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ウィンナーコーヒーと出会った日

あれはお中元を買いに行く
母について出かけた
あるデパートの一階

黒板色の大きな看板に、
色んなコーヒーの名前が書いてある

ブラックコーヒーとカフェオレしか
知らなかった私は

何がなんだか分からず
とりあえず正体不明だった
ウィンナーコーヒー頼む

カウンターで母とお喋りしながら
はじめてのカウンター席にもドキドキしていた

その時、目の前にあらわれたのは、
くっきりとしたクリームがのった
飲み物

これは何?
どうやって飲むの?

ひとまずクリームを
スプーンでひと口

思った以上に、固めで甘くて
ミルクの香りがしっかりとして美味しい
牧場で食べるソフトクリームの味がした

カップに口をつけると
その厚みもちょうどクリームが
飲みやすい厚さ

クリームとコーヒーが溶け合った境目は
ほんのり冷たくて、カフェオレみたい

混ぜないで飲んでみると
温かく苦味のあるブラックコーヒーにも出会えた

色んな味がして面白い

飲み進めると
溶けていくクリームに
冷やされていくコーヒー

クリームでとろみがついて
口当たりがほんのりと
やさしくなっていく

今まで飲んだどんなジュースよりも
美味しいと感じた

これからコーヒー屋さんに
入るときは、ウィンナーコーヒーにしよう

そう決めたのに、
出会えないことの方が多かった

そして、
クリームの味もお店ごとに少しずつ違う

あのお店の濃厚なクリームの味を
今でもずっと探し続けている