圧をV_1とすると
$$

$$
V_1=IR_1=4A×20Ω=80V
$$

これよりb点の電位は100-80=20V

よってa-b間の電圧は20-0=20Vとなり、答えは「ロ」です。


問2解説

令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問2
令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問2

ポイント

$$
電線の抵抗=抵抗率×\frac{電線の長さ}{電線の断面積(太さ)}
という考え方を理解しておくことが大切です。
$$

この問題での考え方
銅線が細いほど抵抗は大きくなり、太いほど抵抗は小さくなります。
長いほど抵抗は大きくなり、短いほど抵抗は小さくなります。

実際に解いてみる

電線の長さが20mの場合に比べ、40mは抵抗が倍、10mは抵抗が半分になります。

電線の長さと抵抗
電線の長さと抵抗


電線の断面積(太さ)が元の太さから小さくなるとだと抵抗が増えて、断面積が大きくなると抵抗は小さくなります。

電線の断面積(太さ)と抵抗
電線の断面積(太さ)と抵抗

計算は電線の断面積は円の面積で計算します。

みなさん小学校の時に勉強した半径×半径×円周率πです。

電線は直径1.6mmというように表記されることがあるので、
0.8×0.8×π≒2.00m㎡でもいいですが、電気工事士試験の本では

断面積A、直径Dとするとき

$$
A=\frac{π×D^2}{4}
$$

と公式化されています。


ここまでの内容をもとに問題を解くと
Aは直径1.6mm、長さ20m
Bは直径3.2mm、長さ40m
電線の材質は同じなので

$$
Aの断面積=\frac{π×1.6^2}{4}=2m㎡
$$

$$
Bの断面積=\frac{π×3.2^2}{4}=8m㎡
$$

AとBそれぞれの電線の抵抗は
電線の材質は同じなので抵抗率は同じ

$$
Aの電線抵抗=抵抗率\rho\frac{長さ}{断面積}=\rho\frac{20}{2}=10\rho
$$

$$
Bの電線抵抗=抵抗率\rho\frac{長さ}{断面積}=\rho\frac{40}{8}=5\rho
$$

よってAの抵抗はBの抵抗の2倍あるので、答えは「イ」です。


問3解説

令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問3
令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問3

ポイント

発熱量=消費電力W×時間tで計算
時間は秒で計算します

実際に解いてみる

1時間20分を秒に換算すると60秒×80分=4,800秒

発熱量=消費電力400W×4,800=1,920,000

答えの単位はkJなので注意しましょう。
いまの1,920,000はJなのでkJに換算すると1,920kJで、答えは「ロ」です。


問4解説

令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問4
令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問4

ポイント

回路で三角形を作る
力率cosθを求める

実際に解いてみる

直角三角形を作ります。

$$
力率cosθ=\frac{底辺}{斜辺}
$$

今回は全体電圧102V、抵抗での電圧90V、リアクトルでの電圧48V
交流回路においてリアクトルは90℃遅れます。
全体電圧が斜辺、抵抗での電圧が底辺、リアクトルでの電圧が高さの直角三角形が書けます。

回路での直角三角形
回路での直角三角形

$$
cosθ=\frac{底辺}{斜辺}=\frac{90}{102}=0.88
$$

よって負荷の力率cosθは88%で「ハ」が正解です。


問5解説

令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問5
令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問5

ポイント

断線したあとの回路図を描く

実際に解いてみる

断線した後の回路図は

断線後の回路図
断線後の回路図

$$
よって電流I=\frac{E}{R}
$$

答えは「ハ」


問6解説

令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問6
令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問6

ポイント

奥のほうから順番に解いていく
c-c`間の電圧、b-b`間の電圧、a-a`間の電圧と順番に求めていきます。

実際に解いてみる

c-c`間の電圧が100V
b-b`間の電圧を求めます。

$$
b-c間の電圧降下V_{bc}は
$$

$$
V_{bc}=5〔A〕×0.1〔Ω〕=0.5〔V〕です。
$$

$$
同様にb`-c`間の電圧降下V_{b`c`}は
$$

$$
V_{b`c`}=5〔A〕×0.1〔Ω〕=0.5〔V〕です。
$$

$$
ゆえにb-b`間の電圧V_{bb`}=100+2×0.5=101〔V〕となります。
$$


a-a`間の電圧を求めます。

$$
a-b間の電圧降下V_{ab}
$$

a-b間に流れる電流は5〔A〕+5〔A〕=10〔A〕
a`-b`間に流れる電流は5〔A〕+5〔A〕=10〔A〕です。

a-b、a`-b`間の電流
a-b、a`-b`間の電流

$$
V_{ab}=10〔A〕×0.05〔Ω〕=0.5〔V〕です。
$$

$$
同様にa`-b`間の電圧降下V_{a`b`}は
$$

$$
V_{a`b`}=10〔A〕×0.05〔Ω〕=0.5〔V〕です。
$$

$$
ゆえにa-a`間の電圧V_{aa`}=101+2×0.5=102〔V〕となります。
$$

よって答えは「ロ」です。


問7解説

令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問7
令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問7

ポイント

電力損失の公式を覚えましょう。
負荷が均衡している場合は

$$
単線2線式:2I^2r、単相3線式:2I^2r、三相3線式:3I^2r
$$

実際に解いてみる

$$
電力損失の公式は2I^2r
$$

抵抗rはr=0.5Ω

電流Iは問題より求めます。
P=800W、100Vなので
I=800÷100=8〔A〕

$$
2I^2r=2×8×8×0.5=64〔W〕
$$

よって電力損失は64W、答えは「ロ」。


問8解説

令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問8
令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問8

ポイント

電線の太さによる許容電流を覚えましょう
電線を本数ごとの電流減少係数をかけるので覚えましょう。

実際に解いてみる

許容電流

$$
単線
\begin{array}{|c|c|} \hline
直径〔mm〕& 許容電流〔A〕 \\\hline
1.6& 27 \\\hline
2.0 & 35 \\\hline
2.6 & 48 \\\hline
3.2& 62 \\\hline
\end{array}
$$

より線の場合は少し違います。

$$
より線
\begin{array}{|c|c|} \hline
断面積〔m㎡〕& 許容電流〔A〕 \\\hline
2& 27 \\\hline
3.5 & 37 \\\hline
5.5 & 49 \\\hline
8& 61 \\\hline
\end{array}
$$

より線は覚えなくて単線のみ覚えましょう
覚えることを少しでも減らした方が楽!!!
電気工事士試験は4つの選択肢から選ぶ問題で、選択肢も大きく違うので単線のみ覚えておけば正解できます。


電流減少係数

$$
\begin{array}{|c|c|} \hline
同一管内の電線本数& 電流減少係数 \\\hline
3本以下 & 0.7 \\\hline
4本 & 0.63 \\\hline
5~6本 & 0.56 \\\hline
7~15本 & 0.49 \\\hline
\end{array}
$$

覚え方は0.07ずつ減っていくと覚えるとOK

電流減少係数は電線を金属管などの同一管内に何本収めたときに使います。

今回は直径2.0mmの電線4本を同一金属管内に収めた場合なので
許容電流は35〔A〕
電流減少係数は0.63(文中にあり)
35〔A〕×0.63=22〔A〕
小数点以下第一位を7捨8入します。

よって答えは「ロ」の22〔A〕です。


問9解説

令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問9
令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問9

ポイント

分岐回路の過電流遮断器の施設条件について覚えましょう。

実際にといてみる

分岐回路の過電流遮断器で覚えることは

太い幹線の遮断器から細い幹線の遮断器を施設する場合の分岐点からの距離と幹線の過電流遮断器の定格電流から何%以上という決まりがあります。

分岐回路の過電流遮断器、施設条件
分岐回路の過電流遮断器、施設条件

今回の問題では太い幹線の過電流遮断器の定格50A、分岐したあとが42Aで分岐するので上の図に当てはめると「制限なし」になります。

よって答えは「ニ」です。


問10解説

令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問10
令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問10

ポイント

コンセントの定格電流、遮断器の定格電流が合致するものを選びます。
電線の太さも注意しましょう。

実際に解いてみる

$$
\begin{array}{|c|c|c|c|} \hline
分岐回路の種類& 過電流遮断器の定格電流 & コンセントの定格電流& 電線の太さ\\\hline
15[A]の分岐回路& 15[A]以下 & 15[A]以下 & 直径1.6[mm]以上\\\hline
20[A]の配線用遮断器分岐回路 & 15[A]超、20[A]以下の配線用遮断器に限る & 20[A]以下 & 直径1.6[mm]以上\\\hline
20[A]のヒューズ分岐回路 &  15[A]超、20[A]以下のヒューズに限る &  20[A] & 直径2.0[mm]以上 \\\hline
30[A]の分岐回路& 20[A]超、30[A]以下 &  20~30[A] & 直径2.6[mm](5.5m㎡)以上\\\hline
40[A]の分岐回路& 30[A]超、40[A]以下 &  30~40[A] & 断面積8m㎡以上\\\hline
50[A]の分岐回路& 40[A]超、50[A]以下 &  40~50[A] & 断面積14m㎡以上\\\hline
\end{array}
$$

この表を覚えるのが正解への近道!!!

覚えられないよって人は
過電流遮断器、電線の太さ、電流値から
選択肢の中から一つずつ減らしましょう。

問10選択肢
問10選択肢

今回の問題では適切なものを選べ
になっています。

「イ」は過電流遮断器20Aでコンセントが30Aはおかしいのでダメ。
「ロ」は電線が2.0mmは細いです。
これがわからない場合は保留にしましょう。
「ハ」は過電流遮断器30Aでコンセントが15Aはおかしいのでダメ。
「ニ」はコンセントの取付けは正しいのでこれが正解です。

選択肢みると「ロ」と「ニ」で迷うなら2択まで選択肢を減らせているので最悪はそれでもOK。

よって答えは「ニ」です。


問11解説

令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問10
令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問11

ポイント

プルボックスの機器の名称、現物、図記号、役割を理解しましょう。
プルボックスの役割だけでなく写真鑑別にも対応できます。

実際に解いてみる

プルボックスの役割は
電線管工事で通線を容易にするため、配管途中に設けるボックスです。必要な位置に穴をあけて使います。電線を接続したり、分岐することがあります。

プルボックス
プルボックス(モノタロウより引用)

現物はこういうボックスです。

図記号は

プルボックスの図記号
プルボックスの図記号

よって答えは「イ」の「多数の金属管が集合する場所等で、電線の引き入れを容易にするために用いる」が正解です。

ちなみに近い用途のものでアウトレットボックス、VVFジョイントボックス、コンクリートボックスがあります。
これらは電線の接続場所として使われます。


問12解説

令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問12
令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問12

ポイント

各ケーブルの耐熱性と耐熱温度はセットで覚えておきましょう。

似た問題で耐熱温度を問われる問題もあります。

実際に解いてみる

「イ」600V二種ビニル絶縁電線
600Vビニル絶縁電線より耐熱性が高い電線です。
75℃までOK

「ロ」600Vビニル絶縁電線
最高許容温度は60℃です。

「ハ」MIケーブル
高温場所用のケーブルで250℃までいけます。

「ニ」600Vビニル絶縁ビニルシースケーブル
いわゆるVVF、VVRケーブルです。
平型がVVF、丸型がVVR。
最高許容温度は60℃です。

よって答えは「ハ」のMIケーブルです。

$$
\begin{array}{|c|c|c|} \hline
名称& 記号& 耐熱温度 \\\hline
600Vビニル絶縁電線& IV& 60℃\\\hline
600Vポリエチレン絶縁電線 & EM-IE& 75℃\\\hline
600Vビニル絶縁ビニルシースケーブル &VVF/VVR & 60℃\\\hline
600Vポリエチレン絶縁耐燃ポリエチレンシースケーブル &EM-EEF &75℃\\\hline
600V架橋ポリエチレン絶縁ビニル外装ケーブル &CV &90℃\\\hline
無機絶縁ケーブル &MI &250℃\\\hline
\end{array}
$$

この表をなんとなくでも覚えておくと解けます。


問13解説

令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問13
令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問13

ポイント

ねじなし電線管ではどういう道具を、どんな目的で使うか
もしわからなければ、選択肢から違う選択肢を消していきましょう。

実際に解いてみる

ねじなし電線管はこんな金属管です。

ねじなし電線管(モノタロウ引用)

ねじ切らずに使います。
記号はE、(E19)というように表記します。

金属管の加工では
切断時に金切のこ、高速切断機、パイプカッターを使います。

金切のこ、パイプカッター、高速切断機
金切のこ、パイプカッター、高速切断機(モノタロウ引用)

切断した後の内面のバリ取りはリーマとクリップボール
切断面のバリ取りは平やすりを使います。

クリップボール、リーマ、平やすり
クリップボール、リーマ、平やすり(モノタロウ引用)

金属管を曲げるときはパイプベンダを使います。
太い金属管は油圧式パイプベンダで曲げます。

パイプベンダと油圧式パイプベンダ
パイプベンダと油圧式パイプベンダ(モノタロウ引用)

よって答えは「ニ」のパイプベンダです。

ちなみにトーチランプは硬質塩化ビニル電線管を曲げるとき、ディスクグラインダーはバリ取りや切断時、パイプレンチは金属管にカップリングなどを取り付けるときに管を回すためにそれぞれ使います。


問14解説

令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問14
令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問14

ポイント

スターデルタ始動について覚えておくこと
関連することも覚えておくと尚良し

実際に解いてみる

スターデルタ始動方式は誘導電動機の始動時(運転開始時)には誘導電動機をスター結線(Y結線)にして、回転して加速したら、スター結線をデルタ結線(Δ結線)に切り替えて運転する始動法です。

スターデルタ始動方式のメリット

$$
始動電流、始動トルクのいずれもが\frac{1}{3}になります。
$$

スターデルタ始動法以外でよく出題されるのが全電圧始動法(直入れ始動法)という方法で定格電流の8~10倍ほど多くの電流が流れます。
始動時の短い時間の電流に耐えれるようにブレーカーや配線の容量を大きなものにするのは経済的に非効率。

スターデルタ始動はかご形誘導電動機で使います。

よって答えは「イ」です。

始動時のスター結線

スター結線図
スター結線図

回転時のデルタ結線

デルタ結線図
デルタ結線図


問15解説

令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問15
令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問15

ポイント

過電流遮断器の遮断時間を覚えておきましょう。

実際に解いてみる

配線用遮断器の遮断時間は

$$
\begin{array}{|c|c|c|} \hline
定格電流& 定格電流の1.25倍の電流 & 定格電流の2倍の電流\\\hline
30[A]以下 & 60分以内 & 2分以内\\\hline
30[A]越え50[A]以下& 60分以内 & 4分以内\\\hline
\end{array}
$$

ちなみに定格電流の1倍の電流では配線用遮断器は動作しません。

この表を覚えておくと問題の30Aの配線用遮断器に37.5Aつまり1.25倍の電流が流れた場合の遮断時間は60分以内

よって答えは「ハ」

ちなみにヒューズの溶断時間は

$$
\begin{array}{|c|c|c|} \hline
定格電流& 定格電流の1.6倍の電流 & 定格電流の2倍の電流\\\hline
30[A]以下 & 60分以内 & 2分以内\\\hline
30[A]越え60[A]以下& 60分以内 & 4分以内\\\hline
\end{array}
$$

ちなみに定格電流の1.1倍の電流ではヒューズは溶断しません。


問16解説

令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問16
令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問16

ポイント

端子はあまり問われない問題で解けなくてOK
端子だけでなく圧着工具もセットで覚えましょう。

実際に解いてみる

選択肢を一つずつみていきます。

「イ」銅線用裸圧着スリーブは

銅線用裸圧着スリーブ
銅線用裸圧着スリーブ(モノタロウ引用)

「ロ」銅管端子は

銅管端子
銅管端子(モノタロウ引用)

「ハ」銅線用裸圧着端子は

銅線用裸圧着端子
銅線用裸圧着端子(モノタロウ引用)

「ニ」ねじ込み型コネクタは

ねじ込み型コネクタ
ねじ込み型コネクタ(モノタロウ引用)

今回の圧着端子で一番近いのはFネジックだと思います。
これは知らなくて当たり前なので気にしないでください。

よって答えは「ハ」

今回問われた銅線用裸圧着端子は選択肢として出ることはあります。
圧着工具は赤い柄をしているのが特徴です。

裸端子圧着工具
裸端子圧着工具(モノタロウ引用)

リングスリーブは黄色い柄の圧着工具です。

色の違いで覚えましょう。


問17解説

令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問17
令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問17

ポイント

写真の機器と役割、図記号、どこを見たら見分けられるかなどを関連づけて覚えましょう。

実際に解いてみる

この写真では「50」と書いてあるところをよく見ましょう。

50μF
50μF

「50μF」と書いてあります。
μFはコンデンサの容量です。
写真の機器は「低圧進相コンデンサ」です。

よって答えは「ニ」です。

低圧進相コンデンサは電動機などの力率改善のために取り付けます。

進相コンデンサの図記号は

進相コンデンサの図記号
進相コンデンサの図記号

「イ」水銀灯用安定器は

水銀灯用安定器
水銀灯用安定器(モノタロウ引用)

「ロ」変流器は

変流器
変流器(モノタロウ引用)

変流器は大きな電流の測定に使われます。
変流器でよく問われるのは使用中は二次側を開放してはいけません。(電流計を外す場合は二次側端子を短絡しておきましょう。)

「ハ」ネオン変圧器は

ネオン変圧器
ネオン変圧器(レシップ株式会社引用)

ネオン放電灯の高電圧を作るための変圧器。


問18解説

令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問18
令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問18

ポイント

写真鑑別の道具の名称と何に使うかをセットで覚えましょう。

実際に解いてみる

この写真はガストーチランプです。
ガストーチに火をつけて硬質ポリ塩化ビニル電線管を曲げるときに炙って使います。

よって答えは「イ」です。

金属管を曲げるときはパイプベンダを使います。
合成樹脂可とう電線管は手で簡単に曲げられます。
ライティングダクトを曲げることはありません。


問19解説

令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問19
令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問19

ポイント

リングスリーブのテープ巻きをどれだけするのかということを覚えましょう。
差込型コネクタではテープ巻きはいりません。

実際に解いてみる

リングスリーブは

リングスリーブ(E型)
リングスリーブ(E型)(モノタロウ引用)

リングスリーブの圧着した後はテープを巻く必要があります。(技能試験ではテープ巻きはしません)

電線の接続部分は「絶縁電線の絶縁物と同等以上の絶縁効果のあるもので十分被覆する」必要があります。

被覆が0.8mmの電線に厚さ0.2mmの絶縁テープを巻く場合は、半幅以上を重ね巻きして、2回(4層)以上巻きます。
自己融着性絶縁テープを使用するときはさらに保護テープを巻きます。

選択肢をみると「ハ」の
自己融着性絶縁テープを半幅重ねで1回巻いたは間違いとわかります。
2回以上巻かないといけません。

よって答えは「ハ」です。

ちなみに、差し込み型コネクタの場合は絶縁テープを巻く必要はありません。


問20解説

令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問20
令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問20

ポイント

展開した場所、隠ぺい場所、湿気、水気の有無問わずに工事できるのが合成樹脂可とう電線管工事、ケーブル工事、金属管工事、2種金属製可とう電線管工事です。

実際に解いてみる

展開した場所、点検できる隠ぺい場所、点検できない隠ぺい場所の全てで水気の有無関係なく工事できるのが合成樹脂可とう電線管工事、ケーブル工事、金属管工事、2種金属製可とう電線管工事です。

それ以外の金属線ぴ工事、金属ダクト工事、ライティングダクト工事は

$$
\begin{array}{|c|c|c|} \hline
& 展開した乾燥場所 & 点検できる隠ぺい場所かつ乾燥場所\\\hline
金属線ぴ工事&〇 &〇 \\\hline
金属ダクト工事 & 〇& 〇\\\hline
ライティングダクト工事& 〇& 〇\\\hline
\end{array}
$$

金属線ぴ工事、金属ダクト工事、ライティングダクト工事は湿気、水気のある場所での施工はできません。
点検できない隠ぺい場所も工事できません。

セルラダクト工事は乾燥した点検できる隠ぺい場所、または乾燥した点検できない場所に限って施設することができます。
セルラダクト工事が問われることはほとんどないのでわからなくてOK

問題の施工できる工事はセルラダクト工事は点検できる隠ぺい場所で乾燥した場所
金属ダクト工事は合成樹脂可とう電線管工事は展開した場所で乾燥した場所、点検できる隠ぺい場所で乾燥した場所でできます。
選択肢だとa、b、d、e、fが工事できます。

よって答えは「ロ」です。


問21解説

令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問21
令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問21

ポイント

屋内配線図の図記号を覚えましょう。

実際に解いてみる

屋内配線図の図記号を覚えていれば正解できる問題です。

配線図記号
配線図記号

配線の図記号一覧です。
この内容は覚えておきましょう。

天井配線 IV1.6
天井配線 IV1.6

このIV 1.6は天井配線で1.6mmのIV線を使うとわかります。
斜線は電線数(条数)を表します。

管の種類と図記号

$$
\begin{array}{|c|c|} \hline
薄鋼電線管、厚鋼電線管& 記号なし\\\hline
ねじなし電線管&E\\\hline
2種金属製可とう電線管& F2\\\hline
合成樹脂可とう電線管& CD、PF\\\hline
硬質塩化ビニル電線管& VE\\\hline
耐衝撃性硬質塩化ビニル電線管& HIVE\\\hline
波付硬質合成樹脂管& FEP\\\hline
\end{array}
$$

記号のあとの数字は管の太さを表します。
E19という表記だと「ねじなし電線管で19mm」の配管です。

ちなみにCD管とPF管の違いは
CD管は、自己消火性がない、コンクリート埋め込み専用の合成樹脂製可とう電線管です。
PF管は、自己消化性があり、あらゆる場所で使える電線管です。

選択肢をみると
「イ」は

選択肢「イ」
選択肢「イ」

露出配線、1.6mmIV線、ねじなし電線管19mmなので間違いです。

「ロ」は

選択肢「ロ」
選択肢「ロ」

天井隠ぺい配線、1.6mmIV線、合成樹脂可とう電線管16mmなので間違いです。

「ハ」は

選択肢「ハ」
選択肢「ハ」

天井隠ぺい配線、1.6mmIV線、薄鋼電線管あるいは厚鋼電線管16mmなので間違いです。

「ニ」は

選択肢「ニ」
選択肢「ニ」

露出配線、1.6mmIV線、2種金属製可とう電線管17mmなので正解です。

よって答えは「ニ」です。


問22解説

令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問22
令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問22

ポイント

D種接地工事を省略できるケースは覚えておきましょう。
ちなみに水気があるところでは接地工事の省略はできません。

実際に解いてみる

D種接地工事を省略できるのは

  • 交流対地電圧が150〔V〕以下の機械器具を乾燥した場所に施設する場合

  • 低圧用の機械器具を乾燥した木製の床その他これに類する絶縁性の物の上で取り扱うように施設する場合

  • 電気用品安全法の適用を受ける2重絶縁の構造の機械器具に施設する場合

  • 水気のある場所以外で低圧用の機械器具に漏電遮断器(定格感度電流15〔mA〕以下、動作時間0.1秒以内)を施設する場合

  • 金属製の電線管や線ぴ管は乾燥した場所で長さ4〔m〕以内の場合

  • 金属製の電線管や線ぴ管は対地電圧が150〔V〕で管の長さが8〔m〕以下のものを、乾燥した場所または簡易接触防護措置を施す場合

コンクリートの床は吸湿性があるので乾燥した場所にはなりません。

D種接地工事は使用電圧300〔V〕以下、接地抵抗は100〔Ω〕以下です。

選択肢をみていくと
「イ」はコンクリートの床は吸湿性があるので乾燥した場所にはならないため接地工事の省略はできません。

「ロ」は乾燥した木製の床は省略できます。

「ハ」は乾燥した場所の金属管7〔m〕。対地電圧150〔V〕以下は8〔m〕以下まで省略できるのでOK

「ニ」は対地電圧が200〔V〕でも金属管が4〔m〕以下なので省略できます。

よって答えは「イ」です。


問23解説

令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問23
令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問23

ポイント

各管ごとの支持間距離を一括で覚えると楽

実際に解いてみる

合成樹脂管、金属管などの支持点間の最大距離、最大曲げ半径

$$
\begin{array}{|c|c|c|} \hline
& 支持点間距離& 曲げ半径\\\hline
合成樹脂管工事&1.5〔m〕 &6倍(管内径) \\\hline
ケーブル工事&2〔m〕 &6倍(管内径) \\\hline
金属管工事&2〔m〕 &6倍(管内径) \\\hline
金属可とう電線管工事& -& 6倍(管内径)\\\hline
ライティングダクト工事& 2〔m〕& -\\\hline
金属ダクト工事&3〔m〕 &- \\\hline
金属線ぴ工事&1.5〔m〕 &- \\\hline
ショウウィンドウ内工事&1〔m〕 &- \\\hline
ネオン放電灯工事&1〔m〕 &- \\\hline
\end{array}
$$

全部を覚える必要はありませんが、合成樹脂管工事、ケーブル工事、金属管工事くらいは覚えておきましょう。

この表から合成樹脂管工事の最大支持間距離は1.5〔m〕

よって答えは「ロ」です。


問24解説

令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問24
令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問24

ポイント

低圧検電器の特徴を覚えておきましょう。

実際に解いてみる

低圧検電器は接触式、非接触式両方ともあります。
接触式は充電部に直接触れることで検電します。
非接触式は絶縁被覆の上からでも検電できます。

音響式検電器は電池が必要で充電されていたら音が鳴るのでわかりやすいです。
ネオン式検電器は電池は不要で充電されていると、検電器についているネオン管が光る方式です。
ネオン式は明るければ見にくいですが、電池がいらないのはメリット。

低圧の検電器は接地側は検知しませんが、非接地線側は検知します。
そのため、コンセントで検電する場合など充電の有無は電路全ての電線を検電しなければいけません。

選択肢をみると、「ハ」の非接地側では検知するが、非接地側では検知しないが間違いだとわかります。

よって答えは「ハ」です。


問25解説

令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問25
令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問25

ポイント

絶縁抵抗は覚えておきましょう。

絶縁抵抗を測れないときに漏えい電流で測定する方法もあります。

実際に解いてみる

絶縁抵抗値

$$
\begin{array}{|c|c|} \hline
電路の使用電圧&絶縁抵抗値 \\\hline
300V以下(対地電圧150V以下)&0.1〔MΩ〕以上 \\\hline
300V以下(その他の場合)&0.2〔MΩ〕以上 \\\hline
300Vを越えるもの&0.4〔MΩ〕以上 \\\hline
\end{array}
$$

単相3線式100V/200Vは対地電圧150V以下なので絶縁抵抗は0.1〔MΩ以上〕以上です。

絶縁抵抗測定はブレーカーを切って行うので停電できない場所では絶縁抵抗が測定できません。

絶縁抵抗が測れないときは漏えい電流を測定して規定値以下であればOKです。
漏えい電流が1〔mA〕以下であればOK!!!
漏えい電流はクランプメーターで測定します。

選択肢より1〔mA〕が正解なので、よって答えは「ハ」です。


問26解説

令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問26
令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問26

ポイント

絶縁抵抗値と接地抵抗値の規定を覚えておくと簡単!!!

実際に解いてみる

絶縁抵抗値は

$$
\begin{array}{|c|c|} \hline
電路の使用電圧&絶縁抵抗値 \\\hline
300V以下(対地電圧150V以下)&0.1〔MΩ〕以上 \\\hline
300V以下(その他の場合)&0.2〔MΩ〕以上 \\\hline
300Vを越えるもの&0.4〔MΩ〕以上 \\\hline
\end{array}
$$

使用電圧100〔V〕なので絶縁抵抗値は0.1〔MΩ〕以上あれば正解です。


接地抵抗値

$$
\begin{array}{|c|c|} \hline
施工条件&接地抵抗値 \\\hline
C種接地工事 300〔V〕越え&10〔Ω〕以下\\\hline
D種接地工事 300〔V〕以下&100〔Ω〕以下 \\\hline
\end{array}
$$

地絡時に0.5秒以内に自動的に電路を遮断する装置があれば接地抵抗は500〔Ω〕以下になります。

C種の10〔Ω〕、D種の100〔Ω〕いずれの場合も0.5秒以内に自動的に電路を遮断する漏電遮断器がついていれば500〔Ω〕以下までOK!!!

今回の問題では0.1秒で自動的に電路を遮断するので接地抵抗が500〔Ω〕以下であればOK

選択肢から間違っているのは「イ」の接地抵抗値600〔Ω〕、絶縁抵抗値2.0〔MΩ〕が間違いだとわかります。

よって答えは「イ」です。


問27解説

令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問27
令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問27

ポイント

あまり出題されない分野ですが、問題文をよく読んで選択肢を減らしていくことが大切です。

実際に解いてみる

選択肢を1つずつみていきましょう。

「イ」は、アナログ計器は永久磁石可動コイル形計器のように、電磁力等で指針を動かし、振れ角でスケールから値を読み取る。
とありますが、これは正しいです。

「ロ」のディジタル計器は測定入力端子に加えられた交流電圧などのアナログ波形を入力変換回路で直流電圧に変換し、次に A-D 変換回路に送り、直流電圧の大きさに応じたディジタル量に変換し、測定値が表示される。
とありますが、これも正しいです。

「ハ」の電圧測定では、アナログ計器は入力抵抗が高いので被測定回路に影響を与えにくいが、ディジタル計器は入力抵抗が低いので被測定回路に影響を与えやすい。
とありますが、間違いでディジタル計器は入力抵抗が高く被測定回路に影響を与えにくいです。アナログ計器は入力抵抗が低く被測定回路に影響を与えやすいので記述内容は逆です。

「ニ」のアナログ計器は変化の度合いを読み取りやすく,測定量を直感的に判断できる利点を持つが,読み取り誤差を生じやすい。
は正しく、アナログ計器は針がそのまま動くので直感的に判断できます。

この問題まで勉強していた人は少ないでしょう。
わからなくてOKですが、そういう問題は冷静になって選択肢を一つずつ読んで解いていきましょう。

よって答えは「ハ」です。


問28解説

令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問28
令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問28

ポイント

第二種電気工事士ができる仕事の範囲と電気工事を理解していること

実際に解いてみる

第二種電気工事士ができる電気工事は一般用電気工作物です。
一般用電気工作物は600〔V〕以下の低圧で受電する設備です。

選択肢ごとにみていきます。
「イ」の自家用電気工作物(最大電力 500 kW 未満の需要設備)の低圧部分の電線相互を接続する作業はできません。
自家用電気工作物(最大電力 500 kW 未満の需要設備)の電気工事は第二種電気工事士ではできず、第一種電気工事士あるいは認定電気工事従事者でなければできません。

「ロ」の自家用電気工作物(最大電力 500 kW 未満の需要設備)の地中電線用の管を設置する作業は電気工事に当たりません。
電気工事に当たらない工事が地中電専用の暗渠または管を設置する工事が入るからです。
第二種電気工事士が作業をしてもOK

「ハ」の一般用電気工作物の接地工事の作業は第二種電気工事士の資格が必要な工事です。

「ニ」の一般用電気工作物のネオン工事の作業は第二種電気工事士が作業できる範囲です。
ネオン工事は自家用電気工作物(最大電力 500 kW 未満の需要設備)の場合は特種電気工事資格者(ネオン工事)の資格が必要です。

よって第二種電気工事士にできないのは「イ」です。


問29解説

令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問29
令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問29

ポイント

特定電気用品と特定電気用品以外の電気用品を全部覚えるのは大変なのでいくつかピックアップして覚えましょう。

実際に解いてみる

特定電気用品とそれ以外の電気用品は下に一覧にしています。
覚えるのは大変なのでいくつかピックアップして覚えておきましょう。

特定電気用品は構造、用途がとくに危険または障害が発生するおそれが多い電気用品に定められています。
特定電気用品は絶縁電線、ケーブル(22m㎡以下)、タイムスイッチ、配線用遮断器、漏電遮断器、差込接続器など

特定電気用品以外の電気用品は電線管類、ライティングダクト、ケーブル配線用スイッチボックス、カバー付ナイフスイッチ、電磁開閉器、換気扇、テレビ、蛍光ランプ、三相かご形誘導電動機など

選択肢をみると「イ」の漏電遮断器は特定電気用品です。
よって答えは「イ」です。

特定電気用品は

特定電気用品のPSEマーク
特定電気用品のPSEマーク

特定電気用品以外の電気用品は

特定電気用品以外の電気用品のPSEマーク
特定電気用品以外の電気用品のPSEマーク


特定電気用品は
電線類(定格電圧100V以上600V以下)に
・絶縁電線(100m㎡以下)
・ケーブル(22m㎡以下、心数7芯以下)
・コード
・キャブタイヤケーブル

ヒューズ類(定格電圧100V以上300V以下)に
・温度ヒューズ
・ヒューズ(定格電流1A以上200A以下)

配線器具類(定格電圧100V以上300V以下(蛍光灯用ソケットは100V以上1000V以下))は
・タンブラスイッチ
・中間スイッチ
・タイムスイッチ
・点滅器
・箱開閉器
・フロートスイッチ
・圧力スイッチ
・ミシン用コントローラ
・配線用遮断器
・漏電遮断器
・カットアウト
・差込接続器
・ねじ込み接続器
・ソケット
・ローゼット
・ジョイントボックス

・電流制限器

小型単相変圧器(定格容量500V・A以下)は
・家庭機器用変圧器
・電子応用機械器具用変圧器

放電灯用安定器(定格消費電力の合計500W以下)
・蛍光灯用安定器
・水銀灯用安定器
・高圧放電灯用安定器
・オゾン発生器用安定器

電熱機器(定格電圧100V以上、300V以下、定格消費電力10kW以下)
・電気便座
・電気温水器
・鑑賞魚用ヒータ

電動力応用機械器具
・電気ポンプ
・冷蔵用または冷凍用のショーケース
・電気マッサージ器

交流用電気機械器具
・電撃殺虫器

・携帯発電機
など


特定電気用品以外の電気用品

電線類
・蛍光灯用電線
・ネオン電線
・ケーブル(22m㎡以上100m㎡以下、心数7本以下)
・電気温床線

電線管類
・電線管(内径120mm以下)
・フロアダクト(幅100mm以下)
・線ぴ(幅50mm以下)
・電線管類の附属品(レジューサ除く)
・ケーブル配線用スイッチボックス

ヒューズ
・筒形ヒューズ
・栓形ヒューズ

配線器具類
・リモコンリレー
・カットアウトスイッチ
・カバー付ナイフスイッチ
・電磁開閉器
・ライティングダクト及び付属品

小型単相変圧器
・ベル型変圧器
・リモコン変圧器
・ネオン変圧器

放電灯用安定器
・ナトリウム灯用安定器
・殺菌灯用安定器

小型交流電動機
・単相電動機
・三相かご形誘導電動機

電動力応用機械器具
・電気食洗器
・換気扇

光源
・蛍光灯ランプ
など


問30解説

令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問30
令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問30

ポイント

交流と直流の低圧区分を覚えておきましょう。

実際に解いてみる

低圧は交流600〔V〕
直流750〔V〕以下
です。

よって答えは「ハ」です。

高圧は交流600〔V〕越え、直流750〔V〕越えで6600〔V〕(交流、直流問わず)以下です。


問31以降の配線図

令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験配線図の注意事項
令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験配線図の注意事項
令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験配線図
令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験配線図


問31解説

令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験配線図問31該当部分
令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験配線図問31該当部分
令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問31
令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問31

ポイント

階段部分をよく見てみると3路スイッチ。
3路スイッチの複線図を理解していると解けます。

実際に解いてみる

この問題は①の部分の心線数を答える問題です。
複線図を理解していないと解けない問題です。

複線図の書き方はこの記事を参考にしてくださいね。

この問題2F部分の複線図をほとんど書く必要があるのかと考えますが、
良く見てください。
①は階段下の3路スイッチに行く回路があるだけです。
3路スイッチの行先は「タ」の天井付白熱灯です。

この階段での斜めの矢印は1Fへ、2Fへの意味です。

斜めの矢印の意味
斜めの矢印の意味

3路スイッチの該当部分の複線図は

問31複線図
問31複線図

緑色の〇が今回問われている心線数のところで3本です。

よって答えは「ロ」です。


問32解説

令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験配線図問32該当部分
令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験配線図問32該当部分
令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問32
令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問32

ポイント

図記号の傍記「WP」を覚えていると解けます。

実際に解いてみる

「WP」は防雨型の表記です。
テは防雨型コンセントが屋外に付いているという意味です。

よって答えは「イ」です。

防爆型は「EX」


問33解説

令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験配線図問33該当部分
令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験配線図問33該当部分
令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問33
令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問33

ポイント

図記号の傍記「D」を覚えていると解けます。
勉強するときはほかの選択肢の記号も覚えるといい

実際に解いてみる

この回路は「イ」が風呂の照明、「エ」が風呂の換気扇、「ウ」が脱衣室の換気扇のスイッチです。

スイッチ傍の「D」は遅延スイッチです。

よって答えは「ハ」です。

熱線式自動スイッチは「RAS」
タイマー付きスイッチは「T」


問34解説

令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問34
令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問34

ポイント

小勢力回路で使用できる電線の最小直径と電圧の最大値は覚えておきましょう。

実際に解いてみる

小勢力回路で使用できる電線の最小直径を答える問題です。
配線図は関係ないので省略しました。

電線の最小直径は0.8〔mm〕

電圧の最大値は60〔V〕

よって答えは「ロ」です。


問35解説

令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験配線図問35該当部分
令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験配線図問35該当部分
令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問35
令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問35

ポイント

絶縁抵抗値を覚えていれば解けます。

実際に解いてみる

絶縁抵抗値は

$$
\begin{array}{|c|c|} \hline
電路の使用電圧&絶縁抵抗値 \\\hline
300V以下(対地電圧150V以下)&0.1〔MΩ〕以上 \\\hline
300V以下(その他の場合)&0.2〔MΩ〕以上 \\\hline
300Vを越えるもの&0.4〔MΩ〕以上 \\\hline
\end{array}
$$

今回の問題のポイントは使用電圧200Vなので絶縁抵抗値0.2〔MΩ〕だと思いがちですが、
今回の配線図は単相3線式です。

単相3線式
単相3線式

単相3線式の100/200Vの場合は対地電圧100Vです。
絶縁抵抗値は0.1〔MΩ〕

よって答えは「イ」です。


問36解説

令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験配線図問36該当部分
令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験配線図問36該当部分
令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問36
令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問36

ポイント

接地抵抗値について覚えておきましょう。
漏電遮断器の性能については問題文も読みましょう。

実際に解いてみる

接地抵抗値

$$
\begin{array}{|c|c|} \hline
施工条件&接地抵抗値 \\\hline
C種接地工事 300〔V〕越え&10〔Ω〕以下\\\hline
D種接地工事 300〔V〕以下&100〔Ω〕以下 \\\hline
\end{array}
$$

地絡時に0.5秒以内に自動的に電路を遮断する装置があれば接地抵抗は500〔Ω〕以下になります。(C種、D種両方とも)

接地線は1.6〔mm〕以上の軟銅線です。

使用される電圧は100/200VなのでD種接地工事です。
接地抵抗は100Ω以下あるいは0.5秒以内に自動的に電路を遮断する漏電遮断器があれば500Ω以下です。
配線図をみると漏電遮断器がついているのはわかります。

漏電遮断器
漏電遮断器

ただし、0.5秒以内に動作するものかどうかまではわかりません。

ここで問題文の注意事項を読んでみてください。

令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験配線図問題注意事項

注意事項の中に「漏電遮断器の動作時間は0.1秒以内」と記載があります。

接地抵抗は500Ω以下でOK

よって答えはD種接地工事、500Ω以下の「ニ」です。


問37解説

令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験配線図問37該当部分
令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験配線図問37該当部分
令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問37
令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問37

ポイント

FEPの意味と使える電線の種類を覚えておきましょう。

実際に解いてみる

今回の配線は地中埋設・天井ふところ内配線です。

地中埋設・天井ふところ内配線
地中埋設・天井ふところ内配線

配線図をみるに地中埋設です。

FEPは波付硬質合成樹脂管

FEP
FEP(モノタロウ引用)

地中配線の電線はケーブルでなければいけません。

選択肢の中でケーブルは
「ハ」の架橋ポリエチレン絶縁ビニルシースケーブルです。

よって答えは「ハ」です。


問38解説

令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験配線図問38該当部分
令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験配線図問38該当部分
令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問38
令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問38

ポイント

管の種類と図記号を覚えておきましょう。

実際に解いてみる

管の種類と図記号

$$
\begin{array}{|c|c|} \hline
薄鋼電線管、厚鋼電線管& 記号なし\\\hline
ねじなし電線管&E\\\hline
2種金属製可とう電線管& F2\\\hline
合成樹脂可とう電線管& CD、PF\\\hline
硬質塩化ビニル電線管& VE\\\hline
耐衝撃性硬質塩化ビニル電線管& HIVE\\\hline
波付硬質合成樹脂管& FEP\\\hline
\end{array}
$$

E19はねじなし電線管の19mmとわかります。

内径か外形かは電線管によって違います。
薄鋼電線管、ねじなし電線管は外形に近い奇数値で表します。
厚鋼電線管、合成樹脂可とう電線管は内径に近い偶数値で表します。

よって「E19」は外形19mmのねじなし電線管のことで、答えは「イ」です。


問39解説

令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験配線図問39該当部分
令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験配線図問39該当部分
令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問39
令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問39

ポイント

引込開閉器が省略できる場合がどんな場合か覚えているとOK

実際に解いてみる

車庫や物置小屋に母屋の分電盤から電線を引っ張るときには
引込口に近い開閉できる場所に引込開閉器を施設する必要があります。

引込開閉器が省略できる場合

使用電圧が300V以下で、かつ母屋の20A以下の配線用遮断器(ヒューズでは15A以下)で保護される屋内電路から接続し、屋外部分の配線が15〔m〕以下の場合は、引込口の引込開閉器を省略できます。

よって答えは15mの「ハ」です。


問40解説

令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験配線図問40該当部分
令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験配線図問40該当部分
令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問40
令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問40

ポイント

管の種類と図記号を覚えておきましょう。

実際に解いてみる

管の種類と図記号

$$
\begin{array}{|c|c|} \hline
薄鋼電線管、厚鋼電線管& 記号なし\\\hline
ねじなし電線管&E\\\hline
2種金属製可とう電線管& F2\\\hline
合成樹脂可とう電線管& CD、PF\\\hline
硬質塩化ビニル電線管& VE\\\hline
耐衝撃性硬質塩化ビニル電線管& HIVE\\\hline
波付硬質合成樹脂管& FEP\\\hline
\end{array}
$$

ちなみにCD管とPF管の違いは
CD管は、自己消火性がない、コンクリート埋め込み専用の合成樹脂製可とう電線管です。
PF管は、自己消化性があり、あらゆる場所で使える電線管です。

問題は「PF」なので合成樹脂可とう電線管です。
よって答えは「ニ」です。


問41解説

令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験配線図問41該当部分
令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験配線図問41該当部分
令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問41
令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問41

ポイント

複線図を描けて、リングスリーブの選定を理解していることが必要です。

実際に解いてみる

必要な部分を単線図のみにします。

令和5年下期午前第2種電気工事士問41単線図拡大(わたなべ作成)
令和5年下期午前第2種電気工事士問41単線図拡大(わたなべ作成)

隣の部屋にいく配線の中に部屋を渡るスイッチや照明はないので、L、Nの2芯だけです。
複線図を描いていきます。

令和5年下期午前第2種電気工事士問41複線図(わたなべ作成)
令和5年下期午前第2種電気工事士問41複線図(わたなべ作成)

複線図を描くとこうなります。

今回問われているリングスリーブ(点線部)は

$$
\begin{array}{|c|c|c|} \hline
電線の組み合わせ& リングスリーブ& 刻印\\\hline
1.6mm×2本&小& 〇\\\hline
1.6mm×3-4本& 小& 小\\\hline
1.6mm×5-6本& 中& 中\\\hline
2.0mm×2本& 小& 小\\\hline
2.0mm×3-4本& 中& 中\\\hline
2.0×1本、1.6×1-2本& 小& 小\\\hline
2.0×1本、1.6×3-5本& 中& 中\\\hline
2.0×2本、1.6×1-3本& 中& 中\\\hline
\end{array}
$$

電線の断面積の合計が8〔m㎡〕以下なら「小」
電線の断面積の合計が8〔m㎡〕越え~14〔m㎡〕以下なら「中」
電線の断面積の合計が14〔m㎡〕越えなら「大」

今回の問題では
青色の白線4本の2.0mm×1本、1.6mm×3本は中リングスリーブで刻印は「中」
黒線3本の2.0mm×1本、1.6mm×2本は小リングスリーブで刻印は「小」
赤線、黒線1本ずつの1.6mm×2本は小リングスリーブの刻印は「〇」

よって答えは「ニ」です。


問42解説

令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験配線図問42該当部分
令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験配線図問42該当部分
令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問42
令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問42

ポイント

複線図を理解して描けること。

実際に解いてみる

問41と同じ部分なので複線図は

令和5年下期午前第2種電気工事士問42複線図(わたなべ作成)
令和5年下期午前第2種電気工事士問42複線図(わたなべ作成)

今回問われているケーブルは点線部分は3芯です。

よって答えは「ロ」です。


問43解説

令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験配線図問43該当部分
令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験配線図問43該当部分
令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問43
令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問43

ポイント

複線図を理解して描けること、差込形コネクタを理解していること。

実際に解いてみる

問41と同じ部分なので複線図は

令和5年下期午前第2種電気工事士問43複線図(わたなべ作成)
令和5年下期午前第2種電気工事士問43複線図(わたなべ作成)

今回問われているケーブルは点線部分は2本つなぐ所×2か所、3本つなぐ所×2か所、4本つなぐ所×1か所です。
差込形コネクタは2本用×2個、3本用×2個、4本用×1個

よって答えは「イ」です。


問44解説

令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験配線図問44該当部分
令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験配線図問44該当部分
令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問44
令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問44

ポイント

写真と図記号を一致させましょう。
こういう問題では正解以外の選択肢の図記号と写真も一緒に覚えておきましょう。

実際に解いてみる

選択肢を一つずつみていきます。

「イ」はペンダントです。

ペンダント
ペンダント

天井からコードやチェーン、パイプなどで吊り下げて使います。
図記号は

ペンダント(白熱灯)
ペンダント(白熱灯)
ペンダント(蛍光灯)
ペンダント(蛍光灯)

2通りあります。
問題の図記号はペンダント(白熱灯)です。

よって答えは「イ」です。

「ロ」はシャンデリアです。

シャンデリア
シャンデリア

天井に取り付けて複数の光源を持つ装飾用照明です。
図記号は

シャンデリア(白熱灯)
シャンデリア(白熱灯)
シャンデリア(蛍光灯)
シャンデリア(蛍光灯)

2通りあります。

「ハ」は引掛シーリングです。
丸形と角型がありますが、これは丸形です。
天井に照明器具を取り付けるための器具。

引掛シーリング(丸形)
引掛シーリング(丸形)

図記号は

引掛シーリング(丸形)の図記号
引掛シーリング(丸形)

「ニ」はシーリングライト(天井直付け)です。
天井に取り付けて使われる照明です。

シーリングライト(天井直付け)
シーリングライト(天井直付け)

図記号は

シーリングライト(天井直付け)(白熱灯)
シーリングライト(天井直付け)(白熱灯)
シーリングライト(天井直付け)(蛍光灯)
シーリングライト(天井直付け)(蛍光灯)


問45解説

令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験配線図問45該当部分
令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験配線図問45該当部分
令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問45
令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問45

ポイント

漏電遮断器の図記号と写真の見分け方を覚えましょう。

実際に解いてみる

図記号のBE

過負荷保護付き漏電遮断器
過負荷保護付き漏電遮断器

過負荷保護付き漏電遮断器です。
地絡(漏電)が発生したときに電路を遮断します。

過負荷保護がない漏電遮断器の図記号は

漏電遮断器
漏電遮断器

漏電遮断器の見分け方は
漏電遮断器は「テストボタン」が付いています

漏電遮断器のテストボタン
漏電遮断器のテストボタン
問題の選択肢より画像作成

今回の問題では「ロ」と「ハ」にそれぞれテストボタンが付いています。

配線図は単相3線式100/200Vなので、3芯の線が使われます。
漏電遮断器も3Pタイプの「ハ」

よって答えは「ハ」です。


問46解説

令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験配線図問46該当部分
令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験配線図問46該当部分
令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問46
令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問46

ポイント

写真と図記号を一致させましょう。
こういう問題では正解以外の選択肢の図記号と写真も一緒に覚えておきましょう。

実際に解いてみる

選択肢を一つずつみていきます。

「イ」はアウトレットボックスです。

アウトレットボックス
アウトレットボックス

アウトレットボックスは電線管工事やケーブル工事で電線の接続場所に使用するボックスです。電線管やケーブルを差し込むための打ち抜き部がいくつもあります。技能試験では良く使います。

図記号は

アウトレットボックス

似たものでコンクリートボックスがあります。

コンクリートボックス
コンクリートボックス(モノタロウ引用)

コンクリートボックスの図記号も同じです。
コンクリート内に電線接続用のボックスです。
見分け方は縁にコンクリート型枠への取付け用の突起があって、底面部にも蓋があります。

今回の図記号はアウトレットボックスかあるいはコンクリートボックスですが、選択肢の中にはアウトレットボックスのみなので答えは「イ」です。

「ロ」はプルボックスです。

プルボックス
プルボックス

電線管工事で通線を容易にするため、配管途中に設けるボックスです。必要な位置に穴をあけて使います。電線を接続したり、分岐することがあります。

図記号は

プルボックス
プルボックス

アウトレットボックス、プルボックスなどで金属製のボックスは電線の入り口にゴムブッシングを取り付けて電線を保護します。

ゴムブッシング

「ニ」はVVF用ジョイントボックスです。

VVF用ジョイントボックス
VVF用ジョイントボックス

隠ぺい場所でケーブル同士を接続する場所に使用するボックスです。黒い台座と透明のカバーが特徴です。
ケーブル同士を接続するので、ケーブルと金属管や合成樹脂管は接続できません。

図記号は

VVF用ジョイントボックス
VVF用ジョイントボックス

「ハ」は埋込形スイッチボックスです。

埋込用スイッチボックス
埋込形スイッチボックス

壁の中にスイッチやコンセントを取り付けるときに使われるボックスです。
コンセントやスイッチの取付けはケーブルが入る埋込形スイッチボックスにスイッチやコンセントをつける埋込連用取付枠があります。
埋込形スイッチボックスと連用取付枠をつけるために塗りしろカバーが必要なこともあります。


問47解説

令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験配線図問47該当部分
令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験配線図問47該当部分
令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問47
令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問47

ポイント

工事の内容を理解して何を使うか頭の中で整理しましょう。

実際に解いてみる

(E19)とあるので19mmのねじなし電線管を使うとわかります。
ねじなし電線管の加工は切る、面取り、曲げるです。

金属管の加工では
切断時に金切のこ、高速切断機、パイプカッターを使います。

金切のこ、パイプカッター、高速切断機
金切のこ、パイプカッター、高速切断機(モノタロウ引用)

切断した後の内面のバリ取りはリーマとクリップボール
切断面のバリ取りは平やすりを使います。

クリップボール、リーマ、平やすり
クリップボール、リーマ、平やすり(モノタロウ引用)

金属管を曲げるときはパイプベンダを使います。
太い金属管は油圧式パイプベンダで曲げます。

パイプベンダと油圧式パイプベンダ
パイプベンダと油圧式パイプベンダ(モノタロウ引用)

電線管の中にIV線を通すので

呼び線挿入器(通線器)
呼び線挿入器(通線器)

「ニ」は合成樹脂管カッター

合成樹脂管カッター
合成樹脂管カッター

合成樹脂管を切るときに使うもので、金属管を切るときには使いません。

よって答えは「ニ」です。


問48解説

令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験配線図問48該当部分
令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験配線図問48該当部分
令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問48
令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問48

ポイント

複線図を描けることと、不要な部分をカットすることが大切です。

実際に解いてみる

令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験配線図問48該当部分
令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験配線図問48該当部分

これをみると配線図は膨大で⑱の部分で関係するところは結構広いです。

問48単線図
問48単線図

問48の単線図を抜き出すとこうなります。
配線図は大きくて大変そうです。
求めるのが赤い丸の結線のリングスリーブです。

問48単線図必要部分のみ
問48単線図必要部分のみ

緑色の四角はこの中で回路は完結していて、求めるジョイントボックスから行く配線はLとNの2本だけです。

同じく青色の四角はこの中で回路は完結していて、求めるジョイントボックスから行く配線はLとNの2本だけです。

求める単線図は

問48求める単線図
問48求める単線図

これを複線図にすると

問48複線図
問48複線図

求める電線接続のリングスリーブを考えていきます。
接地側電線「N」から青色の白線5本は「中」リングスリーブ
非接地側電線「L」からの黒線4本は「中」リングスリーブ
「ケ」に繋がる赤線と黒線は「小」リングスリーブ
「コ」につながる白線と黒線は「小」リングスリーブです。

よって答えは「イ」です。

リングスリーブと電線を一覧にすると

$$
\begin{array}{|c|c|c|} \hline
電線の組み合わせ& リングスリーブ& 刻印\\\hline
1.6mm×2本&小& 〇\\\hline
1.6mm×3-4本& 小& 小\\\hline
1.6mm×5-6本& 中& 中\\\hline
2.0mm×2本& 小& 小\\\hline
2.0mm×3-4本& 中& 中\\\hline
2.0×1本、1.6×1-2本& 小& 小\\\hline
2.0×1本、1.6×3-5本& 中& 中\\\hline
2.0×2本、1.6×1-3本& 中& 中\\\hline
\end{array}
$$


問49解説

令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問49
令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問49

ポイント

コンセントの写真と図記号などを合わせて覚えましょう。

実際に解いてみる

「イ」は接地端子付きコンセントです。

接地端子付きコンセント
接地端子付きコンセント

電気機器の接地線を接続するための接地端子がついたコンセント。

図記号は

接地端子付きコンセント
接地端子付きコンセント

「ロ」は接地極付接地端子付コンセントです。

接地極付き接地端子付きコンセント
接地極付接地端子付コンセント

電気機器に接地線を接続する接地極と接地端子両方をもつコンセント。

図記号は

接地極付接地端子付コンセント
接地極付接地端子付コンセント

「ニ」は接地極付きコンセントです。

接地極付きコンセント
接地極付きコンセント

接地極付き電源プラグを差し込むためのコンセント。

図記号は

接地極付きコンセント
接地極付きコンセント

「ハ」は単相200V、20[A]接地極付きコンセントです。

単相200V、20[A]接地極付きコンセント
単相200V、20[A]接地極付きコンセント

配線図を探すと

2階部分配線図
2階部分の配線図
1階部分配線図
1階部分の配線図

3つみつかりますが、「ニ」の接地極付きコンセントがありません。

よって答えは「ニ」です。


問50解説

令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問50
令和5年下期午前第2種電気工事士学科試験問50

ポイント

実際につかう道具、資材の写真を組み合わせて覚えましょう。
写真の組み合わせがおかしくないか、今回の配線図で使うかの2段階で考えましょう。

実際に解いてみる

「イ」はねじなし電線管用カップリング、ねじなし電線管です。

ねじなし電線管用カップリング、ねじなし電線管
ねじなし電線管用カップリング、ねじなし電線管

ねじなし電線管同士をつなぐときにカップリングを使います。
ねじが二つ付いているのが特徴です。

今回の配線図では車庫にねじなし電線管があるので使います。

「ロ」はボックスコネクタ、アウトレットボックスです。

ボックスコネクタ、アウトレットボックス
ボックスコネクタ、アウトレットボックス

ボックスコネクタは2種金属可とう電線管をボックスに取り付けるときに使います。
アウトレットボックスはケーブルや電線管を接続する場所です。

今回の配線図で2種金属可とう電線管は使っていないのでボックスコネクタは使いません。

似た商品でねじなし電線管をアウトレットボックスにつなぐための「ねじなし管用ボックスコネクタ」があります。
ねじなし管用ボックスコネクタはねじが2本ついているのが特徴です。

ねじなし管用ボックスコネクタ
ねじなし管用ボックスコネクタ(モノタロウ引用)

よって答えは「ロ」です。

「ハ」は埋込形スイッチボックス、連用取付枠です。

埋込形スイッチボックス、連用取付枠
埋込形スイッチボックス、連用取付枠

壁の中にスイッチやコンセントを取り付けるときに使われるボックスです。
コンセントやスイッチの取付けはケーブルが入る埋込形スイッチボックスにスイッチやコンセントをつける埋込連用取付枠があります。

今回の配線図ではスイッチやコンセントの取付けに使います。

「ニ」はリングスリーブ(E型)、リングスリーブ用圧着ペンチです。

リングスリーブ(E型)、リングスリーブ用圧着ペンチ
リングスリーブ(E型)、リングスリーブ用圧着ペンチ

ケーブル同士を接続するときにリングスリーブで圧着します。
圧着するときに圧着ペンチを使います。

リングスリーブ用圧着ペンチは持ち手部分が黄色が特徴です。


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