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【就活】SIerに向いてる人ってどんな人?5選

はじめに(当記事の目的)

就活をする際には業界選びは非常に大切で、業界との相性が悪いとどの企業を選んでもうまくいかないことが起こります。そこで今回はSI業界と相性の良い人の特徴をいくつか挙げてみました。業界選びの参考にしていただければ幸いです。

本記事の対象者

・業界選びをしている就活生
・SI業界に興味のある就活生あるいは転職者

SIerに向いてる人

昨今は転職を見据えた就活をする人が増えており、ビズリーチの調査結果では「就活生の7割の人が企業に依存しないキャリア形成を意識している」とあります。

出典:ビズリーチ, 将来のキャリアに関する調査

一方で、マイナビの調査結果によると「就職先には安定性を求める」との回答が最多。年々増加傾向にあります。(下記図)

出典:マイナビ, 2023年卒大学生就職意識調査

これらの結果から考えると、「安定性があり、かつ、いつでも転職できるようなキャリア形成ができる会社」を選ぶのが昨今の就活生の考え方だと思います。結果、インターツアーの調査結果にあるようにIT業界を志望する学生が多いのでしょう。

出典:インターツアー, 業界別志望度・関心度調査

ただ、IT業界といっても実は様々な業種があるため、どの業種を選ぶかが非常に重要な選択となります。SIerにするのか、ITコンサルにするのか、自社Webサービス会社にするのか、自社パッケージ会社にするのか、通信キャリアにするのか。

今回はSIerの記事なので、就活でミスマッチとならないようにSI業界の特徴を踏まえながら説明していきます。SIerに向いていると考える人の特徴は下記の通り。

  1. 接客業が好きな人

  2. 実装以外の作業も苦にならない人

  3. 個人戦よりもチーム戦が好きな人

  4. 作業環境の制約に耐えられる人

  5. 高年収よりも安定性を重視したい人

1.接客業が好きな人

SI業界はサービス業(接客業)です。これは業界を理解する上で大切で「顧客の要求に応えてITサービスを提供し対価を得ること」がSI業界の仕事です。

日本産業分類上でも "情報サービス業"に分類されており、東洋経済新聞や日経新聞ではITサービス業と呼ばれていることからもサービス業であることが分かります。(下記図)

出典:筆者作成資料

ITサービスの代表例はシステム構築や運用保守ですが、業務データの分析といったサービスを展開している企業もあります。

SI業界は顧客の要望に基づいて必要な人員を確保して作業をするので比較的に安定した収益を確保できる事業です。すなわち労働者視点でも安定性のある仕事だと言えます。

一方で、顧客向けサービスとなるがゆえに下記のような職場環境・仕事内容になりがちです。

・客先常駐にて作業をする
→工場敷地内の建物だったりもする

・顧客支給のパソコンを使う
→低スペックなPCが多い

・テスト結果等の資料も作る
→資料作りに膨大な時間を要する

いずれも顧客企業におけるセキュリティ対策だったり、内部統制報告制度(J-SOX)のために必要な作業だったりするのですが、華やかなIT業界のイメージとは異なるかもしれません。

このようにSI業界も一長一短はありますが、考え方としては顧客の要望に応えるサービス業なので、接客アルバイトが好き・得意だった人には向いていると思われます。(接客好き+IT好きだと尚良い)

2.実装以外の作業も苦にならない人

システム構築というとプログラミング作業を想像する人が多いと思いますが、実はシステム構築においてプログラミング作業は一部分でしかありません。それ以外の工程では様々なドキュメントを作成したりテストをしたりしながらシステムの品質を高めていきます。(下記図)

出典:筆者作成資料

プログラミングが好きな人にとっては大量の設計書やテスト結果資料は意味が無いように感じるかもしれませんが、SI業界で受託する顧客企業のシステムは重要度の高いものが多く、システム障害が発生すると場合によっては数千万〜数億円の損失が出てしまうこともあるため、ドキュメントは非常に大切です。

ゆえにSI業界ではドキュメント作成が中心になるといっても過言ではありません。こういった作業も必要ならば仕方ないと割り切って淡々と作業できる人が向いていると感じます。

3.個人戦よりもチーム戦が好きな人

エンジニアというと個人あるいは数名での作業をイメージするかもしれませんが、SI業界で構築するシステムは規模が大きいことからプロジェクトチームを組んで作業が進められます。プロジェクトの規模で人数は変わりますが、小規模だと数名、大規模だと100名を超える場合もあります。
下記に役割分担の一例を挙げます。

出典:筆者作成資料

顧客企業の情報システム部よりシステム構築を受託した元請けSIer(プロジェクト主幹部門)は、システム構築に必要な要素を抽出して役割を分けます。上記例ではアプリケーションをサブシステム毎に分割して1次下請けに作業を割り当てており、人手が更に必要となる場合には2次下請けから要員を追加して対応します。これがアプリ部分で、インフラ構築はインフラグループへ、他システム改修は他システムグループへと作業を依頼しています。

このようにSI業界のシステム構築は多数の開発者がコミュニケーションを取りながら作業が進められるため、チーム戦を好む人の方が合うと思われます。

4.作業環境の制約に耐えられる人

SI業界では顧客企業から支給されるパソコンを使って開発をする場合が多いのですが、安価で低スペックなものが支給されがちです。また、インストールできるソフトウェアも制限がされています。これはコスト削減だったりセキュリティ対策だったりが目的なのですが、プログラミング作業者からすると不満が抱きやすい点かと思います。

出典:筆者作成資料

上記のようにプログラミングは一部の工程なので全ての作業に支障があるわけではありませんが、こういった制約は必要なもの・仕方のないものと割り切って作業できる人の方が向いていると感じます。(補足:テストや運用保守でも一部のソフトウェアは使いますが、上流工程はドキュメント作成が中心となります)

5.高年収よりも安定性を重視したい人

SI業界はどちらかと言えば安定性を重視した選択となります。例えば高年収で有名なコンサル業界は景気変動の影響を受けやすい事業とされており、リーマンショックのような経済危機の際には仕事(給料)が減りやすいと言えます。

SI業界でも経済危機の際には顧客がIT予算を削減するので新規システム構築は激減しますが、老朽更新や法令対応等のプロジェクトや運用保守の仕事は残ります。(顧客業種によっても仕事量は変わります)

ただ、SI業界でも3次以降の下請けやフリーランスで開発プロジェクトの実装工程のみの一時的な応援部隊として事業を行なっている場合は注意が必要です。景気後退時には新規プロジェクトが無くなるので次の現場が見つからないといった事態が発生しやすくなります。こういったことを考えても元請け、あるいは運用保守を任される1次下請けの企業を選ぶと、より安定性は増すと思います。

おわりに

今回は就活での業界選びの参考としてSI業界に向いている人をいくつか挙げてみました。基本的にはサービス業ですので、顧客の要望に応える仕事です。ゆえに最新技術に触れられないこともあるでしょうし、ドキュメント作成に大量の時間をかけるようなこともあるでしょう。

こういった業界の特徴を感じとって上で企業を選ぶと就活のミスマッチを減らせると思いますので参考にしていただければと思います。

では今回はここまでです。
最後までお読みいただきありがとうございました。

参考資料、参考リンク

将来のキャリアに関する調査-ビズリーチ

2023年卒大学生就職意識調査-マイナビ

業界別志望度・関心度調査-インターツアー

更新履歴

2023年2月18日 初回公開

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