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ロック好き歴20年!宇賀神メグアナに力をくれるエレキギターの魅力【アナウンサーの推し事】

好きなものや、それを愛で、応援する気持ちを表すことばとしてすっかり定着した“推し”。慌ただしい日々を送るアナウンサーにも、きっと毎日の糧になったり、癒しになるような“推し”があるはず。愛してやまないものを、自由に語ってもらう連載企画『アナウンサーの推し事』。第3回は、ロックが大好きで、自身もエレキギターを演奏するという宇賀神メグアナウンサーに、ロックの魅力を語っていただきました。


ロック好きの原点は、車内DJの母


——宇賀神さんはかなりのロック好きだとうかがいました。いつ頃からロックを聴いているんですか?

宇賀神 小学生のときにはもう、ロックが好きでした。家族で出かけるときには、必ず母がDJをして、母の好きな曲をみんなで歌いながらドライブするのがお決まりだったんです。ビートルズ、エリック・クラプトン、ボン・ジョヴィ、邦楽だったらクレイジーケンバンドなど。低学年の頃から歌詞の意味も分からず、『let it be(ビートルズ)』とか『せぷてんばぁ(クレイジーケンバンド)』とか歌ってましたね(笑)。

——たくさんの曲が流れるなかで、「ロックってかっこいい!」と初めて意識した曲を覚えていますか?

宇賀神  『Layla』ですね。エリック・クラプトンがデレク・アンド・ザ・ドミノスというバンドを組んでいたのときの曲です。
はじまりの「タララララララン!」っていうギターのリフがまずかっこよくて! それにエリック・クラプトンのちょっとハスキーな歌声もすごく素敵でした。のちにスティーヴン・タイラーも大好きになるんですけど、彼もハスキーな歌声が魅力。そういう声に弱いんです、私(笑)。
最初に『Layla』聞いたときにグッと心をつかまれて、そこからロック好きの道を歩いてきたような気がします。

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——ライブに行かれることもあるんですか?

宇賀神 ライブも大好きです! ロック好きになった原点が母なので、母と一緒に行くことが多いですね。母とはずっと友だち同士みたいな関係性なんです。


——特に思い出に残っているライブは?

宇賀神 高3の夏に行ったエアロソニックですね。エアロスミスとB'zが出演したライブでした。
エアロスミスの『Cryin'』のイントロを聴いた瞬間に、涙が出てしまって……。大好きな曲だったのでよく聞いていたんですが、ご本人の歌声と生演奏で聞いたら、音源とはまったく違う魅力がありました。なんていうのかな、音源よりも歳を重ねているぶん、歌声に厚みが出ている感じがしたというか……。とにかく鳥肌が止まらなかったです。間違いなく人生のベストライブですね。


——『Cryin'』は今でもよく聴きますか?

宇賀神 はい、会社からの帰り道でよく聴いてます。なんとなく夕焼けのなか、家に帰りながら聴きたくなるような曲なんですよ。
この『Cryin'』と『Amazing』『Crazy』は、同じ女優さんがミュージックビデオに出演している「三部作」なんです。ぜひ曲もMVもチェックしてみてほしいです!

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ジョー・ペリーに憧れて。舞台での失敗が最高の思い出

——宇賀神さんがギターをはじめられたのは、どんなきっかけがあったんですか?

宇賀神 中学2年のときに、エアロスミスにハマりまして。なかでも『eat the rich』って曲が大好きだったんです。この曲もイントロのギターがすごくかっこよくて、それを弾いているジョー・ペリーを見て「かっこいい! 私もこんなふうに弾きたい!」って憧れたのがきっかけです。
母が大学時代に軽音楽部で使っていた、ピンク色のギターを譲ってもらって練習していました。


——ここでもお母様の影響が大きいんですね! それからずっとそのギターを使っているんですか?

宇賀神 いえ、高校1年生のときに自分のギターを買いました! 貯めたお年玉を握りしめて、御茶ノ水(東京の楽器街)にくり出して。ずっとスラッシュ(ガンズ・アンド・ローゼズ)やジョー・ペリーが弾いていたような、黒地にゴールドの金具のレスポールがほしいと思っていたんです。本物のギブソンのレスポールは30万円くらいするので、もちろんお年玉じゃ買えなくて、5万円くらいのレスポールタイプのギターを購入しました。


——今もそのギターは手元に?

宇賀神 はい、今でも使っています。これまでの思い出が全部つまっているので、さみしくてなかなか買い換えようとは思えないですね。大事なギターです。

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(高校時代から愛用しているギター(お写真本人提供))


——学生時代はバンド活動をされていたとうかがいました。どんなバンドを組んでいたんですか?

宇賀神 女子校だった高校時代は、仲の良い友だちと軽音楽部に入って、4人組のガールズバンドを組んでいました。私がギターで、ベースボーカル、ドラム、キーボードというメンバーでした。


——ベースボーカルってめずらしいですね。ギターの宇賀神さんがボーカルもやることはなかったんですか?

宇賀神 実は一度だけ……! 『歌舞伎町の女王』(椎名林檎)をやりました。でもその1回で「あ、やらないほうがいいな」って悟ったんです(笑)。

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——ははは、気になります! ロックも演奏していました?

宇賀神 私はロックをやりたかったんですけど、やっぱり男性ボーカルのものが多いので難しくて。基本的には女性ボーカルの曲をコピーしていました。aiko、東京事変、YUIとか。でも一度だけ、無理やりメンバーにお願いして『I Love Rock 'n' Roll』(アローズ)をやったこともありました(笑)。


——大学に入ってもバンド活動は続けられたんですか?

宇賀神 はい! 大学の軽音楽部では、バンドメンバーが固定されていなくて、ライブ毎に誰かがやりたい曲を提案して、それからメンバーを募る形式だったんです。たとえば「次RADWIMPSやりたいんだけど、やりたい人いるー?」って連絡があったら、「あ、私ギターやります!」みたいな感じで入っていく。


——へえー! すごく自由な感じですね。じゃあ宇賀神さんはロックの曲を中心に手を上げて?

宇賀神 そうですね。大学はキャンパスが理系だったこともあって、男子率が高かったので、思いっきりロックの曲をコピーすることができました。すごく楽しかったです。


——大学軽音楽部での思い出はありますか?

宇賀神 ふふふ、苦い思い出なんですけど。毎年夏と冬に、みっちりスタジオにこもって練習して、最終日にライブで披露するっていう「合宿」があって。
それで私、1年目の夏に調子に乗って5個くらいバンドを組んでしまったんです(笑)。しかも難しい曲ばかり。4日間の合宿期間中、毎晩深夜までひとりスタジオに残って練習したんですが、どうしても全部の曲に手が回らなくて……。
結局、トリだったUVERworldの演奏中、一番大事な決めのパートで大失敗! うろ覚えだし、指がもつれるし、ステージ上で「弾けない!」ってなって(笑)。終わってからバンドメンバーにすっごく謝りました。

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——ははは、それは忘れられない思い出ですね。TBSに入社されてからも、ギターは弾いていますか?
宇賀神 弾いてます! お休みの日やちょっと疲れたなってときに。学生時代にバンドで弾いた曲を弾きながら、「あのときギターソロ失敗しちゃったなー」とか、いろんな思い出をふり返りながら弾くのが楽しいんです。いい気分転換になっていますね。


ロックは生きがい! 食わず嫌いなあなたに、オススメしたい曲


——宇賀神さんにとって、ロックやギターはどんな存在ですか?

宇賀神 ロックって、私にとっての生きがいですね。いつもロックからパワーをもらっていますし、ギターを弾くと「明日も頑張ろう」と思える。


——宇賀神さんのようにロック大好きな人がいる一方で、ロックに対してちょっと近寄りがたい印象を持っている人もいると思うのですが……。

宇賀神 そうですよね。特にハードロックは、歌詞が過激だったり、メンバーの見た目が派手だったりするので、「なんか怖い」ってイメージがある人も多いと思います。でも、ロックバンドのなかにも、いろんな曲があるんですよ。
たとえば、マキシマム ザ ホルモンの『鬱くしき人々のうた』という曲。この曲の歌詞に出てくる“0.5生懸命”ってフレーズに、私は何度も励まされました。このワンフレーズを聴くと「頑張るのも大事だけど、頑張りすぎなくていいんだよ」って言われているような気がするんですよね。ずっと、『鬱くしき人々のうた』がマキシマム ザ ホルモンのなかで一番好きな曲です。
ロックを聴くと、きっとみなさんの背中を押してくれる曲が見つかると思います。なんとなくのイメージで食わず嫌いせずに、もっといろんな方にロックを聴いていただけたらうれしいですね。

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——すごく良い言葉ですね。ぜひ宇賀神さんにロックの曲をたくさん紹介してもらいたいなと思いました。

宇賀神 うれしいです! 音楽も大好きですし、音楽番組も好きなので、ぜひラジオでもテレビでも音楽に関わるお仕事ができたらいいなと思っています。


——あと、宇賀神さんのギターも聴いてみたいです!

宇賀神 いやいや、私のギターはお届けするレベルじゃないですから……(笑)。でもギター自体はこれからも続けていきたいなと思っているので、練習します!
ギターって歳を重ねてもずっと楽しんでいける趣味だと思うので、もう少し歳をとったら、大人同士でバンドを組んでみたいですね。夢のひとつです。

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宇賀神メグ(うがじん めぐ)/TBSアナウンサー。担当番組は『THE TIME,』(月~水、金)、『人生最高レストラン』など。ラジオ番組では『ハライチ岩井 ダイナミックなターン』に出演中。2018年入社。

Photo:飯本貴子 Text:水沢環 Edit:ツドイ
(こちらはTBSラジオ「オトビヨリ」にて2022年1月25日に公開した記事です)