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高野文子『るきさん』

筑摩書房、1996

気軽に会いに行けるところに気安い友だちがいるのって、ものすごいアドバンテージだな……と。
そうじゃなくてひとりでも大丈夫なんだよ、というのを、最後にるきさんを単身ナポリへ赴かせる、そしてそれをえっちゃんに平然と受け止めさせることで示したのが作品の意志なのだろうけど、もし、自分の近くに、いつでもすぐに会いに行ける友だちがいてくれたら、ひとりで生きていくうえでとても大きいだろうなあと思う。えっちゃんのあの態度は、強がりじゃないだろうかと思ってしまうくらい。


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