同窓会で恋が芽生えるのは、年端を重ねた自分が思い出のあの子を抱くことで、戻れないと諦めていた記録の中に連れて行かれるからだ。皺と弛みは痘痕も靨。思い出はすでに息をしていないはずなのに、時間を遡上した恋は触れるものすべてが初々しく、湿気る前のマッチのようによく燃える。
どこにこんな火種が残っていたんだ?
いや、残っていたのじゃないのかも。
いくつになっても色気は残る。美味しいものを食べたいと思うのと同時並行で、人という殻の内側で茫と燃え続けている。
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