【注目】東京オリンピック陸上競技/女子5000m予選

東京オリンピック陸上競技の大会初日(7月30日)には、『女子5000m』予選が予定されています。

前回大会では、上原美幸選手(第一生命/鹿児島県出身)が、日本人選手20年ぶりの決勝進出を果たした種目です。

前回と同様の決勝進出条件であれば、予選は2組実施され、各組の上位5着までと6着以下の中から、タイムの良かった5名が通過となります。


19時ちょうど開始予定の予選1組目には、廣中璃梨佳選手(日本郵政グループ/長崎県出身)と、萩谷楓選手(エディオン/長野県出身)が出走予定です。
この組には、2年前の世界陸上で、『女子1500m』と『女子10000m』の二冠を達成しているシファン・ハッサン選手(オランダ)に、14分15秒前後のベストタイムを持つエジガエフ・タエ選手とセンベレ・テフェリ選手のエチオピア代表コンビに、アグネスジェベト・ティロップ選手とリリアンカサイト・レンゲルク選手のケニア代表コンビ、潜在能力が未知数のサラ・チェランガット選手とプリスカ・チェサン選手のウガンダ代表コンビ、14分26秒台のベストを持つアメリカ代表のカリッサ・シュバイツァー選手、ケニア出身のトルコ代表のヤセミン・ジャン選手などなど、正に死の組といった組み合わせとなりました。
正直、着順通過を狙えるのはスプリント力に定評のあるエチオピア勢でしょうから、着順通過狙いというよりも、タイムで拾われるように、1000mを過ぎたあたりから、ある程度速い展開で進みそうです。
廣中選手と萩谷選手は、前回大会で決勝進出を果たした上原選手のように、大半の選手がペースを探りあっている序盤に大逃げして、日本記録を更新するくらいの走りを見せないと、予選通過は厳しいと言わざるを得ません。


19時26分開始予定の予選2組目には、田中希実選手(豊田織機TC/兵庫県出身)が出走予定です。
グダフ・チェガイ選手(エチオピア)と、ヘレン・オビリ選手(ケニア)の2選手が14分20秒を切るベストタイムを持っており、頭一つ以上抜きんでています。
逆にいえば、この二人にとってタイムは必要なく、いかに無駄な力を使わずに決勝進出を果たすかが重要で、無理して序盤からペースを上げる必要がありません。
そうなってくると、この組からはタイムで拾われる選手が出てこないことになってしまうので、田中選手がどのタイミングで飛び出すのか、また飛び出す余力を持って走れるかが、日本人選手2大会連続決勝進出のカギとなってきそうです。
ラストスパートに定評のある田中選手には、本調子なら願ってもない組み合わせとなりましたが、世界を相手にどのような展開を見せるのか注目です。


今大会は、予選1組目にかなり有力選手が偏った感じがありますが、初めて導入されたワールドランキング制度等の影響もあるのでしょう。
予選1組目の廣中選手と萩谷選手には日本記録更新を、田中選手には着順での予選通過を目指して、できれば複数の日本人選手が決勝に残れることを願います。