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羽衣伝説について(後編)

こんにちは「おともたび」三保松原編の制作チームメンバー、静岡県三保松原在住の、駿河湾のぞむです。

前回の「羽衣伝説について(前編)」では、三保松原に伝わる羽衣伝説の素晴らしさを皆さんにお伝えしたところで、思わぬ横やりが入りました。
(読んでいない人は是非、前編から読んでください。)

そう、三保松原以外にも、「羽衣伝説」は日本国内のあちこちに存在するらしいのです!

こんなことが許されていいのでしょうか?
私は今、銘菓「ひよこ」が福岡発のお菓子なのに、いつの間にか東京みやげになっていたときの福岡県民くらい、怒っています。

ああ、三保松原以外の地域の「羽衣伝説」を根絶やしにしたい!
「羽衣伝説」といえば絶対に「三保松原」そんな世の中にしたい!

そのためには、どうすればいいのでしょうか?

敵を知り、己を知れば100戦危うからず。
我が三保松原の「羽衣伝説」が天下統一を果たすために、その他の地域の「羽衣伝説」について詳しく、詳し~く調べてみました。

そうすると、出てくる出てくる、「羽衣伝説ゆかりの地」が!主なところだけでも、日本国内にこんなにありました!

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どの地域も、「我こそは羽衣伝説ゆかりの地である!」と主張しています。
こうなったら白黒はっきりつけてやりましょう。

こちらのトーナメント表は、私が独断と偏見で選んだ、羽衣伝説が伝わる7地域です。今から真の「羽衣伝説No.1」を決めたいと思います。

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優勝を決めるにあたり、私が重視したいのは「動かぬ証拠」明確なエビデンスです。羽衣伝説に登場する、天から降りてきた天女が、羽衣をかけた痕跡がどこかに残されているはずです。

まずは我が三保松原から、天女が羽衣をかけたところを調査していきましょう。


静岡県 三保松原「羽衣の松」

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いい枝ぶりですね!ほれぼれします。
羽衣をかけるためにあるような松ですね。
完全に本物です。

千葉県千葉市「羽衣の松」

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えっと・・・
どこに羽衣をかけたらいいんでしょうか?
かけにくそうですよね!?

滋賀県 余呉湖「天女の衣掛柳」(天女のきぬかけやなぎ)

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柳・・・?
滋賀県余呉湖に残る羽衣伝説では、天女はこのマルバヤナギという巨木に羽衣をかけたそうですが・・・・ これも羽衣かけにくそうじゃないですか?
私が天女ならこの木は選びませんね。

鳥取県 湯梨浜町 「羽衣石」

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岩! 意外な発想!このでっかい岩に、天女が羽衣を置いたので、「羽衣石(うえし)と呼ばれているそうです。でも待ってください。岩って結構汚いですよね?
やっぱり羽衣をかけるなら松に限ります。

京都府 峰山町

「天女の羽衣に関する木・石などの旧跡なし」

ハイ、論外です。
証拠もないのに羽衣伝説ゆかりの地を名乗らないでいただきたい!

沖縄県 宜野湾市「天女が水浴びをした泉」

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うーん、なんとなくラピュタっぽいですね。
イメージとちがいますね!

大阪府 高石市 「羽衣の松」

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これは・・・
松としてのプロポーションは大変バランスがよく美しいですが、羽衣をかけるには小ぶりで、地面に近すぎる気がします。これでは羽衣が汚れてしまいますね!三保松原の松の敵ではありません。

さて、以上が各地に残る羽衣伝説の証拠というわけですが、いまのところどの地域も優勝するには決め手にかける状況です。ここはひとつ、天女の目線に立って「どの地域だったら降り立ちたいか」で各地域を比較し、優勝を決定したいと思います。

羽衣を奪われた天女は、その後どのような運命をたどったのでしょうか?
こちらが各地域ごとの、天女の運命です。よく読んでみてください。

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・・・・三保松原以外の地域、ひどくないですか?
泥棒の妻にさせられたり、泥棒に酒造りをさせられたり、ストーリーがあやふやだったり。

あなたが天女だったら、どの地域に降り立ちたいですか?

決まっています!三保松原です!

ほかの地域で待ち受けている運命は、いくらなんでもハードすぎます!

ということで、初代「羽衣-1グランプリ」優勝は三保松原に決定しました!

私は思うのです。頼んだらすぐに羽衣を返してくれたというエピソードは、三保松原の人々の優しさを表しているのではないでしょうか?
そう、ほかの地域のようなハードなエピソードを語り継いでいくことは、繊細な私たち静岡県民には耐えられないのです。

長くなりましたが最後に、声を大にして言いたいと思います。

「三保松原の人は、とっても優しいよ!
 何度でも、遊びに来てね!」

―おわり―


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