カエルの不思議発見―「四六のガマ」の科学
カエルを紹介した本です。
理系の本ですが、難しくありません。さらりと読めます。一冊読み通せば、カエルについて、基本的な知識が身に付きます(^^)
写真が多くない代わりに、絵が多く載っています。この絵が、緻密で、素晴らしいです。
もちろん、解説文のほうも、質が良いです。やさしい言葉で、興味深いカエルの生態などが、語られています。
ただ、刊行年が一九九九年と、やや古いのが、難点です。最新の情報を知りたいなら、本書で基本的な情報を押さえた後に、もっと新しい解説書を読まれるとよいでしょう。
カエルと同じ両生類の、イモリやサンショウウオ、アシナシイモリについても、載っています。
以下に、本書の目次を書いておきますね。
はじめに
第1章 カエルという生きもの
1-1 両生類の進化
のそのそ歩きの理由/パンゲア大陸の名残/広い分布/逃げるが勝ち
1-2 声の秘密
カエルのコーラス/鳴き声の仕組み
1-3 からだの仕組み
骨格の特徴/頭部の特徴/目の特徴/優れた視力/口や皮膚の構造/
巧みな保護色/枯葉に擬態するカエル/さまざまな捕食者
1-4 カエルさまざま
世界最大のカエルは?/カエルの歩行速度/世界最小のカエルは?/
地中性のカエルはふっくら型/火ぶくれカエルとは?/
吹き矢の毒になるカエル/気の荒いカエル/土に潜るカエル/
砂漠のアマガエル
第2章 カエルの産卵と子育て
2-1 オタマジャクシはカエルの子
「オタマ」の思い出/卵から幼生へ/オタマジャクシの誕生
2-2 水とカエルの深い関係
水が大事な産卵場所/水離れするカエルたち
2-3 カエルの子育て
オスが子育て/サンバガエルの謎/背中におぶう「子守蛙」/
親の背中にはい登る/恋のテクニシャン/体内受精するカエル
2-4 カエル究極の子育て術
専用の袋で育てる/胃袋で育てる
第3章 日本のカエル
3-1 日本のカエルはどこから来たか
オオサンショウウオとフォッサ・マグナ/氷河期の避寒地
3-2 トノサマガエル
鳥獣人物戯画/カエルの殿様/田園の大合唱
3-3 ダルマガエル
殿様そっくり/古池に飛び込んだのは?
3-4 アマガエル
身近なカエル/アマガエルの天気予報/変色の名手
3-5 ヒキガエル
別名をガマという/身を守る毒/ガマの油売り/抗がん作用もある/
カエルからできる医薬品/四六のガマの正体/ガマの恋歌/ガマの恋愛模様/
新種と移入種
3-6 アカガエル
日本的なカエル/アカガエルの仲間たち/一茶が見たカエル
3-7 タゴガエル
田子さんのカエル/渓流での新発見/一〇〇〇メートルも流れ下る/賢い戦略
3-8 アオガエル
メレンゲの泡の巣/穴の中の泡の巣/カジカガエル/渓流の妙なる調べ
第4章 南西諸島のカエル
4-1 ユニークなカエルたち
東洋のガラパゴス/食用蛙は美味いか?/ピクピク動く脚/美しいカエルたち
4-2 本土につながるカエルたち
アオガエル類/謎のアイフィンガーガエル/待たれる総合調査
第5章 カエルの仲間たち
5-1 アシナシイモリ
巨大なミミズ?/地中生活に適した体
5-2 サンショウウオ
日本に多い/世界最大の両生類ハンザキ/ノアの洪水の犠牲者?/
懐かしのアホロートル
5-3 イモリ
イモリとヤモリはどう違う/観賞用のイモリ/恋の妙薬/保護色と警告色
主な参考文献
日本産両生類リスト
さくいん