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在宅勤務ワーカー、この後どこへ行く?

緊急事態宣言の日(2020年4月7日)、世の中は在宅勤務への移行で不安になっていた
そして、2020年5月25日、緊急事態宣言が全国で解除された。

日本ではオリンピックを迎える2020年だった。多くの人がこれほど不自由を感じる生活を送ることになろうとは誰が想像していたでしょうか。
とはいえ、現実を受け入れてみると、ソフトロックダウンの日本では、生活するための外出は自由、必要な仕事上の外出も可能、友達ともオンラインを使えば意思疎通は可能。こうして在宅勤務を約3ヵ月間続けてみると、もうこのままで良いのではないか、という気にもなっていたし、これまで都内勤務地へ往復3時間を使って通勤していたことが遠い昔のような気もしている自分がいます。

そんな、変化を感じていた頃

日本も経済悪化や教育環境の問題、非日常での心身バランスへの配慮など、総合的な判断により、緊急事態宣言の解除をしてしまいました。

忘れてならないのは、新型コロナウィルス感染に関する情報はかなり共有されてきているものの、疫学的な解決ができたわけではありません。未だ、「アフターコロナ」という言葉を聞きますが、「ウィズコロナ」の方がしっくりきますね。「自粛疲れ」から、一気に外出増加、”以前と同じ”行動様式によるストレス発散をする前に、一呼吸しましょう!

社会に様々な新しい変化がまた起きる時期ですので、ここで、あらためて在宅勤務について考えてみたいと思います。

在宅勤務のメリットを確認しよう

完全在宅勤務を開始した当初にデメリットと思った部分はいくつかあったものの、そういったものも、今まで無かったやり方を自分と周囲の人を含めて日常化するための必要なプロセスにより淘汰されたように感じています。
以前のように、在宅勤務を個人的な理由で選択可能な環境にいた頃とは大きく異なる体験です。これほど困難な状況を共有することはこれまで無かったように思います。

ところで、かつて、個人的な理由で在宅勤務を選択させてもらっていた時代、何が起きていたのでしょうか。

夕方になるとコアなトピックの打ち合わせを開始する、タバコ部屋で人事的な情報交換、意見を言えない会議(何も意見を言わなくても出席することに意味がある?)・・・こんなことは日常的に行われていました。
一方、保育園や学童保育への送り迎え時間を考慮すると勤務時間中に最大限の成果を出すことが当たり前、つまり、それが自分の日常。

自分の場合は開発系の職場だったのもあり、かなり自由度は高めな職場(自由な社員の多い職場?)だったということもありますけれど。。。

「好きな時間に仕事をすること、自分が使える時間に仕事をすること、ずいぶんと違うけれどなぁ」

「物理的に同じ職場に居る意味はなんだろうか」

常に疑問でした。
それでも、こんなことを口にすることもありませんでした。自身がマイノリティでしたから。

2020年の今、多くの社員が在宅勤務となり、重要事項のディスカッションや物事の決定は、参加者や時間を調整して行うのが当たり前となりました。
社会や組織で多様なの意見も吸い上げる仕組みや風土も育っていますし、私自身もできる限り多様な意見を聴いて”裏付けのある解釈”をしてから必要なところへ届けることを心がけています。発信する側へ自分自身も行動変容してきています。

もちろんこれは新型コロナウィルス感染症予防のために在宅勤務が日常化して急に変化したのではなく、仕事の進め方自体がここ20年で変化していたからでしょう。ただ、環境の変化に合わせて強制的に多くの社員が在宅勤務となったことで、加速度的に変化したことを確信しています。
(今でも自分の周りはあまり変わっていないよ、と思われる方もいるかもしれませんが、あなた自身がそれを変えていくチャンスが来ているのです!)

在宅勤務でほとんどのことはできるんじゃない?

「役務提供により収入を得ること」を中心に考えると、モバイルワーカーとして会社員をやっていけるのであれば、在宅勤務はメリットの方が大きいでしょう。全てを在宅勤務で行うべきである、ということではなく、在宅では絶対できない業務を探す方が難しいくらいであると感じている、という意味です。

在宅勤務の課題も知っておこう

一方、在宅勤務を継続する際、暗黙的に家事負担が増加しがちです。

例えば、在宅中の食事です。一人分にしても家族分にしても、確実に家事労働の負荷は高まります。デリバリーや外食など、徐々にバリエーションを増やせるようになってきていますので、メリハリをつけることがお薦めです。

面白いことに、在宅勤務歴も長く、一方で、出勤時や出張では家を空ける時間がかなり長いという私の変則的な働き方は理解しているにも関わらず、完全在宅勤務の初期のには、家族の言動が、
「一日家にいる人」
=「暇そう・・・」
=「食事作ってくれる人」
と思っているのではないか?と思うことがありました(笑)
もちろん、頭ではわかっているのですけれどね。。。

実際は業務継続していますので、異常事態(Abnormal)のための追加業務が増加していたのでかなり多忙でした。
(私の場合は、世間が”おうち時間”というほのぼの系の話題になればなるほど、ストレスを感じるのでした。)

また、以前の記事でも書きましたが、環境面の整備(活動する物理的な場所の確保、人間工学的に良い環境、ネットワーク環境、セキュリティの確保、家族との予定共有・理解、など)は必須です。これらが整わないことは、作業効率低下や健康被害にも繋がりますので、落ち着いて見直す必要がありますね(私も今一度、見直そうと思いました)。

(参考記事)
テレワーク歴20年超のモバイルワーカー、1ヵ月半の在宅勤務でわかったこと
テレワーク歴20年超のモバイルワーカー、テクニカル情報

在宅勤務に関わらずリモート作業では、パソコン画面を見て作業をする時間が増加する傾向にあります。

A: もともとパソコンを使って実施していた業務時間
B: リモート作業になったためにパソコン画面を見ることになった時間
(Web会議時間そのもの+Web会議やメールその他で共有する情報の準備の時間)

在宅勤務時をA+Bとすると、特にBの時間の割合が多い、という方は要注意です。小さな画面を見続けることは、疲労に繋がります。

これまでオフィス環境でも在宅勤務者に対しても VDT(Visual Display Terminals) 作業のガイドラインを徹底することを多くの企業が気にしていたと思いますが、今回の急な対応では追いついていないのではないでしょうか。
「連続作業時間が1時間を超えないように(かつ、1-2回程度の小休止を設ける)」、「10分~15分の作業休止時間を設ける」というアレです。

(参考)厚生労働省:在宅ワークの適正な実施のためのガイドライン

Web会議疲れしていませんか?

リモートになり顔を合わせる機会が減ることで、Web会議が増えた、という方も多いのではないでしょうか。クラウド上での情報共有ツールやメール・チャットも並行活用するものの、やはり会議で、ということも多いかと思います。
私自身も、完全在宅勤務の初期には一日のスケジュールが会議で埋まり、トイレにも行けず、食事もとれない、という状況の日が結構ありました。

まず最初に取るべき対策は、会議自体を減らす案です。会議実施の意味を見直す、業務の進め方を見直すということですね。
次に、既に会議は減らしているけれど、まだまだ多すぎるよ、という方へは、以下がかなりお薦めです。

Web会議をスケジュールする際に、開始後5分の余裕時間や5分前の終了のルールを提案しましょう。

目を休めるだけでなく、心身ともに休める時間を計画的に作るためです。余裕時間は雑談をするとか、立ち上がって飲物を用意する時間にするなどが良いですね。
休憩もスケジュールに含めることで結果的に会議にも集中して参加できますし、一日の作業効率アップにつながると思います。

昨今は心地よい職場環境作りの検討が進んでいましたが、今回のように急な在宅勤務への移行では、ガイドも追いつかず、作業環境の改善責任が個人や家庭に持ち込まれているままではないでしょうか、という話でした。

プライベートでもオンライン飲み会で終わり時間を決めないと。。。という社会問題(!?)もあるようです。良い関係の仲間とこそ、デジタル社会的距離を保って、ほどほどに楽しむのが良いでしょう。

ニューノーマル (New Normal)な社会

緊急事態宣言解除となっても、まったく元の生活に戻るということはできないでしょう。感染リスクを抑えて行動することが当たり前になる、対面でないと出来ない事を最小化することが日常となる、そんな社会に向かっていますね。

在宅勤務が目的ではない通常の選択肢になる

働く環境や仕事の進め方の変化は、かつては異常とされていたことや特殊とされていたことが、日常的なありふれたことであり、当たり前のものとなるとされ、ニューノーマル (New Normal)、「新たな常態」「新しい日常」などの言葉で表現されています。

既に、企業内人事や採用、教育環境など、いろいろな側面での新しい検討がされ、事実として社会では変化が起きています。変化を恐れる人の気持ちはあるでしょうけれど、変化を恐れずに良い日常を探して行くのが良いと思います。

ニューノーマルな社会において、これまでの経験は活かしつつも、過去の常識にはとらわれずに、これまで以上にそう考えるようになりました。

在宅勤務ワーカーはどこで何をしよう・・・

自分は何がしたいのか、何ができるのか
そして、どこで、どうすればできるのか

自由な気持ちの方が、大きくなりました。

皆さんは、これからどう生きていきますか?


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