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「わかったよ、お母さん」【母の日/母への感動の手紙】

伝えたくても伝えられない想いがある。

オトシネマでは、大切な人に向けて書かれた実際のお手紙をAI音声合成技術(全文機械による読み上げ)で代読する「AIボイスレター」を配信しております。

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さて、今週末5月8日(日)は「母の日」という事で、今週一週間は、お母様に向けて綴られた心のこもったお手紙を代読する「Mother's Dayボイスレター」をお届けいたします。

「わかったよ、お母さん」

■お手紙送り主:さな様(三重県・30代女性)
■朗読:ハマダミナミ(AI声優)

(※以下Spotifyリンクよりお手紙読み上げ音声のご視聴が可能です)

「わかったよ、お母さん」

子どもの頃の私は、近所に住んでいる友達のことを羨ましいってよく言ってたね。大きな庭の綺麗な家で、おじさんとおばさんは凄く仲良し。

毎年夏休みになると海外旅行に出かけて、帰ってくるとお土産をくれたの覚えてる?

近くのスーパーでは買えない甘い味のチョコレート、色んな色のグミ、大きくて可愛い形の飴玉。子どもの頃の私にとっては、そういうの全部がキラキラして見えて、羨ましかった。

私の家はおとうさんとおかあさんが忙しくて、家族で泊まりがけの旅行に行ったのは小学生の時の一回きり。

お土産は温泉饅頭だったかな…
旅館のお土産やさんでおかあさんと二人でいっぱい悩んだこと、今でも覚えてるよ。

凄く楽しくて幸せだったけど、それでも友達のことが凄く羨ましかった。

あの旅行からもう20年。
私の年齢はあの頃のおかあさんと殆ど変わらないくらいかな。
結婚して、子どもを産んで、お父さんやお母さんとは別の家族と生活してる。

まだまだ目が離せなくて手のかかる長男の顔を見せると、お母さんは凄く喜んでくれるよね。

目が私に似てるとか、仕草なんかそっくりだとか。正直に言うと本当は旦那さん似なんだけど、お母さんが嬉しそうに話すから私もそれでいいかなって、毎回思っちゃう。

今はお腹の中に二人目もいるし、ここからまだ何年かは毎日が忙しくてあっという間だよね。
家族旅行はまだまだ先になるんだろうなぁ。

ねえお母さん、私わかったことがあるんだよ。

自分がお母さんになって、子どもの顔を毎日見て、一緒に生きて、やっとあの頃のお母さんの気持ちがちょっとだけ分かるようになった。

子どもがこんなに愛おしくて、守りたくて、この子のためならどんな事でも頑張れるんだっていう気持ち。

こんなこと、子どもの頃の泣き虫で弱虫な私を知ってるお母さんが聞いたら、びっくりするでしょ?

おとうさんと二人で毎日休みがないくらい忙しく働いて、おいしいご飯を三人で一緒に食べて、私がどんなに捻くれて喧嘩になっても「おはよう」と「おやすみ」を言ってくれて。

あの温泉旅行もきっと、おとうさんと二人でいっぱい考えてくれたんだよね。

こんな言い方をするのは恥ずかしいけど、色んな思い出の一つずつが今凄くキラキラしてる。私はあんなに愛されてたんだなって、子どもの頃の自分が羨ましくなるくらい。

だけどもう一つ分かってる。

親にとって子どもはいつまでも自分の子どもで、ずっとずっと愛おしい存在なんだよね。

私は私の二人の子どもをきっとずっと先まで愛してるし、今の私もおかあさん達に愛されてる。大人になって、親になって、そういうことがやっと分かったんだよ。

おかあさん、私を生んでくれてありがとう。
これからもよろしくね。

いつか一緒に旅行に行こうね。
おいしい温泉饅頭をお土産に買ってこようね。

今日からもよろしくお願いします。

大好きだよ。

(おわり)

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