見出し画像

【30.演奏してみよう🎶】指くぐり・指かぶせ・指かえ

記事24にて「ポジションという考え方」を紹介しました。今回はそのポジションの次の段階をお話しします。
             関連記事【24.ヒント💡】ポジションという考え方

ポジションを理解され、その感覚を養われた方が次のステップに移行すると当然ポジション外の音を弾くことを考えなければなりません。ポジションで弾ける範囲は5度内の音程ですから、6度、7度、8度を弾けるように考えていきましょう。
        音程については  関連記事【29.楽典のこと✏️】音と音の幅

6度・7度・8度の練習の譜例

6度・7度・8度を弾くためには1番の指と5番の指をよく広げなければなりません。1番の指と5番の指が自然な形で広げられるのが5度の間隔ですから、その形を意識しながら5番の指を一音ずつ広げていくようにしましょう。譜例ではドーソの感覚のまま、ドーラ、ドーシ、ドード(1オクターブ上のド)という具合に広げていくようにします。1番の指と5番の指を広げるだけでなく狭めていく方も練習していきましょう。その時に注意したいことは、譜例の写真のように指の位置を5度の音程を弾いている時と同じ形で弾けるようにすることです。音程が広くなるに従って鍵盤の上からではなく鍵盤の手前の側面(体に近い方の側面)を弾いてしまうような形になりがちです。あくまでも鍵盤の上から弾けるようにしていきましょう。手が小さい方にとってはなかなか難しいことかもしれませんが、1オクターブの広がりは頑張って弾けるようになってほしい所です。写真の様子でお分かりかと思いますが、鍵盤の上から弾くとなりますと、1オクターブの場合、ドードの間隔で隣の鍵盤であるレ(下のドの内側)の音や、シ(上のドの内側)の音に触れてしまって上手くいかないということもあり得ますのでしっかりと広げられるように致しましょう。この時の手の広げ方のイメージとしましては、UFOキャッチャーのアームの部分のような形とでも言いましょうか😅そのような形で鍵盤を掴むイメージが大切だと思います。
①はドーラ、ドーシ、ドード(8度上)を繰り返す譜例です。この譜例を発展させて最初のドを省略して次の音ラから始めていきますと、ラード、シード、ドード(8度下)と逆の練習ができますのでそちらも試していきましょう。
②③はドード(8度上)の音程の中で間にいくつかの音が演奏される場合を想定した指使いの例です。6度、7度、8度、またそれ以上の音程の広がりの中では一気にドからその音まで飛躍することばかりではなくいくつかの音を経て到達することもしばしばです。そのような場合、到達する音を目指して下の音から到達する音の間の音を2番、3番、4番の運指で演奏することになりますので、1オクターブの間隔を一度に弾けることだけでなく、間にある音をどのように指を運んで目指す音に到達させるかを考えた指使いも練習しておくと良いでしょう。1オクターブの間隔は問題なく掴めるのに、2番、3番、4番の指が広がらずに②③の練習が厳しい方も時に見かけますし、またこの練習で4つの音を一度に弾く4和音の練習にも発展させられますので是非試してみてください。



指くぐり・指かぶせの譜例と弾き方

次に指くぐりと指かぶせについてお話しします。1オクターブの音を順に弾いていくと音階ができますね。(譜例ではハ長調の音階を解説しています。音階の弾き方は音階ごとに同じであったり微妙に違っていたりします。)音階の練習で指くぐりと指かぶせを解説します。
ハ長調の場合、右手で上行形を弾くときには譜例のように、
指番号・・・1 2 3 1 2 3 4 5(ドレミファソラシド)
右手で下行形を弾くときには
指番号・・・5 4 3 2 1 3 2 1(ドシラソファミレド)
と弾きます。
この時右手の上行形ミーファの指番号が3 1となっていますが、ここが指くぐりと言われる箇所です。写真をご覧ください(写真は上下ともに左から順に進んでいきます)。ミの音を3指で弾いているうちに、3指の下から1指をくぐらせてファを1指で弾きます。ファの音を1指で弾く直前に3指を鍵盤から離し素早く元のポジションの構えに戻します。この時に右の肘が外側に大きく開くことがありますので注意しましょう。また右手で下行形ファーミの指番号が1 3となっていますが、ここが、指かぶせと言われる箇所です。指くぐりと逆の作業をすることになるので結果的に写真だけを見れば指くぐりも指かぶせも同じ形になってしまいます。ファを1指で弾いているうちに、3指を1指の上から被せるようにミの鍵盤上に持っていきます。ミの音を弾く直前に1指を鍵盤から離し素早く元のポジションの構えに戻ります。
左手で下行形を弾く時
指番号・・・1 2 3 1 2 3 4 5(ドシラソファミレド)・・・指くぐり
左手で上行形を弾く時
指番号・・・5 4 3 2 1 3 2 1(ドレミファソラシド)・・・指かぶせ
となり右手の時と同様の運指方法で弾くことができます。
片手ずつで指くぐり、指かぶせの練習をするのはさほど問題ないと思いますが、両手で練習する場合は、
右手・・・上行形
左手・・・下行形
の両手が指くぐりの運指方法を練習したのち、
右手・・・下行形
左手・・・上行形
の両手が指かぶせの運指方法を練習していきましょう。
十分に指くぐり、指かぶせの運指方法に慣れてきましたら、
両手とも・・・上行形
両手とも・・・下行形
の運指方法を練習していきましょう。この運指方法が難しく感じられる方が多いのではないかと思われますのでゆっくり行なってください。



指かえの譜例

次は指かえです。指かえとは同じ音を違う指にかえて弾くということです。譜例はきらきら星の一部ですが、Cポジション外の音が登場しています。この場合よく見かけられるのは、
ドドソソララソー・・・1 1 5 5 5 5 5 
ソ、ラのどちらも5番で弾いてしまうことです。これはこれでピアノを習い始めたお子様がまだよくわからない感じで弾いているのなら微笑ましく見ていられますが、ピアノを弾けるようになりたい大人の方がそのように弾かれていると少々戸惑いを感じてしまいますね。
ここで問題になるのが、2小節目2拍目のソの音を5番で弾いてしまうことです。3小節目にラの音があり、その音を5番で弾かなくてはなりませんので、連続して5番を使用しないように先ほどのソの音を4番にかえておく必要があるのです。このことを指かえと言います。きらきら星の場合、その後に出てくるファファもまたそのまま3番で弾いてしまいますとレレドーが1 1 1 になってしまいますので、2回目のファを3から4番にかえておくのです。


ポジションの中で5指で弾けるようになった後、どのように練習を進めていくかについてお話ししました。ポジションの後には、ポジション外の音を含む音の並びが普通に出てきますので、その対処法を考えました。今回の記事で紹介した練習方法なり、運指方法はそれぞれその名前を覚えることが肝心なのではなく(むしろ名前など知らなくても大丈夫)その練習によって譜読みを楽にする、運指方法によって弾ける音の幅を広げるための方法であると思いますので、ご自身の楽譜に書かれている運指などをよくご覧になり、「ここではあの方法ね!」「これは指かえだな!」等よく見当をつけて譜読みされると良いでしょう。ポジション外の音の並びが難なく譜読みできるようになったとしても初めのうちは10度くらいの範囲内(例右手だけ)等徐々に範囲を広げられるようにしていきましょう。そうするうちにかなりの広範囲の音が出てきても大丈夫!!!なことに気がつくでしょう😊


最後までお読みくださりありがとうございます😊いつもスキやフォロー、ビューなどで応援いただき感謝申し上げます。大変励みになっております。次回もまたよろしくお願いします🙇‍♀️

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?