『音吉伝』改訂版掲載に当たって
皆さん、こんにちは。私は『音吉伝』の著者、篠田と申します。
日ごろ、拙著を愛読していただきありがとうございます。
発刊当初より。多くの方々に格別のご評価をいただきました。「少しは音吉の魅力が伝えられたのかな」と思っているところです。
ご評価いただいた中には、「幕末に、海外でこのような活躍をしていた日本人がいたとは、まさに歴史観を変える読み物となった。」とか、「音吉を探求するアプローチがいかにも斬新で説得力がある」と言った過分なる感想もいただいています。
こういったうれしい評価の一方で、残念なことに誤表記についても、多くの方々からご指摘を受けるところです。
全く皆さんにご迷惑をおかけし、申し訳なく思っています。
『音吉伝』の第3章の中に、村上貞助の言葉として「こんな間違いだらけの文書には署名しません。文書は百年先まで残り、署名した当人の人格まで疑われるからです」という文章を引用しながらこのざまは本当に恥ずかしい限り、心よりお詫びを申し上げる次第です。
対応といたしましては、改訂の折に是正と考えていましたが、そこまで行き着つくには幾つかの関門があり、苦慮していましたところ、周知の方法として「ノーツ」で公表しては、とのご提案をいただきました。
これは有難きご提案、この機に、誤表記を改めるとともに若干の文章を入れ替えをして、改訂版として発表することといたしました。
音吉のように、実名入りの史料が乏しい人物を描くとき、仮説や状況証拠の掘り下げによるしかなく、新しい事実が見つかるたびに微調整が必要になります。初版を上梓して早3年、その微調整の時期に来てもいます。
小生にとりまして、改訂版の公表は、最近の懸案でありましたから有難い限りです。どうぞ読者の皆様とともに、音吉の人間像を深めてまいりたいと思いますので何卒宜しくお願いいたします。
なお『音吉伝』をより一層ご理解していただくために、音吉の顕彰会である“潮騒令和塾”が音吉講座を開催していして、その模様をユーチューブでライブ配信しています。合わせてご覧いただければ理解が深まるかと思い、ご案内いたします。
令和4年12月吉日
『音吉伝』著者 篠田泰之
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音吉伝――知られざる幕末の救世主―― 改訂版
三浦綾子著『海嶺』に出会い、江戸末期の漂流民音吉を知った。こんな偉人が埋もれていたとは今更ながらに驚いた。彼の地に日本の民主主義を芽吹かせ…
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