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読書感想 赤ずきん、旅の途中で死体と出会う

ネタバレありの読書感想です。
タイトル 赤ずきん、旅の途中で死体と出会う。
作者   青柳碧人
出版社  双葉社

小学生でも読めそうな易しい文章で書かれた、童話をベースにしたフィクションです。主役は題名にあるとおり、赤ずきんで、彼女が旅の途中で出会う様々な事件が描かれます。
第一章 ガラスの靴の共犯者、魔法使いに美しくしてもらったシンデレラと赤ずきん。お城に向かう途中で、死体と出会う!お城に向かわなければならない二人は、この死体を隠すのだが……シンデレラの本性は?
第二章 甘い密室の崩壊、ヘンゼルとグレーテルの家で一夜の宿を借りようとする赤ずきん。お菓子の家での殺人事件に巻き込まれる!ヘンゼルの黒さが、いやらしい。
第三章 眠れる森の秘密たち、眠り姫が眠り始めて40年すぎた王国を守り続ける宰相と出会う赤ずきん。宰相の召使の息子が殺人罪で捕まります。彼の無実を暴く赤ずきんと、その裏に隠された秘密とは?
最終章 少女よ、野望のマッチを灯せ、赤ずきんの旅の目的は、中毒性のあるマッチを売って大儲けしているマッチ売りの少女エレンを殺すことだった。ここでは、別の章の登場人物も登場して様々な伏線も回収して終わる。ミステリなので、それぞれにトリックは存在するが、驚くようなものではない。それでも、飽きずに読めてしまうのは、文章の易しさとよく知った童話の登場人物が意外な性質を見せるところにあると思った。

中毒性のあるマッチは、売って大儲けするエレンが悪いのか?マッチを使う心弱い人間が悪いのか?教訓めいた内容が入るのも、童話らしくて面白い。

好みは分かれるところだし、すごい作品を読んだ!という感触はないが、とにかく発想が面白い。
軽く読む本としてはおすすめです。




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