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合法夜更かし

積もった雪が音をすって白い雲が月明かりをすって、くらくてしずかでひとりのおさんぽ。

なちくび。モーチカだよ。あすが休みというわけじゃないんだけど、眠れなかったのでさんぽをしました。

踏み固められた雪が日差しでちょと解けたのが凍っており、道がとてもつるつるしていた。さほど寒くはなく、吹く風も心地いい。ありきたりなこと書くけど、暗くて静かな夜の世界は、世界でモーチカひとりきりになったような感じがします。

夜はすきです。中学生のころ、夜ふらっとさんぽに出て補導されたのを覚えています。モーチカは酒もタバコもギャンブルも女遊びもしないので、夜遊びするというよりは、静まり返った眠る街を我が物顔で闊歩するかんじ。夜は暗くて静かでひとりなのがよい。

現代は、やれスマホや電灯の光、動画や車の通る音、人の思想や主張が溢れかえっています。情報の渦。キャパオーバーで脳が悲鳴をあげても、それは雑多ななんか、音とかでかき消されます。うまいこと言えんかった。

お日様が出ると、これらのものが必要以上に照らし出されます。たくさんの人の活動する時間だからだと思います。光が強いと影も濃くなるといいますが、たくさんの情報を得られる反面、なんかつかれちゃう。モーチカはね。

でも(何回も書きましたが)夜は暗くて静かで、ひとりです。息ができないほど満ちていた情報は潮が引いたように減ります。光が弱い分影もまた弱く、コントラストがあやふやな世界です。モーチカの語彙では表せられませんが、なんというのか、すごく穏やかで、心地のいい世界。

モーチカはふつうの人が望むような幸せ…ケッコンしたいとか、おいしいもの食べたいとか、お金がほしいとか、そういうのに疎いです。あまり興味がないというか。その代わり、ふつうの人なら耐えられるストレスに耐えられず、よくお腹を壊したり、うつを患ったりしてきました。今は毎日なんとか生きていけるし 、ストレスもあまりかからないちょーどいい生活を送れています。バランス。

何を言いたいかというと、夜は起伏が少なく、めっちゃたのしいことがない代わり、めっちゃヤなこともないのです。これくらいでいい。モーチカはただ毎日を平凡に生きられればそれでいいです。

自殺未遂を起こす前は、モーチカはちゃんと働かなきゃ、あれもほしいこれもほしいって感じだったような気がします。分不相応の快楽を求めて、やはり分不相応にストレスがかかった。それで身の程を知れたので結果オーライではありますが。

あと、ひとりでもいいって思えるようになったのも死に損なって以降です。友達が少ないのを気にして、彼女がいないのを気にして、モーチカはすごくさみしい思いをしていました。でも別に、友達が少なかろーが彼女おらなかろーが別によいじゃん。口では簡単に言えますが納得はしづらいことやと思いますが、何故かすとんと腑に落ちました。親友がひとりおるし、彼女ではないにしろ、すごくすっごくすきな人がいて、その人が元気にやっているのを知っているので、さみしくもないです。

脱線しちゃったね。閑話休題。暗くて静かでひとりの夜は、すこしこわくて不安かもしれないけど、でもとってもゆたかな時間だと思うの。情報が減ると、脳のあまったリソースが普段しないようなことを考え出します。自分も知らないでいた自分の声が聞こえてきます。

何かしなきゃと焦っていたモーチカのこころの声は、今なんとかなってるし将来に不安もないし別にいいじゃん?というものでした。たしかに、分不相応に求めれば分不相応の負荷がかかり、またうつになってしまうかもしれない。でもやっぱり、自分は磨いたほうがよいのでは…という気もするけど、今はまだ病み上がりみたいなものやし、あせらず養生するのも必要なのかな。わからないね。

なんて色々考えながらふらふら歩いてきました。徒歩30分圏の外は、車で通らないような裏道は未知のエリアです。やれキョートだのアイルランドだの、外ばかりに目を向けていましたが地元でしらんとこもいっぱいある。モーチカのさんぽは興味システムを採用しており、分かれ道では興味がつよい道を選んで進みます。おかげで遠回りの多いこと。

たのしかった。ポケウォーカーていうポケモンを連れて歩ける万歩計で、オオタチのニィゴを連れていきました。彼女もさんぽがすきなようで、よろこんでくれていました。何よりです。

昔は未成年者の夜歩きが条例で禁止されてたり仕事が朝からあったりして、夜更かしは逃避というか、悪いことって感じでした。今は夜更かししても誰にも怒られないし、仕事にも支障なし。これからも情報に疲れたら、合法夜更かしで脳を休めよ〜。

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