見出し画像

言葉の保存食。

「お腹がすいたよ〜」
 でも食べてしまえば?

 言葉はこのようにして、生まれては役目を終えて死んでいく。
 言葉は生物。適宜口にしていかないと、食べごろを逸してしまう。

 言葉を書き留めるのは保存食。いったん取り置いて、必要になったときに適宜取り出して口にする。
 風味は変わるが、それもまた味。
 乾いて枯れた言葉なら、ドライで深い味がする。
 瞬間冷凍した言葉なら、硬くて冷たい味がする。

 煮たり、焼いたり、干したり、凍らせたり、蒸したり、燻したり。
 手を加えて取り置く言葉を文章と言う。私たちの智と感情の食卓に欠かせない、生と共生する知の食材。

 文章の栄養、たくさんいただいています。

 今日もまた楽しませていただきます。

 いただきまーす!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?