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いつかの恋の味

君の驚いた顔がみたい

そう思いながら
いちごミルクのキャンディーを
口の中で転がす

そうだ!

振り返った後ろの席には
君がいた

不意に目があったので
何も言わずに
胸ポケットに包みを忍ばせた

驚く君の顔

前に居直る私

『いい顔みれた』
したり顔の私

「ありがとな」
低い声と包みを開ける音

たったそのひとことに
不意打ちをくらう

この恋は
口の中にあるキャンディーと
同じ味がした