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【33.楽譜のこと🎼】ペダルだけのための教則本

今回はペダルに特化した楽譜(テクニック教本)を紹介します。31. 32.の記事でペダルについて取り上げましたが、その考え方の根本を教示してくれる一冊です。これから本格的にピアノを学習されようとする方も、ある程度ペダルの知識やテクニックをお持ちの方もペダルに関して学びを深くすることができると思いますので、是非ご一読ください。


ペダルの練習帳Ⅰ

「ペダルってどんなもの?」の章から始まり、「ステキに仕上げましょう!」で子犬のワルツ(F.ショパン)のペダリングまでを解説しています。ペダルの仕組みはもちろんペダルの歴史にも言及されておりペダルについて詳細に知ることができます。「まずは踏んでみましょう!」で音を出さずにペダルを踏む、離すの練習からスタートしていきますので、初心者の方にも取り組みやすくなっていると思います。「リズムペダル」→「レガートペダル」→「シフトペダル」→「ペダルの深さを変える」と段階を経てペダルが踏めるように解説されていますので、ご自分のペースに合わせて取り組めるでしょう。新しいテクニックが出てきた時には練習曲のような簡単な曲が用意されていますが、そのテクニックを用いての練習曲は少々初心者の方には難しいかもしれません。


ピアノ・ペダルテクニック基礎編

「ペダルの練習帳Ⅰ」と同じ著者ですので書かれている内容に違いがある訳ではありません。が「ペダルの練習帳」に比べてペダルの構造の説明がやや簡略化されている印象です。「ピアノ・ペダルテクニック基礎編」ではより高度なペダルの踏み方を学習するような内容になっています。「2声・3声の美しい響きの為に」や「非和声音を含む旋律」のペダリング、「浅くすばやい動き」のペダリング、など「ペダルの練習帳」よりも高難度で実践的なテクニックの解説がなされていると思います。ワンポイントレッスンで扱われている曲も「メヌエットニ短調」(アンナ・マグダレーナ・バッハのためのクラヴィーア小曲集より)、「ソナタKV310第2楽章」(モーツァルト)、「厳格なる変奏曲Op.54主題と第2変奏」(メンデルスゾーン)と高難度の曲になっています。初心者の方には手強いかもしれませんね。

この教本にはDVDが付録されていますが、このDVDにはマルチアングル機能が備わっています。メイン画面で全体、手元、足元の3つの画面が構成され、手と足の連動や全体的な動きを一画面で学べます。またサブ画面では楽譜と足元の映像で、より細かい足の動きを学ぶことができます。


ピアノ・ペダルテクニック実践編

基礎編に続いて実践編です。基礎編に比べてかなり高度になっています。こちらは目次を紹介していきます。

  1. まずはレガートペダルを復習(朝の祈り チャイコフスキー)

  2. 旋律に陰影をつけて思い切り歌う(プレリュードロ短調Op.28-6 ショパン)

  3. 豊かなハーモニーの中で旋律を歌わせる(ヴェネチアのゴンドラの歌 メンデルスゾーン)

  4. 非和声音が入った多声体を濁らせない(装飾的コラールOp.68-42 シューマン)

  5. リズミカルな動きのバロック音楽には(ジグ トーマス・オーガスティン・アーン)

  6. 古典派緩徐楽章を美しく弾く(ソナチネOp.36-4第2楽章 クレメンティー )

  7. オーケストラのような響きを引き出す(ソナタOp.27-1第2楽章 ベートーヴェン)

  8. スケールの動きに色を添える(即興曲Op.90-2 シューベルト)

  9. 夢みるような響きを求めて(トロイメライ シューマン)

  10. ハーモニーをたっぷり味わう(愛の歌 グリーグ)

  11. 響きにグラデーションを(間奏曲Op.117-2 ブラームス)

  12. すばやい動きも明瞭に(プレリュード変ホ短調Op.28-14 ショパン)

  13. 長さと深さを工夫してワルツを弾く(ワルツイ短調Op.34-2 ショパン)

  14. 夏の光をペダルで表現(亜麻色の髪の乙女 ドビュッシー)

  15. 揺れ動く情景をペダルで描き出す(舟歌 チャイコフスキー)

  16. 遠くまで響きわたる鐘の音のように(沈める寺 ドビュッシー)

  17. 響きを明るくする(ソナチネ第2楽章 ラヴェル)

  18. 音が闇の中に溶け込んでいく・・・(夜想曲第4番 フォーレ)

  19. 平凡な響きからすっきりとした立体的な響きへ(ソナタOp.110終楽章 ベートーヴェン)

  20. 出すぎず引っ込みすぎない低音の響き(プレリュード第1番 ドビュッシー)

またソステヌートペダルの使用についてラフマニノフのプレリュードOp.3-2を例に挙げて解説されています。

上記の曲を全曲、または一部についてペダリングアドバイスとして詳細に解説されていますので、これらを実践的に学んでいけば相当な上達が望めるでしょう。


最後に・・・
私もペダリングのみに特化したレッスンは受けたことがありませんでしたので、こちらの教本を使用してのセミナーに伺った時には「こんなレッスンが受けてみたかった」と感激しました。皆さんの中には「もう初めからこんなレッスン受けてるよ」という方もおられるとは思いますが、なかなかそのようなレッスンを受けられた方は少ないのではないでしょうか。これらの教本はペダリングに悩んでいらっしゃる方でしたら何かのヒント、いやいやこれから先のペダリングのバイブルになってくれると思いますので是非ご一読ください☺️


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