みぞれ
蒸し暑い日が続く
天然水を製氷器にいれ
ひと晩待つ
朝
今日は土曜日
上白糖と水を混ぜて
鍋で沸騰させる
火を弱めて透明になるまで
かきまぜる
そうしてできた、
みぞれのシロップを
冷蔵庫で冷やす
製氷器の氷をガリガリと削ると
白いふわふわした氷が
ふってくる
そこにシロップをかけたものを
「みぞれ」と呼んでいた
みぞれの主役は氷だ
思ったよりも少しだけ氷が固かった
水に砂糖をいれると
ふわふわになるというのは
本当だろうか
次はやってみよう
祖父が暮らした街では、
ここにゆで小豆と果物、
練乳をたっぷりとかけたものがあって
幼い頃から、その味を再現した
氷菓をもらっては食べていた
それはさながらパフェのような色合いで
さっぱりしつつも、贅沢な味だった
「みぞれ」「すい」「甘露」「せんじ」
どう呼ぶかで、
家族の歴史が分かるのかもしれない
何はともあれ、かき氷には
練乳がほしい私だった
写真 太田 貴彦さま