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Dreams are another reality.

夢の世界は、もうひとつの現実なんだよ。

資本主義に絡めとられるすべての拘束具から解放される唯一のシェルター。その存在意義をもう少し深掘りする必要がありそうだ。

なんですって? なんてことを言うんだい。言い訳だって言うのかい? いや違う。断固、違う。ただもう少し眠りたいだけ、なんて、口が裂けても言わない。

Zzzzzzz.

『もうひとつの真実』

(もうひとつの物語)
 
 眠りの中の旅路には、もう一つの現実世界が待っている。異次元ポケットの彼にさえ取り出せないような世界に迷いこむこともある。
 かつて居心地がよすぎて長居してしまった不届き者がいて、その噂が広まったことがあったけど、亀を助けたからといって必ずしも同じところに行けるとは限らない。勘違い者を多数排出したのは無責任な出版社の喧伝によるものだった。
 嘘はつかないでほしかった。海辺であんなに探したのに、亀の子1匹見つけることはできなかった。
 出かけた海辺がヘルシンキだったこともある。宇宙に飛び立ったはずの汽車が地上に停車するのは妙な話だったけれど、そこは夢、なんでもありの世界。
 そこに資本主義社会の屁理屈や足枷、空転する努力目標はない。
 詰まった息を抜き切るバケーション先として、たまに長居したくなる。

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